ニキビは冷やすのと温めるのとでは、どっちがいいの?
ポツンと小さくてもかゆみや痛みは強いし、見た目にも大きな存在感。ニキビは1日も早く治したいですね。でも間違ったケアをして逆効果という残念なことにならないよう、大事なポイントをお伝えします。
「冷やしたほうがいいの?それとも温める?」実はこれが、意外な大問題なのです。
「炎症は冷やして治す」は、ニキビ肌には禁物!
ニキビの多くは炎症を起こして熱を持ち、かゆみをともないます。こんなとき、直感的に「冷やしたほうがいいな」と思いますよね。
実際にケガをして炎症が起きたとき、冷やしたら痛みがやわらいだ、炎症がしずまった、という経験がある人も多いでしょう。
でも、ニキビを冷やしても症状は改善しません。それどころか悪化につながってしまうことが多いので注意しましょう。
治すにはニキビを温め、からだを温めることがポイント
ニキビができたとき、跡を残さず早く治すには、「ニキビを冷やさず、温める」。これがお肌の温度管理の基本原則です。
ニキビを冷やすと治りが遅くなり、あらたなニキビもできやすくなります。もっと心配なことに、色素沈着を起こしてニキビ跡ができてしまうケースもあります。痛みが消えても、紫がかったニキビ跡がずっと残ってしまったら悲しいですよね。
反対に、ニキビとその周辺をやさしく温め、同時にからだの冷え性ケアもおこなうと、ニキビが治っていくプロセスを力強くうながします。これはニキビ予防にもよい効果があります。
「どうして冷やしてはいけないの?」
「冷やしたらニキビはどうなる?」
「温めると、どうして早くよくなるの?」
「どうやって温めたらいい?」
そんな疑問をここで一気に解決するため、まずは「冷やすこと」「温めること」にはどんな作用があるのか、そしてそれらのケアをどう使い分けたらよいかをみていきましょう。
炎症ケアは「急性期」と「慢性期」では真逆なので要注意
すり傷や切り傷、捻挫、骨折、こういったケガで炎症が生じたとき、冷やすことがあります。事実、冷やすことで症状を軽くしたり、治癒を速めるケースがあるため、これは間違ったケアではありません。
ただし、タイミングが重要です。冷やすのは「炎症の初期(=急性期)」に限ります。
炎症には、大きく分けて2つの時期があります。ひとつはケガやトラブルの初期段階で、熱を持ち、腫れが生じ、痛みをともなう段階の「急性期」です。程度によって異なりますが、だいたい1週間ほど続きます。
そしてもうひとつは、熱や腫れ、痛みがひいてゆっくり治っていく「慢性期」です。
冷やすケアは、炎症の「急性期」に効果あり
炎症の急性期には、細胞のダメージを修復しようとからだの免疫システムがフル稼働します。まず、痛みを発生させる物質を出して本人に「ここにケガがあります」「動かさないで」と警告します。
さらに、死んでしまった細胞を片づけ、ケガをした部分の細菌や異物を取りのぞき、傷ついた細胞を修復するため、免疫細胞が走り回ります。
急性期のこういった反応は、もちろん必要だから起こるのですが、どうしても過剰な傾向があります。ケガという突発的な事件にからだが驚いて、大げさに反応するのです。
この急性期にケガを冷やすと、血管を収縮させ、免疫細胞をおとなしくすることができます。すると大げさな反応が少しずつしずまっていきます。
ですから「まず冷やす」「急性期に冷やす」のは、治療のための正しいケア、効果的な手段といえます。
「慢性期」の炎症は、温めるのがベスト
一方、急性期を過ぎて慢性期に入ったら、温めることが大切です。
この時期には、初期の症状が落ち着いて、細胞の修復がゆっくり進んでいきます。
この段階では、修復に必要な材料や栄養を細胞に届けたり、痛みの原因物質を回収したりする作業がメインになるので、血行をよくするため、温めることが必要です。
からだに炎症が起きたら、「急性期には冷やす」「慢性期には温める」、これがケアの基本です。では、ニキビの冷やし対策・温め対策について具体的にみていきましょう。
ニキビを冷やすケアには思わぬ危険が潜んでいる
一般的な炎症ケアの基本をみると、「できたての赤ニキビは急性期」「だから冷やしてOK!」と思いがちです。
でも最初にお伝えしたように、ニキビ対策の原則は「冷やしてはダメ」です。理由は3つあります。
ニキビの原因・アクネ菌は冷やしても無駄
冷やしてはいけない理由は、ニキビの原因に働きかけることができない点、そしてニキビが治りにくい状況を作ってしまう点にあります。
無駄になるだけでなく、逆効果になりかねないので注意が必要です。具体的には以下の3つです。
- 冷やしてもニキビの原因菌・アクネ菌にダメージをあたえることはできない
- 血行を悪くして、治るのを遅らせてしまう
- お肌を乾燥させてしまう
アクネ菌はしぶとくやっかいで、少し冷やしたくらいではダメージを与えることはできません。ですから原因治療という点からみると、まったく効果がありません。
冷やしすぎは、ニキビが色素沈着するリスクも!
ニキビを冷やして血行不良になると、治りが悪くなります。さらに冷やし過ぎると、場合によっては毛細血管に血液が送られないせいで、一部の細胞が死んでしまいます。
これが原因でニキビが色素沈着を起こすこともあるので、充分に気をつけましょう。ニキビ跡が残ってしまったら大変です
またニキビの冷やしケアは、乾燥をまねいてしまう点も大きな問題です。ニキビを冷やすとお肌の皮脂が流れ落ちます。皮脂はよく悪者のようにいわれますが、適切な必要量があり、不足すると一気にさまざまな肌トラブルを引き起こします
ニキビ周辺だけでなく、からだ全体を温めよう
お伝えしたとおり、ニキビ対策には冷やすケアは逆効果で、温めるケアが大切です。
からだ全体を温めると毛穴が開いて汚れが落ち、血行がよくなりお肌の新陳代謝が活発になるので、ニキビの治療や予防に効果的です。ぜひニキビ周辺だけでなく、からだ全体を温めましょう。
温めケアには、毎日お風呂に入り、ゆったりからだ全体を温めながら、シットリした蒸気を顔に浴びることがいちばんです。1日に1~2回、蒸しタオルをするのもいいでしょう。
同時に冬は外気の寒さ、夏はエアコン冷えなどに気をつけ、普段から温かい飲み物をとって冷え性を予防・改善するとベストです。
例外的にニキビを冷やすときの注意ポイント
「ニキビは原則的に温めるケアをする」、その理由や大切さがわかったところで、「冷やしてもいい」特別なケースと、冷やすときの注意点を覚えておきましょう。
ニキビを冷やすのは「緊急のとき」「短時間だけ」を守ること
冷やすケアが、あまり害にならない、もしくはよい効果があるのは、次の2つのパターンです。
- できたての赤ニキビで、痛み・かゆみ・腫れがひどく、一時的に症状を抑えたい
- ニキビがすっかり治ったので予防のケアをしたい
ニキビを冷やすメリットはほんのわずかで、基本的には、一時的に強い症状をやわらげるくらいしかできません。でも本当につらいときはごく短時間、冷やして苦痛を軽減してもよいでしょう。
また体質的にニキビ肌の人や、ニキビができやすい時期に、予防として冷やすケアをとりいれるのはよい効果があります。これはもっとも大切なケア、洗顔のときにおこないます。
ニキビ予防のケアをするには、最初にお肌を温めて毛穴を開きます。そして古い角質をとりのぞく成分や保湿成分がふくまれた洗顔料で、ていねいに毛穴の汚れを落とします。その後、毛穴をしっかり閉じるため、お肌を刺激しないよう注意深く冷やすといいでしょう。
ニキビを冷やすときに守るべき2つの注意点
ただし、冷やし方にも気をつけるポイントがあります。
- 氷、氷枕、保冷剤を使って冷やすことは避ける
- エアコンなどの冷風にお肌を当てないようにする
冷やしすぎは、お肌の細胞を壊し、ニキビ跡を作ることにもなりかねません。
また、冷たさをマイルドにしようとタオルなどを巻くのもおすすめできません。繊維の刺激は、ナイーブなお肌に意外なダメージをもたらすからです。
「では、お肌に触れずに冷やせばいい?」と、エアコンなどの冷風にお肌をかざして冷やすことも避けましょう。風はお肌の水分を急激に奪って乾燥させ、かえってニキビができやすくなります。
安全なのは、冷やした化粧水などをコットンに含ませ、やわらかく押し当てる方法です。ニキビはささいな刺激でも悪化、発症しますので、やさしいケアを心がけましょう。
「冷やすべきか、温めるべきか」。この問題だけをみても、もっとも大切なのは、正しい情報を持つことだとわかりますね。
「ニキビを早く治したい」「跡が残らないように治したい」と思って一生懸命にケアをしても、ここでお伝えしたとおり逆効果になってしまうケースもあります。
思い込みや間違った情報にまどわされてケアをしたせいで、「ニキビが色素沈着してしまった」「ニキビ跡がクレーターになってしまった」、そんな悲しいことにならないよう、まずは「ニキビは温かくして治す」という原則を守り、毎日の適切な洗顔を実践しましょう。
ポイントを押さえた賢いケアを続けることで、ツルツルすべすべの美肌を取り戻すことができますよ。