ここに述べることは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。
また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントを摂ったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。インターネットにより、Dr.牧瀬のアドバイスを受けられたい方は、こちら
隠れ甲状腺機能低下症
この30年間に、特に女性の体温は1度低くなっています。36度を切る人が非常に多いのです。 ひょっとすると、地球の温暖化(もっとも、地球は温暖化などしていないという意見も多いのですが)とどこか関係があるのかもしれません。 外が暑くなっているから、体は冷やそうとしているのでしょうか。しかし、体の冷えは万病のもとです。
こういう人たちに共通しているのは、疲労感、便秘気味、冷え症、コレステロール値が高い、脈が遅い、集中力が足りない、ずんぐりと太り気味、顔もどこか全体的に浮腫気味、 毛髪がごわごわしている、白髪が増えた、精力減退(男性)、生理不順(女性)などの症状を、いくつか兼ね備えていることです。
不眠やうつ的なこともあるので、心療内科に行き、詳しい検査もされずに、睡眠薬や抗うつ剤をだされていることもあります。 そして、いつのまにか昼夜が逆転し、さらに睡眠剤・抗うつ剤を重ねられ、あげくのはてには就業不能、学生であれば登校拒否の状態に陥ってしまうことさえあります。
こういった、現代に蔓延する、不定愁訴的な症状は、甲状腺の機能低下に由来することが多々あります。 医者はいちおう甲状腺機能低下も疑い、その検査をします。 しかし、たいがいは正常とでてくるのです。 ところが、この正常というのがくせもので、正常範囲下限ぎりぎりの正常から、上限ぎりぎりの正常まであります。 そして、ふつうの甲状腺の血液検査ではかるのはTSH(甲状腺刺激ホルモン)、T3(トリヨードサイロニン)、T4(テトラヨードサイロニン)くらいです。 rT3(リバースT3)は測定しません。
甲状腺のホルモンはT4、T3、それとrT3の3種類があります。その中で、活性の強いのがT3です。rT3はT3の鏡像の異性体です。rはreverse (裏返す)のrです。 その活性はT3と比べるとほとんどありません。したがって、T3が甲状腺ホルモンとしての主な働きをしているといえます。 ところが、通常の検査では、rT3はT3と同じにみなされ、T3として検査結果がでてきます。 すると、いくら活性のないrT3が多く、活性の強いT3が少なくても、検査としては異常なしということがときどきおこりえるのです。しかも、TSHも正常とでてくることがあるのです。
ただ、残念ながら日本では、このrT3の検査は普通のクリニックや病院では行われません。 当方のクリニックでも行えないのです。なぜなら、その検査のためのキットが、研究用は別として、ふつう日本では入手できないのです。よく患者さんから、どこでrT3の検査が、受けられるのかという質問がきますが、日本では受けられません。
おそらく、うつ病、あるいは慢性疲労症候群、あるいは更年期障害と診断されている人たちの中には「ReverseT3」が多い状態の人がけっこういると推測されます。 肝臓の弱い人、腎臓に問題がある人、糖尿病が進行している人、神経性食欲不振症の人なども、「ReverseT3」が多くなる可能性が高いので、注意が必要です。
また、T3、T4、TSHは正常値範囲以内にあっても、TgAb(抗サイログロブリン抗体)とTPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)が異常値を示し、慢性甲状腺炎(橋本病)やバセドー病を患っていることわかることがあります。つまり、甲状腺にはすでに病変が始まっているにもかかわらず、何とかもちこたえ、甲状腺ホルモンの分泌を正常にたもっているという状態です。
これら二つの抗体の検査は、甲状腺専門病院以外ではあまり行いません。ですから、甲状腺がどうもあやしいと感じられた場合は、必ず専門の病院で検査してください。
私はこれらの状態を「隠れ甲状腺機能低下症」と呼んでいます。あなたが女性で、家系的に甲状腺の病気を患った人がいる場合、その可能性は、かなり高くなります。 もちろん、男性でもかかります。
乾癬の治療に来られた男性患者です。非常に冷え症で、真夏でも使い捨てのカイロを背中に貼りつけているとのことでしたので、念のために甲状腺機能の検査を、エコーも含め甲状腺専門医でしてもらうようにすすめました。
結果はTSHが正常値よりわずかに高く、軽度の橋本病で、薬をのむほどではないが、要注意という診断でした。 乾癬と橋本病は直接には関係ありませんが、 この人は10年も乾癬を患っており、病院には足しげく通っていたわけで、それなのに10年という長い期間にもかかわらず甲状腺機能低下に、医者は気づけなかったのです。 これほど、甲状腺機能低下は見逃されやすいのです。
この場合、T3、T4が正常であったのであれば、ふつう、潜在性甲状腺機能低下症(subclinical hypothyroidism)と専門医はよびます。TSHは非常に鋭敏なので、先に異変がこのホルモンに出てくるのです。この状態はけっこう多く、一般人口の4%~10%と推測されており、高齢者になると罹患率はもっと高くなり、20%を超えることが確認されています。
この潜在性甲状腺機能低下症に治療が要するかどうかは、ガイドラインがあり、それに基づいて医師は判断します。たいていの場合、しばらく様子を見てみましょうとなりますが、妊娠中、および妊娠を希望の女性はすぐに治療を始めることがすすめられています。
以上、「隠れ甲状腺機能低下症」にせよ、「潜在性甲状腺機能低下症」にせよ私たちが考えている以上に蔓延していそうです。その理由は、日本の場合、ヨードを多く含むコンブなど摂り過ぎにあるのかもしれません。おまけに、大豆が健康にいいということで、豆乳などをもっぱら飲んでいる人が多く、また大豆プロテインなどでタンパク質を補うことがはやっているからです。これは危ないことで、大豆の過剰摂取は甲状腺に悪影響を及ぼします。牛乳がアレルギーをひきおこしやすいというので、豆乳を子供に毎日飲ます母親がいます。Googleで「大豆 甲状腺」を検索してください。ときどき飲む豆乳は健康に良いでしょうが、毎日となると、危険かもしれません。
また、最近、大豆を主成分としたスナックが売られています。SOY~かと書かれていると、そのSOYとは大豆のことです。大豆は健康にいいと錯覚して、ダイエットも兼ねてこれを食べている人もいます。非常に危険です。販売元は大豆のとりすぎは甲状腺に悪影響を与えることくらい知っているはずなのに、製品にはその注意を怠っています。
やせると思って、食べていて、甲状腺機能低下を起こせば、かえってずんぐりと太ってきます。 読者の中でも思い当たる人がいるのではないでしょうか? 大豆でダイエットしているのに、最近、何だか太ってきたみたいだわと感じられる人は、まさに要注意です。それと、カリフラワー、ブロコッリー、キャベツなどアブラナ科の野菜を多く食べる人は注意してください。それらには甲状腺腫をおこす物質(ゴイトロゲン)が含まれていますから、甲状腺機能低下をおこすことがあります。
煮豆や湯豆腐には昆布が入っていることが多いものです。伝統とは、実に知恵のあるもので、大豆はヨードの吸収を阻害することを、昔の人は経験的に知っていたのです。その分を計算して、ヨードを多く含む昆布を入れていたのです。 こういう奥深い料理法を無視してカロリーばかり計算するアメリカ流の栄養学は、実に愚かなものなのです。どれほど愚かな栄養学であるかは、彼らの肥満体を見れば、一目瞭然です。
この無思慮な大豆摂取に加え、ビタミンCの錠剤を、まるでクッキーを食べるように、ぽりぽりとかじっている若い女の子を見かけます。これは、非常に危険です。「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」(講談社+α新書)という本が出ています。この本の著者は医師ではありませんので、実際に患者さんにビタミンCを処方した経験がないはずです。私は20年以上、実際にビタミンCを初め、あらゆるビタミン剤を処方した経験上、確かにビタミンCは非常に必要なビタミンですが、それがゆえに、コンビニ感覚で無思慮に摂ると、かなり危ないビタミンであることが最近になってわかってきました。手放しで、大量摂取がすすめられるビタミンではないのです。食物から摂るのはいいでしょう。しかし、サプリメントとしてむやみに摂っては危ないのです。
ヒトとチンパンジーは、グロノラクトンオキシダーゼという酵素をもっていないため、体内でビタミンCをつくる能力がありません。 他の哺乳動物、たとえば犬、猫、ライオンなどは、自分の肝臓でビタミンCを合成することができます。 ライオンがビタミンCを補うために、せっせとオレンジを食べている光景は、なんとなくさまになりませんね。なぜなら、彼らは本来的にその必要がないからなのです。
なぜ、高等動物であるヒトやチンパンジーがその大切な能力を失ったか? 進化すればするほど大切な能力を本来備えていなければいけないはずであるがゆえに、この事実はダーウィンの進化論の一つの欠陥だと考える学者がいます。 しかし、ここで発想を転換し、余分なビタミンCは知能の発達には、かえって災いをもたらすがゆえに、 グロノラクトンオキシダーゼをつくる遺伝子を、ヒトとチンパンジーは捨ててしまったと考えると、つじつまが合います。
以上のビタミンCのサプリメントと大豆製品。 二つとも、一見すると健康に良いように見える組み合わせは、ひょっとすると甲状腺に悪影響を与え、女性の体温を下げているかもしれません。
アメリカの塩にはヨードが添加されています。 しかし、食塩の取りすぎは高血圧をきたすということで、特に健康に注意を払う健康オタクが食塩を制限し、その結果、ヨード不足をきたし、かえって健康を害するという皮肉なことがおこっているのです。さらに水道水に消毒のためフッ素が添加されていますから、同じハロゲン族に属するヨードの吸収をフッ素が邪魔するのです(日本の水道水にはフッ素は添加されていません)。アメリカは、もともと、海産物をあまり食べない国柄ですから、事態はけっこう深刻です。また、「エストロゲン・ドミナンス」のぺージに詳しく述べる過剰なエストロゲンも影響しているでしょう。
この場合、甲状腺機能そのものは正常なのに、余分なエストロゲンによって、甲状腺ホルモンの働きが減少していることがあります。余分なエストロゲンはサイロキシン結合グロブリン(TBG)を増加させます。TBGは、血流中を自由にめぐっていた甲状腺ホルモンを吸収し、結合してしまうタンパク質です。特にホルモン補充療法を受けているときにおこることが多いのですが、エストロゲン・ドミナンスの現代にあっては、ホルモン補充療法を受けていなくても、知らないうちに、そういうことがおこっている可能性があります。ひょっとすると、20人に1人ほどは、甲状腺ホルモン自体は十分に分泌されているにもかかわらず、甲状腺機能低下と同じ症状を患っているのではないかと推測されます。
そして、先進国では甲状腺に関する検査が行われるのですが、それが中途半端な検査であるがゆえに、特に甲状腺機能の低下を見つけることができないでいるのです。
こと、日本に限っては、健康保険がきく甲状腺機能の検査項目が限られており、その範囲でしか検査ができないということが一つの理由なのです。それをこえる分は、患者さんの負担となります。
日本の患者は、安い医療費に慣れていますから(国際的にみると日本の医療は、その質とスピード、それに対する税金から見ると、非常に!非常に!非常に!安いのです)、少しでも余計な分を払わせられると、文句を言います。おまけに、検査結果に異常がなければ、無駄な検査をやったとさえクレームがつきます。したがって、医者はもっと検査をした方がいいとわかっていても、しません。 そこで、中途半端になってしまいます。
それと、例えば検査の結果、FT4が0.81ng/mlだったとします。FT4の基準値は0.80~1.60です。0.81は確かに基準値の中に入っています。 0.79であれば、基準値以下ですから、甲状腺機能低下として扱われますが、0.81の場合、はたして、 まったく正常と言えるのでしょうか? 0.79と0.81とでは、いったいどれほどの違いがあるのか? 同じ人間でも、その日の体調によって、数値は0.79と0.81の間を行ったり来たりしないのか? こういうことがほとんど考慮されず、「0.81ですから、甲状腺機能には問題ありません」と機械的に処理されがちなのです (このたぐいの診断なら、医者なんて必要でなく、 コンピュータに任せて十分なはずですが)。
その結果、見かけ上甲状腺機能は正常となり、あなたのうつ的で重い気分は、心療内科か精神科で治してもらってくださいとなってしまうのです。
特に、うつ病と誤診された場合は悲惨です。日本の医者も、アメリカの医者も、抗うつ剤は大好きですから(要するに、収入アップになるのです)、どんどん処方される危険性があります。本来うつ病でないものに、抗うつ剤が投与されるわけですから、当然、効果はありません。したがって、一種類では足りないものですから、2種類、3種類と重ねられ、量も増え、とても仕事や勉強に集中できなくなってしまい、そのあげく、薬のために本当の精神病になってしまうことがあります。これは、悲劇であり、医原病の最たるものの一つでしょう。もし、あなたが女性であり、家系的に甲状腺を患った人がおられるなら、ぜひ、甲状腺機能低下の見地からも、専門医に診てもらうようにしてください。
甲状腺機能低下症は比較的に、女性の方が、男性よりも多かったので、特に男性の場合見逃されやすいのです。ひょっとすると、現在では、男性のほうがこの「隠れ甲状腺機能低下症」、「潜在性甲状腺機能低下症」、あるいは、単なる「見落とし甲状腺機能低下症」が多いかもしれません。男性の場合、喉頭隆起(いわゆる喉仏:のどぼとけ)が女性よりも顕著なために、本当は甲状腺腫大があるにもかかわらず、意外と高率で見逃されている可能性があります。
30代どころか、40代、50代でも、肉体が健康な人は十分に睡眠をとると、ほとんどの疲れは回復します。 ところが、起床して体を動かし始めると、しばらくして異常な疲労感に襲われるときは、甲状腺機能低下の可能性も考慮してください。
また、うつや不眠は甲状腺の問題かもしれないと気づかれ、精神科や心療内科に行く前に甲状腺専門医にかかられて、「境界領域」、あるいは「潜在性甲状腺機能低下症」、「軽度の橋本病」と診断された場合、たいてい何の治療も行われません。また、TgAbやTPOAbが異常値を示しても、T3、T4、が正常値範囲以内にあれば、これも治療の必要なしとされます。甲状腺ホルモンのチラージンをほんの少量補えば、かなり改善するとわかっていても、現下の医療保険制度ではできないのです。しかし、患者さんはつらいので、仕方なく精神科や心療内科に行かれ、どっさりと抗うつ剤や睡眠導入剤による治療が始まります。その帰結は、多くの例で、普通の社会生活を送れないような状態になります。
こういう場合、月桃、コラーゲン、フラックスシードオイル、ビタミンD3、などのサプリメントによる治療が非常に助けになります。詳しくは、「甲状腺対策サプリメントセット」 をお読みください。
毎朝床から起きるまでに体温をはかってください。普通の体温計でけっこうです。腋ではかって36.2度を切るようであれば、それは甲状腺機能低下の可能性があります。 36度を切ると、かなりその可能性が高くなります。(測定には十分注意を。体温計を最低2つは用意してください。同じ部位を同じ時間はかっても、体温計によって、結果が0.5度ほど違ってくることがあります)。
それと、もう一つ簡単な甲状腺機能低下を見つける方法があります。勤務先での健診では、普通は甲状腺にまつわるホルモンの検査をしません (本来は、ぜひ組み込まれなければいけないのですが)。しかし、肝機能やコレステロールなどに関する血液検査は行います。その中で、ALPとコレステロールの数値に注意してください。
ALP(アルカリホスファターゼ)という酵素は胆嚢・胆道・肝臓系、骨代謝などに異変があった時に、異常値を示します。多くは、正常値より高いときに注意が促され、一般健診のあと、肝臓や胆嚢の精密検査を要するというようなコメントがついてきます。ところが、これが低い値を示すときは、けっこうないがしろにされやすいのです。と、言いますのは、ALPが正常よりも低い値を示すのは、「遺伝性低ALP血症」という10万人に一人ほどしか起こらない病気と、「甲状腺機能低下」や、亜鉛が欠乏する状態(たとえばアルコール依存症)、あるいは何らかの理由でマグネシウムが少ないときなどになってくるからです。
また、甲状腺機能低下で、甲状腺ホルモンの分泌が減ると、肝臓でのコレステロールの合成が減じ、かつ、胆汁へのコレステロール排泄も減り、結果的に血中のコレステロールが増えます。
ALP低下だけ、あるいは、コレステロール値上昇だけ、各々一つだけで甲状腺機能低下を疑うのは早急でしょうけれど、この二つが同時にあれば、甲状腺機能低下も念頭に入れておき、念のために甲状腺専門クリニックに行かれ、精査されたほうが良いでしょう。
ここに具体的な症例をあげます
< 女性・45歳 >
ALP 87U/L(基準値:104~338)
総コレステロール272mg/dL(基準値:150~219)
HDLコレステロール125mg/dL(基準値:40~90)
この人の主訴は、ひどい物忘れと、倦怠感、抜け毛、肥満です。主治医は甲状腺には無頓着だったようで、甲状腺にまつわるホルモンの検査はなされていませんでした。他の数値はまったく異常なしだったので、抗高脂血症剤の服用をすすめられるだけで終わっていました。納得がいかないので、あとで、他の病院で検査したところ、軽度の橋本病であることがわかりました。
みなさん、去年の健診の血液検査のデータをもう一度見てください。そして、「ALP↓+コレステロール↑」であり、疲労感、うつっぽい、便秘、冷え症、脈が遅い、集中力不足、運動するも痩せない、顔も浮腫気味、眉毛の外側が抜けてきている、毛髪がごわごわ、 皮膚乾燥、精力減退(男性)、生理不順(女性)とあれば、かなりの確率で甲状腺機能低下を疑ってください。
注意
1)日本の病院やクリニックですすめられるホルモン補充療法に使われるプレマリンにせよ、プロゲステロン・クリームから代謝されてできるエストロゲンにせよ、余分なエストロゲンはサイロキシン結合グロブリン(TBG)を増加させます。TBGは、血流中を自由にめぐっていた甲状腺ホルモンを吸収し、結合してしまうタンパク質ですから、たとえ甲状腺機能が正常であっても、甲状腺ホルモンの働き自体は減少してしまいます。
そこで、体重増加、皮膚の乾燥、疲労感、便秘、うつなどがおきてくるのです。 したがって、もしあなたがホルモン補充療法を受けているにもかかわらず、肥満や慢性的な疲労が続くのであれば、ごくわずかでいいですから、甲状腺ホルモンを補うことが必要です。
しかし、これは医者の指導のもとで行わなければ危険です。
2)食物の中にあるビタミンB12はタンパク質と結びついています。それが、胃酸やペプシンによって遊離され、胃壁の細胞から分泌される内因子(IF)と結合し、IF-B12複合体として、回腸で吸収されます。ところが、甲状腺ホルモンが正常に分泌されないと、その吸収がうまくいきません。したがって、ビタミンB12不足の状態になりやすいのです。
糖尿病 のビタミンB12のところもお読みください。
3)就寝の理想は午後10時までですが、どんなに遅くとも11時までには床に就いください。その分、朝は早くおきてもかまいません。(朝は、寝たいだけ、寝てられてけっこうです)。どんな病気も夜ふかしすると、非常に治りがよくないのです。それは、成長ホルモンの分泌の関係からです。特に午後11時~午前2時あたり、寝ている間に、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは若い人の背丈をのばすだけでなく、他にもさまざま重要な働きをします。その一つに、甲状腺に関しては、抹消の組織でT4(テトラヨードサイロニン)からT3(トリヨードサイロニン)への変換を促進します。つまり、甲状腺ホルモンを働かすには、早寝が必要なのです。
4)甲状腺マッサージ:下図は、フランスはルイ14世の時代、70才にもかかわらず30才の若さと美貌を保っていたといわれるド・ランクル夫人が行っていた、甲状腺マッサージです。これが彼女の若さの秘密だったようです。もっとも、日に何度、1回につき何分間、このマッサージを行っていたかデータはありません。しかし、まったくお金がかからず、テレビを見ながらでもできる簡単な方法ですから、ほどほどに、試されても悪くはないでしょう。
牧瀬クリニックでは、掲載の症状に対するインターネット診療及びサプリメント処方を有料で実施しております。詳しくは、こちらをご覧ください。