ニキビ
ニキビは苦労して治しても、何か月かするとまた出てきてしまう慢性の病気です。ニキビの原因は毛穴のつまりにあり、ニキビができる顔の毛穴の何割かは、赤くなる前に既につまっています。この目に見えない毛穴のつまりを取り除くことが、ニキビを根本から治すのに必要です。このため、塗り薬は毛穴のつまりを取り除く効果のあるものを顔全体に塗ります。赤いニキビにだけ塗るのではないことに注意します。
ところが、塗り薬はカサカサやヒリヒリといった刺激を伴いやすいために使いにくく、その効果をすぐには実感できません。このため、残念なことに治療半ばで諦めてしまう方も少なくありません。このようなことのないよう、保湿剤を併用したり、肌に合わないと誤解せずに3か月単位でじっくりと構えて治療する心構えも大切です。治療のコツをつかみ地道に続けると、へこんだニキビ跡がこれ以上増えないという見逃せない効果も得られます。長期間ニキビ治療薬を塗っても副作用なく安全に使えることが、日本よりも使用経験の長い海外で明らかにされています。
ニキビは、私たち東洋人よりも白人の方が悪い傾向があります。現在、日本の病院で出される毛穴のつまりを取り除く効果のある薬は大きく分けて2種類あり、いずれも欧米で長年使われ効果と安全性が確立されています。塗ればすぐに消え二度と出てこなくなるという薬ではありませんが、時間と手間がかかっても結局は一番近道の方法と言えるかもしれません。病院でニキビの治療を受ける人は、日本では欧米よりもまだ少ないと専門家は指摘しています。
かつては、「青春のシンボル」あるいは「たかがニキビ」と言って顧みられない時代もありました。しかしその後、即効性に不満が残るものの科学的に有効性が証明された治療薬が手に入るようになり、さらには患者さんの精神的な負担となっている側面も明らかにされ、今日では10代の子供から大人まで多くの人が医療機関で治療を受けています。
A へこんだニキビ跡は小さなものを含めると、日本人のニキビの9割の方にあることが学術調査で分かっています。このようなニキビ跡を作りにくくするには、医療機関におけるニキビ治療が有効とされています。実際にへこんだニキビ跡の少ない人は治療を始めた年齢が早く、薬は病院で出されたものを使っていたことが明らかにされています。さらに、ニキビのある人の精神的な負担は、回りの人が思っている以上に大きいことも分かっています。このような観点より、「子供のニキビ」と軽視せず中学生や小学生に治療の機会を与えることも大切と考えられます。
A 塗った赤いニキビは早く治りますが、新しいニキビは今まで同様に出てきます。その理由は、これから赤いニキビになる、目に見えない毛穴のふさがりが治療されずに残っているからです。治療の基本は、ニキビのない部分にも薬を塗って目に見えないふさがりを取り除き、毛穴の通りの良い状態を顔の広い範囲で維持することにあります。
A 患者さんがニキビ跡と呼んでいるものには、茶色い跡、平らな赤い跡、へこんだ跡の3つがあります。いずれも、ニキビ治療薬を普段から使ってニキビの出にくい状態を維持することが大切ですが、残念ながらニキビ跡が出来てしまった場合には以下のような治療がなされています。この中で当院で提供できるのは、ビタミンCの内服と美白剤(ハイドロキノン)のみです。
【茶色い跡】 ビタミンCの内服やハイドロキノンに代表される美白剤、あるいはビタミンCのイオントフォレーシスなどが行われています。茶色い跡は日焼けの跡と同じように自然と消えますが、4~6か月程度かかります。また、新たに赤いニキビができると次々と茶色くなりますので、見かけの数は減らずいつまでも消えないように感じます。
【平らな赤い跡】 茶色い跡より消えるのに時間がかかることが多く、半年から1年くらいかかります。赤あざや傷跡の赤みに効果のあるレーザー照射が一部の医療機関で試みられています。
【へこんだ跡】 傷の治りを整えるレーザーや、ケミカルピーリングが行われています。レーザは、目に見えない位の小さな傷を作ってコラーゲンなどの細胞外基質の生成を促し効果を発揮します。ケミカルピーリングは肌を削って皮膚を入れかえる、若返り効果を狙ったものです。深目に削るときれいになりますが、東洋人では色が付いて取れなくなってしまうため通常深く削ることはしません。白人なら、色が残らずとてもきれいになります。
病院で処方される、目に見えない毛穴のつまりを取る効果のあるニキビ治療薬を普段から使っている人は、へこんだニキビ跡が少ない傾向にあることが学術調査で明らかにされています。
A 薬は毛穴のつまりを、皮膚の表面にある角質を削るピーリング効果で取り除きますので、どうしても刺激を生じやすいという欠点を持ち合わせます。このような刺激を、様々な方法で避けることも治療のポイントです。例えば、刺激が治まるまで何日か塗らない、薄く塗る、保湿剤と重ね塗りするという方法があります。また、塗り薬は数分で皮膚の細胞と結合して効力を発揮しますので、入浴前に塗りヒリヒリし出す前に洗い流してしまい上手に治した方もいらっしゃいます。刺激の程度は人によって様々ですので、どの方法が自分に合っているか医師の意見を参考にご自身で見つけてみては如何でしょうか。より刺激が少ないながらも毛穴のつまりを取り除く効果を持つアゼライン酸もご利用いただけますが、保険が効かないため1本15gを1,500円で院内で販売しております。お求めには通常の診察が必要です。
A 3か月するとニキビの数は半分位に減りその分良くなりますが、全く無くなるところまでには至りませんので、薬は効かなかったと誤解してしまうことがあります。治療の効果は徐々にゆっくり現れますので、その効果を実感できないのが治療を続けられない大きな理由です。写真を撮って評価すると、時間はかかっても良くなることが分かっています。
A 塗り薬により原因である毛穴のつまりを取り除きますが、毛穴のつまりを二度と作らなくする効果は残念ながらありません。そのため、毛穴のつまりの無い状態を維持するため、きれいになっても薬は塗り続ける必要があります。へこんだニキビ跡(瘢痕)を作らないためにも、きれいになっても塗り続けることは大切とされています。
A ニキビを悪化させる食べ物については、科学的に立証されたものはありません。しかし、チョコレートや甘い物、油っこいものを食べた後にニキビが出る人はいらっしゃいますので、患者さんが言う通りやっぱり食べ物とニキビは関係あるのだろう、と私は考えています。ですから、明らかにニキビが悪くなると感じる食べ物以外は、制限しなくても良いと思います。
A 日本ではニキビ治療薬を認可する際に、基礎化粧品を最初に使った上にニキビ治療薬を塗りましたので、この順番でいいです。欧米人は基礎化粧品は使わずに化粧と言えば粉をはたくことを指しますので、欧米では素肌にニキビ治療薬を塗り、その上に化粧をすることになっています。化粧と薬を塗る順番はどちらでもよく、治療に影響は無いように感じます。
A これもよく効かれる質問ですが、病的なホルモンのアンバランスが原因ということは通常ありません。しかし、ニキビは生理前に悪くなり、その機序にはホルモンが皮脂の量や成分、ニキビの直接の原因である毛穴のふさがりへの影響することが考えられます。このように、ホルモンはニキビの発症に関係していますので、できれば何とかしたいところです。実際のところ、ホルモンに対するニキビ治療は確立も保険診療の対象にもなっておらず当院では行っていませんが、ごく限られた専門家が自由診療で行っていますので受診をお考えの方は直接医師にご相談ください。
A ニキビが肌の乾燥により悪化するか、はっきりとしたことは分かっていません。欧米人は日本人より皮脂の分泌が活発でより湿潤していますが、逆にニキビは日本人よりひどいので、この点だけを見ると肌の乾燥とニキビは関係なさそうです。しかし、保湿性のあるクリーム等を使うと、ニキビも良くなると感じる方は多いと思います。ニキビは多忙な仕事や睡眠不足といった様々なストレスで悪化しますので、肌に合った化粧品を使って爽快な気分でいることは治療上大切と考えます。
A ニキビ菌は誰もが持っている常在菌ですので、塗り薬や飲み薬によって取り去ることはできません。必要以上の大量、長期の抗菌薬の使用は、薬が効かなくなる耐性菌の発生につながりますので注意が必要です。ベピオゲルは酸化剤であり耐性菌はできないので、長期の使用に向いています。ニキビ治療のポイントはできた赤いニキビを化膿止めで治すことではなく、その原因である目に見えない毛穴のつまりを取ることにあると専門家は強調しています。
Q 宣伝している薬と病院の薬は違いますか(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。Q 保険の効かない治療はどうですか(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。日本痤瘡研究会 ニキビQ&A