老人性乾燥肌でかゆみや炎症が…
年齢を重ねるにつれて肌の乾燥が酷くなってきたという人はいませんか?多くの人が加齢とともに肌は乾燥する傾向にあり、加齢とともに発症する乾燥肌は老人性乾燥肌と呼ばれています。そしてこの老人性乾燥肌には2つの種類があり、種類によって原因と特徴が変わってくるのです。
ここでは老人性乾燥肌の2つの種類について、さらに老人性乾燥肌に効く薬などをご紹介!もしかして老人性乾燥肌かも?と思う人は、ここを読んで乾燥肌対策をしましょう。
老人性乾燥肌には2タイプある!
老人性乾燥肌には2つのタイプがあり、それぞれに特徴があります。では特徴と起こる原因について紹介していきましょう。
老人性乾皮症
老人性乾皮症とは肌の角質層の水分が減少し、肌が乾燥している状態のことを言います。人は加齢とともに皮脂の分泌量が低下していきますが、皮脂の分泌量が低下することで肌を守る皮脂膜が薄くなってしまいます。皮脂膜が薄くなることで角質層の水分を肌に留めておくことができず、水分が肌の外に出てしまいます。この結果、肌が乾燥して老人性乾皮症となってしまうのです。
老人性乾皮症は高齢者の9割以上が発症していると言われています。皮脂分泌量の減少などによる肌の保湿力の低下・室内が乾燥している・入浴時に強い力で体を洗っているなどのことが原因として挙げられています。
老人性乾皮症の症状が長引くと肌にかゆみを感じるようになりますので、かいて症状を悪化させる前に対策をすることが大事です。
老人性皮膚掻痒(そうよう)症
老人性皮膚瘙痒症とは老人性乾皮症から症状が悪化したもので、肌にちょっとした刺激が加わることで強い痒みを生じる症状です。皮脂の分泌量が安定している肌は皮膚に皮脂膜というものがありますので、皮脂膜が刺激などから肌を保護してくれます。しかし老人性乾皮症になると皮脂膜が薄くなってしまうので、肌に直接刺激が加わってしまいます。刺激が加わることで肌にかゆみや赤みと言ったトラブルが発生するのです。
今までは何ともなかったような軽い刺激でも肌にかゆみなどの症状が現れるようになるので、こちらも早めの対策が必要です。
老人性乾燥肌の原因
老人性乾燥肌は加齢によって起こると紹介しましたが、その他にも原因がありますので紹介していきます。
老人性乾皮症の原因
セラミドの減少
保湿成分として有名なセラミドは私たちの肌に元々あるものです。細胞間脂質と呼ばれ、細胞間脂質には肌の中の水分を維持し、皮膚に膜を作ることで肌の中の水分を蒸発させない役割があります。しかしこのセラミドは加齢とともに減少する傾向があり、50代頃になると20代の半分程度しかセラミドが生成されなくなります。セラミドが減少することによって肌の中の水分を維持することができず、乾燥を招いてしまうのです。
発汗や皮脂分泌の減少
人は加齢とともに発汗量や皮脂の分泌量も低下していきます。これは誰でもそうなので止めることは難しいのですが、これらが原因で肌の乾燥を招くことも。ここまでに紹介してきた通り、人の肌には膜があり、その膜があることで刺激から肌を守ったり、水分が肌の外に逃げ出さないようにするための蓋の役割もあります。この膜は皮脂と汗が混ざり合ってできたものなので、汗と皮脂が減少することでこの膜が薄くなってしまうのです。
膜が薄くなると肌の中にある水分は逃げてしまいますし、刺激から肌を守ることもできませんので乾燥・敏感肌特有のかゆみや赤みといった肌トラブルが引き起こされます。
老人性皮膚掻痒症の原因
乾燥肌に掻く等の刺激を与えている
肌が乾燥すると痒みが生じ、掻いちゃダメとは思っていても痒みの度合いによってはついつい掻いてしまう事もありますよね。バリア機能が低下している肌に掻くという行為で刺激を与えると、症状が悪化して乾皮症から老人性皮膚瘙痒症へと変わります。老人性皮膚瘙痒症になるとさらに刺激に敏感になって些細な刺激でも肌がかゆくなる・痒みの度合いが強くなるといった傾向がありますので、かきこわしが悪化してさらに悪化…と症状が酷くなっていく恐れがあります。
病気の影響
老人性皮膚瘙痒症は乾燥からの悪化だけが原因ではありません。特定の病気を発症していて、薬を服用している場合はその薬の影響で症状が発症することもあると言います。では老人性皮膚瘙痒症を発症する恐れのある病気を紹介します。
- 糖尿病
- 黄疸
- 腎不全
- 血液・内臓の悪性腫瘍
これらの病気にかかった時に老人性皮膚瘙痒症が発症することがあるようです。その他にも皮膚の乾燥などを発症したことで重い皮膚の病気にかかったんじゃ…というストレスから発症することもあるようです。老人性皮膚瘙痒症のメカニズムははっきりとは解明されていませんが、これらのことが原因で発症する可能性があると言われています。
老人性乾燥肌に効く薬の種類4選
老人性乾燥肌に効く薬がありますので、ここで紹介していきます。出ている症状別に使う薬が変わるので自分の肌に合わせて薬を選びましょう。
水分蒸発を防ぐ「ワセリン」
白色ワセリン
ワセリンは肌に塗布することで皮脂膜の代わりに膜を作ってくれます。膜が出来ることで肌の中の水分を蒸発させず、肌の水分を保持することができます。膜を作ることが目的なので、肌の奥にまで浸透することがありません。そのためワセリンによって肌がかぶれる心配も少ないので、肌が弱い人でも使えるというメリットがあります。
白色ワセリンは医師から処方してもらうこともできますが、薬局などで購入することもできます。ネット通販でも販売されているので、入手しやすいですよ。
角質を柔らかくする「尿素」
ケラチナミンコーワ 20%尿素配合クリーム
ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリームには、名前の通り20%尿素が含まれており、肌に塗布することで肌の角質を柔らかくしてくれます。角質を柔らかくするだけでなく、水分を保持する働きもありますので皮膚を健康な状態に整えてしっとりとしたお肌に導きます。
ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリームにはワセリンも含まれています。上記で紹介したように肌のケアにはまず尿素で角質を柔らかくして、その後にワセリン…という流れでしたが、ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリームにはワセリンが含まれているのでこれ一つで乾燥肌のケアができますよ。
メディスキン コートf
メディスキンコートfには尿素の他、荒れた皮膚を修復する働きがあるトコフェロール酢酸エステル、皮膚の炎症を抑える働きがあるグリチルリチン酸ニカリウムなどを配合。さらに保湿効果のあるスクワランも配合していますので、荒れた肌の修復・角質を柔らかくする・保湿という3つの働きが期待できます。
炎症の抑制の「ステロイド外用薬」
リンデロンvg 軟膏
リンデロンvg軟膏はステロイド外用薬の一種で、炎症による痒みや赤みの改善が出来ると言われています。老人性乾燥肌はバリア機能が低下し、刺激を受けることで肌が炎症を起こして痒みや赤みといった症状を引き起こします。この炎症を鎮めることで症状の改善が期待できますので、炎症による症状が出ている時はステロイド外用薬を使用しましょう。
リンデロンvg軟膏は医師から処方してもらうしかありませんが、市販でもステロイド外用薬は販売されています。ステロイド外用薬にも種類があるので、市販薬を購入する場合は薬剤師に症状を説明して、それに合った市販薬を教えてもらいましょう。副作用が出る恐れもあるので使用する際は取扱説明書をよく読んで、正しく使ってくださいね。
痒みを抑える「抗ヒスタミン剤」
ムヒソフトGX かゆみ肌の治療薬 クリーム
ムヒソフトGX かゆみ肌の治療薬クリームは塩酸ジフェンヒドラミンという抗ヒスタミン成分が配合されたクリームです。かゆみを抑えながらパンテノールという成分が肌の修復を補助してくれますので、かゆみを伴うカサカサ肌を滑らかな肌へと導きます。保湿効果も高いので、塗った後は肌がしっとりとしますよ。
こちらの商品は薬局やドラッグストアで購入可能です。皮膚科でも抗ヒスタミン剤が配合された薬を処方してもらうことができますので、症状が軽ければ市販薬、市販薬で治まらない・痒みが強い場合は皮膚科に行って医師に診てもらいましょう。
オロナインH軟膏は老人性乾燥肌に効果がある?
オロナインH軟膏には消毒・殺菌・消炎作用などの効果があると言われています。なので乾燥から引き起こされる炎症にも効果が期待できそうですが、上記で紹介した抗ヒスタミン剤やステロイド剤は含まれていないため、上記で紹介した薬に比べると効果は薄いようです。
かゆみや炎症が酷い場合は上記で紹介した薬を使用しましょう。
オロナインH軟膏を自宅に常備薬として置いている人は多いと思うので、炎症が起きたらとりあえずオロナインを塗っておけばいいんじゃ?と考える人もいるかもしれません。確かに消炎作用はあるのですが、ステロイドが配合されていないためその効果は低いと言われています。症状が改善されるとは言えないため、乾燥による炎症が起こった時はステロイドが配合されているものを使用しましょう。
老人性乾燥肌のケアにおすすめの薬まとめ
- 「尿素」で固くなった角質を柔らかくする
- 「ワセリン」で水分が蒸発しないように膜を作る
- 「抗ヒスタミン剤」でかゆみを抑える
- 「ステロイド」で炎症や湿疹の症状を抑える
老人性乾燥肌の対策4選
老人性乾燥肌になると肌が乾燥し、痒みなどのトラブルが生じます。さらに酷くなると湿疹などに繋がりますので、日頃から乾燥しないように対策を練りましょう。それでは老人性乾燥肌の対策を4つ紹介します。
クリームで保湿する
水分蒸発を防ぐ「ワセリン軟膏」
老人性乾燥肌は肌の水分を逃がさない役割を持つ膜が機能していない状態なので、膜を作って肌の中に水分を閉じ込める必要があります。ワセリンはこの膜の代わりをしてくれるので、乾燥している部分に塗ることで膜を作り、肌の中の水分の蒸発を防いでくれます。これによって肌の乾燥を食い止める効果が期待できますよ。
角質を柔らかくするなら「尿素」
角質が固いと皮膚がガサガサしてしまい、酷くなるとひび割れなどの症状を引き起こします。乾燥にも大きく関わってくる問題なので、乾燥対策には角質を柔らかくすることも重要です。角質を柔らかくするなら尿素が配合されたクリームなどがおすすめ。尿素には角質を柔らかくし、肌を滑らかにする働きがあると言われています。さらに肌の水分保持の働きもあるとされているので、肌の水分を維持しながら健康的な滑らかな肌へと導いてくれますよ。
食事で栄養を摂る
食事から摂取できる栄養素には肌の潤いを保つ・肌のターンオーバーを促して健康的な肌を維持するなどの働きを持つものがあります。ここで乾燥対策におすすめの栄養素を紹介するので、食事に摂りいれてみましょう。
ビタミンA
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種で、皮膚・粘膜の水分を保持する働きがあります。その他にも肌の角質層にある天然保湿因子の生成をサポートする働きや新陳代謝を促す働きもあるので、天然保湿因子の生成が減少する・新陳代謝が衰える傾向にある高齢者に特におすすめの栄養素でもあります。不足すると肌の乾燥を招くだけでなく、粘膜が弱くなることで喉の粘膜が荒れたり、胃腸が荒れるなどの不調を引き起こすことも。肌の乾燥だけでなく体の健康のためにも積極的に摂取しておきましょう。
タンパク質
タンパク質は私たちの体には欠かせない栄養素の一つ。タンパク質には肌や細胞のターンオーバーを正常に促す働きと、肌の保湿力に関係する天然保湿因子や細胞間脂質の生成にも関わっています。天然保湿因子のNMFは肌の中や角質の細胞内にある水分を保持する働きがあります。細胞間脂質はこれ自体が保湿効果を持っていますが、角質層を正常な構造に保つための働きも担っています。構造が乱れると水分が蒸発しやすくなってしまいますので、細胞間脂質は水分の蒸発を防ぐという働きもあるのです。
天然保湿因子は細胞のターンオーバーの過程で生成されるもの、そして細胞間脂質は肌のターンオーバーの過程で生成されるものです。どちらもターンオーバーの過程で生成されるものなので、ターンオーバーが乱れると生成量が減少して肌の乾燥に繋がります。そのため肌のターンオーバーを正常に整えるためにもタンパク質は必須なのです。
亜鉛
亜鉛は肌や髪を健康に保つという大きな働きがあります。亜鉛があることで湿疹などでできた傷も早めに自然治癒することができますが、亜鉛が不足すると傷が治りにくくなります。また亜鉛は薄毛にも大きく関係していると言われており、亜鉛が不足することによって抜け毛が増えるとも言われています。
亜鉛は普段からバランスの良い食事を摂るようにしていればまず不足することはないと言われています。毎日バランスの良い食事を摂っているのに亜鉛が不足している時の症状が出る…もしかしたら亜鉛の大量消費に繋がる何かをしているもしれません。では何をしたら亜鉛が不足するのかを紹介します。
亜鉛が不足しがちな人の特徴
- よくお酒を飲む
- 玄米を主食としている
- ベジタリアンで野菜ばかり食べている
- 加工食品をよく食べる
- ダイエットをしている
アルコールを体内に摂取すると、アルコールの分解の為に亜鉛が大量に消費されます。玄米にはミネラル(亜鉛含む)を体外に排出するフィチン酸が含まれていますし、加工食品には亜鉛を体外に排出するポリリン酸NAというものが含まれています。そして野菜ばかり食べている人やダイエットで食事制限をしている人は亜鉛を食事から摂取できていない可能性が高いことから亜鉛不足に陥っているのかもしれません。
いずれかに当てはまる場合は当てはまる項目を改善し、バランスの良い食事を摂るよう心がけましょう。
必須脂肪酸
必須脂肪酸は食事からしか摂取できない脂質です。必須脂肪酸が不足することでターンオーバーが乱れやすくなるので、天然保湿因子や細胞間脂質が生成されずに乾燥肌になってしまう恐れがあります。
必須脂肪酸はオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸に分けられます。オメガ3系脂肪酸は魚介類、オメガ6系脂肪酸はコーン油やゴマ油などに含まれています。どちらか一方だけを摂るのではバランスが悪くなりますので、両方をバランスよく摂取することが大事です。
入浴方法に気をつける
老人性乾燥肌を引き起こす原因として特に多いと言われているのが普段からの入浴方法。寒い時期はもちろんですが、夏でも熱いお風呂が好きだからと言って熱いお湯につかっていませんか?熱いお湯に長時間つかると皮脂を落とし過ぎてしまったり、肌の水分が蒸発しやすくなります。肌の水分がなくなる上に皮脂を落とし過ぎることでバリア機能を果たす膜が壊れてしまいますので、肌の乾燥が進行してしまいます。
さらに体を洗う時に使う石けんやボディソープ、そして洗う強さに関しても注意が必要です。石けんやボディソープを使って体を洗うことはいいのですが、注意したいのが必要な皮脂まで落とし過ぎていないか。必要な皮脂を落としてしまうと皮脂で形成されている皮脂膜がなくなってしまうので、水分が蒸発しやすく刺激に弱い肌になってしまいます。
そして強い力でゴシゴシと洗うこともNG。肌を強い力で擦ることでも皮脂膜は壊れてしまいますので、これもまた上記のように水分が蒸発しやすい刺激の弱い肌になる原因でもあります。
皮膚科で薬をもらう
上記のおすすめの薬のところでも紹介しましたが、かゆみや炎症が起きている場合は皮膚科に行って医師に診察してもらい、症状に合った薬を処方してもらうこともおすすめです。どの薬を使っていいかわからない、市販の薬はどれがいいのかわからないという場合は皮膚科に行って薬をもらいましょう。
炎症を起こした時は「ステロイド剤」
皮膚が炎症を起こしている場合はステロイド剤が処方されます。ステロイド剤は5段階で効果の強さが決まっており、医師が症状を見てからどの強さのステロイド剤を処方するかを判断します。ステロイド剤は炎症を鎮める高い効果があると言われていますが、副作用が出る恐れもある薬です。使用する場合は医師・薬剤師に使い方をしっかりと聞き、用法・容量を守って正しく使うようにしましょう。
かゆみを抑える時は「抗ヒスタミン剤」
皮膚に痒みがある場合は抗ヒスタミン剤が処方されます。かゆみを生じさせるヒスタミンを抑える働きがあるため、乾燥によるかゆみの他にアレルギー性鼻炎や喘息などの症状にも使われています。抗ヒスタミン剤も副作用があると言われており、眠気や口の渇き、便秘などの症状が出る恐れがあります。
老人性乾燥肌対策まとめ
- 尿素+ワセリンで肌の保湿ケア
- ビタミンA・タンパク質・亜鉛・必須脂肪酸を食事で摂取
- 入浴は39℃程度のお湯がベスト
- 体を洗う時はゴシゴシこすらず、手で優しく洗う
- かゆみや炎症が酷いときは皮膚科に行って薬をもらう
老人性乾燥肌は生活改善と皮膚科での治療で改善しよう
老人性乾燥肌は加齢とともに起きる現象でもあるので、誰にでも発症する可能性があります。これを防ぐには日頃からの生活習慣の改善が必要です。老人性乾燥肌をすでに発症している場合は、ここで紹介した薬を使ってケアしてもいいですし、皮膚科に行って医師に処方してもらった薬を使って改善を目指すこともおすすめ。
放っておくとどんどん症状が悪化し、湿疹などを引き起こす恐れもあります。症状が悪くなる前に改善しておきましょう!