背中や胸はもともと汗腺と皮脂腺が多く集中している部分です。
そのため顔に次いで毛穴詰まりができやすく、手や指で背中や胸を触ってみると、ボツボツ・ザラザラした感触があり、白ニキビができていることも珍しくありません。
ここで1つ覚えておいて欲しいのは、顔のニキビはアクネ菌が毛穴詰まりのなかで大繁殖するのが原因ですが、身体にできるニキビは、マラセチア菌は真菌というカビの一種が原因で引き起こされているマラセチア毛包炎の可能性もあるということです。
マラセチア菌は皮脂や湿気の多い場所を好みます。春から夏にかけて気温が高くなってくると背中や胸にニキビができやすくなるのは、暑さや汗や皮脂の分泌が増えることで、マラセチア菌が繁殖する環境が整うからでもあります。
季節に関係なく、背中や胸にニキビがあるという場合は、汗や皮脂の影響ではなく、肌の乾燥や洗濯洗剤の刺激など他の原因を疑ってみたほうがいいかもしれません。
背中・胸ニキビの考えられる原因は?
背中や胸など身体にできるニキビを発見した場合、まずはそれがアクネ菌によるものなのか、マラセチア菌が原因のマラセチア毛包炎なのかの区別をつける必要があります。
ニキビとマラセチア毛包炎の区別の仕方
マラセチア毛包炎は小さい光沢のある赤いブツブツが大量にできる。
潰すと中身がでてくるのがニキビ、中身が飛び出ないのがマラセチア毛包炎。
ニキビは小さくなったり大きくなったりするがマラセチア毛包炎は変わらない。
皮膚科でニキビ治療を受けているがまったく治らない。
皮膚科にいっても間違って診断されることがあるぐらいですから、ニキビとマラセチア毛包炎は見た目で区別するのは素人には難しいかもしれません。
何が原因で発症するかですが、アクネ菌が原因のニキビとほぼ共通しているのでまとめて確認していきましょう。
⇒シャンプーやリンスの影響
洗髪後、シャンプーやリンスの洗い残しが付着したままだと肌に刺激になるのでニキビの原因になるといわれています。とはいえ、シャンプーやリンスの洗い残しが原因で背中や胸にニキビができている人は珍しいので無視してもいいです。
⇒衣服に残った洗濯洗剤の刺激
洗濯に使う洗剤には、柔軟剤・蛍光増白剤・抗菌剤など刺激の強い成分が使われています。肌が弱い人は、衣服に残ってしまった洗剤の成分が肌の刺激になり、炎症をおこしてしまうことがあります。
⇒汗による蒸れ
日中や寝ている間にかいた汗が長時間身体に付着したままになると、マラセチア菌やアクネ菌のエサになり、ニキビやマラセチア毛包炎の原因になります。また、汗で蒸れてしまうと角質層がふやけてしまって、肌からの水分蒸散が増えてしまいますし、バリア機能が低下する原因になります。
⇒皮膚が乾燥している
41℃以上の熱いお風呂や15分以上の長湯が習慣になっているとお風呂にセラミドなどの肌のうるおい成分が溶け出してしまうため肌が乾燥するようになります。
同じように、石鹸やボディソープを使って毎日身体を洗っているという場合も、肌のうるおい成分を洗い落としてしまうため、バリア機能が低下してしまい、乾燥するようになります。
⇒ブラジャーによる締め付けや摩擦
背中の肉を無理やり持ってくるバストアップ効果のあるブラジャーなどは締め付けが強いせいで血行不良が起ったり、ワイヤー部分や肩ひも部分が擦れて摩擦になるため、それが皮膚への刺激になる場合があります。
また、ブラジャーのワイヤー部分や肩ひもの部分は、汗や汚れが溜まりやすいこともあるので、不衛生にしていると、マラセチア菌やアクネ菌が繁殖して毛穴詰まり⇒ニキビができやすくなります。
⇒髪の毛による継続的な肌への刺激と摩擦
髪の毛が長く、下している場合、皮膚に髪が触れて、それが刺激になっていることがあります。髪は束ねてできるだけ肌に触れないようにしたほうがいいですね。
といったものが背中や胸など身体にできるニキビとマラセチア毛包炎の原因になります。
マラセチア菌もアクネ菌も皮膚常在菌の1つであり普段は悪さをしません。「多湿 」「高温」 「不潔」「多汗」といった条件が揃うことで、異常繁殖して皮膚常在菌のバランスが崩れてしまうと、発症してしまうわけです。
背中ニキビ&胸ニキビの対策は?
背中や胸のニキビがマラセチア毛包炎であった場合、抗真菌薬の外用薬を塗る、もしくは内服薬を飲んで治します。スキンケアでは治りませんから必ず皮膚科で薬を処方してもらうようにしてください。
※ ニゾラールに代表されるイミダゾール系の薬が特に効果が高いです。
また、治ったとしても肌環境が悪化すれば再発するものなので、通気性の良い衣服を着たり、汗や皮脂で汚れないようにするなど肌を清潔を保つことが大事です。
アクネ菌が原因の背中や胸ニキビの場合ですが、清潔にするのは当然として皮膚への刺激や摩擦を避けることがまず取り組むべきことになります。
何かを塗ったりつけたりというのはそれからでも遅くありません。
⇒洗濯洗剤は「トップクリアリキッド」を使う
香りが苦手というレビューもありますが、アレルギー、アトピー持ち、敏感肌の方の満足度NO.1の洗濯洗剤というだけあって肌を傷める柔軟剤、蛍光増白剤、抗菌剤が含まれていません。
洗濯洗剤に使われている化学成分は、かなり強力なものが使われているので、これらを排除するだけでも皮膚への刺激をかなり減らすことができます。
⇒身体を洗いすぎない&熱いお風呂は避ける
41度以上のお風呂に5分入ると皮膚の『皮脂』や『セラミド』といったうるおい成分が溶け出して乾燥肌になるといわれています。肌を乾燥させないことを考えると、お風呂はぬるま湯で、長湯しないほうがよさそうです。
また、身体についた汚れや皮脂はお湯で流して手で撫でるだけでも落ちます。石鹸やナイロンタオルを使ってゴシゴシ身体を洗う必要は全くないです。清潔志向が肌を弱くしてニキビを作っている可能性は無視できません。
⇒通気性・吸収性のいい衣服・パジャマを着る
素材的にはポリエステルやナイロンは、通気性、吸収性が悪く、綿や麻がいいといわれますが、最近はインナーや肌着において、「吸水速乾」の技術が採用されているものが多いので、あまり素材がどうのこうのというのは気にしなくていいかもしれません。
それよりも後述しますが、衣服においては化学繊維アレルギーを心配したほうがいいかもしれません。
⇒化粧品を使ったスキンケアよりもインナーケアを重視する!
背中ニキビや胸ニキビ用に化粧品がありますが無理に使う必要はないですし、背中や胸といった広い範囲に使うこともありコスパが悪いです。スキンケアはやらないよりはマシですが、それよりも重視したいのが身体の内側からのインナーケアです。
肌やホルモンの材料となるタンパク質を中心に新陳代謝を促すビタミンB群やミネラル、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、炎症を抑えるオメガ3系脂肪酸などを摂取しましょう。
化学繊維アレルギーの可能性も?
背中や胸は顔と違って常に衣服と接触しています。そのため、身体にできるニキビの原因や対策を考える場合、そうした衣服の影響も可能性として考えておかないといけません。
衣服に使われている化学繊維に反応してしまう化学繊維アレルギーなどはその典型といえます。ニキビとアレルギーは非常に密接した関係にありますが、背中や胸にできるニキビの場合、真っ先に頭に浮かぶのがこの化学繊維アレルギーです。
化学繊維とは人間の手によって化学的に製造される繊維の総称です。
合成繊維(ポリエステル、アクリル、ナイロン)
半合成繊維(アセテート)
再生繊維(レーヨン)
ガラス質の無機繊維
といった種類があります。
綿や麻などの天然素材であれば肌への刺激は心配ないかというと、綿にもアレルギー反応を示す人もいますし、素材に反応はしなくても衣服を作る過程で使用された染料や薬剤に免疫が反応してしまってアレルギー症状が出るケースもあるので油断はできません。
化学繊維を使った衣服はいろいろありますが、ユニクロのヒートテックなんかは有名ですよね。アトピー肌や肌の弱い人のなかには、ユニクロのヒートテックは、かぶれたり、痒くなるし、じんましんがでてしまって着れないという人は多いです。
※皮膚科の先生達の間では、「ユニクロ蕁麻疹(じんましん)」といわれているとか。
どの繊維に反応するかはアレルギー検査をしてみないとわからないんですが、背中や胸にニキビのようなブツブツが慢性的にあるとか、衣服と接していた部分の皮膚が赤くなったり、かゆくなるという症状がある場合は、化学繊維アレルギーを疑ってみてください。
気づかないだけで意外に多く患者さんはいるみたいなので。
また、女性の場合、ブラジャーのホック部分の金属に対して、金属アレルギーを起こしていてそれがニキビになっていることもあるので注意してみてください。エコテックス認定されている下着がおすすめです。