〔参考資料〕
相談事例
【事例1】
平成25年秋頃、消費者甲は、渋谷のスクランブル交差点で「ネイルに興味ありませんか。」と当該事業者の従業員Aに声をかけられた。一緒に店へ行くと、Aは、店にいた従業員Bのことを「有名な芸能人やモデルのヘアメイクをしているカリスマ美容師で、すごい人だ。会えるなんてラッキーだから、スキンケアで気になることを聞いてあげる。」と言い、Bを呼んだ。Bは化粧品や美容の話をし、「3年後に出てくるシミが見える機械だ」と言って、甲の肌を機械で見た。Bは「これはひどい。これじゃあ3年後には顔中シミだらけだよ。このままじゃ、君の将来が心配だ。レーザー治療をするか、エステに3年間通わないとシミは消えない。」と言い、甲はショックを受けた。Bは「僕がモデルをケアする時に使っている良いものがあって、シミもきれいになる。一般の人に教えてなくて、がんばれる人にしか使わせない。今度持ってきてあげる。明日来れる?」と言った。Bは、良いものが何かは教えず「とにかく試してみて」と言うだけだった。甲は、ただで貸してくれると思い、来店の約束をし、4時間後に店を出た。
翌日、甲は店に行き、個室に案内された。店長が来て、甲に美容器を試し、効果があったと何度も言った。突然、店長は「きれいになりたい?がんばれる?」と言い、甲はよくわからないまま「はい」と答えた。Bが来て「昨日、お金の話を全然しなかったでしょ。機械は30万円だけど、月1万円の支払いでいい。月1万円できれいになれるならいいでしょ。エステに比べたら安いけど、自分でやらないといけないから、何度もがんばれるか聞いたんだ。」と話した。甲は、昨日の「がんばれる人にしか使わせない」という意味は、美容器を買うことだったと、ようやく気付いた。甲は、がんばれると答えてしまったので断りにくく、3年後のシミの不安もあり、諦めて買うことを了承した。Bは「個人的にやりとりしてもいいけど、会社を通して契約した方が安心。」と言い、従業員Cを個室に呼んだ。Cは「美容器は39万円だが、9万円は経費で落として何とかするので、特別に30万円にします。」と言い、契約書を出した。甲が書類を書き終えると、Bは「美容器は一から作るから1か月かかる。注文して作るからキャンセルはしないでね。親に話すのは商品が来てからにしなね。」と言った。その日、契約を終えて店を出ると3時間が経っていた。
【事例2】
平成25年夏頃、消費者乙は、渋谷のスクランブル交差点で「ネイルに興味ありませんか。簡単な説明だけなので、一緒に店に来ませんか。」と従業員Dに声をかけられ、一緒に行くことにした。店に着いて説明を聞いていると、従業員Bがそばを通った。Dは直立し緊張した様子で挨拶をすると「今の人は専門学校でメイクの講師をしたり、各地で講演もする美容界で有名な人だ。会えるなんて珍しい。肌の悩みはない?」と言い、Bを呼んで来た。Bは、乙と2人で個室に入り「ドラッグストアで売っている化粧品は使い続けたら肌に悪い。」と話し、ブラックライトを使った機械で乙の肌を見ることになった。Bは「これはひどい。今、顔中にたくさん見えてる点が、将来出てくるシミだ。このままじゃ半年後にシミが出てくる。」と言い、乙は恐くなった。別の機械も試し「今の年齢より10歳も上の肌だ。このままだと半年後にほうれい線、シワ、たるみができて取れなくなる。」と言い、乙は不安になった。Bは「エステに週1回、3年間欠かさず通わなければ消えない。3年間で200万円かかる。もしエステに通わなくていいなら1週間に1回がんばれる?きれいになるために努力できる?」と聞いた。何をがんばるのかよくわからず困惑していると、Bは「君はなぜきれいになりたいの?」と言った。乙は「きれいになったら嬉しいし自信になると思う。」と答えると、Bは「よし、その心意気を買った。君がそれだけ真面目にきれいになりたいと思うなら、モデルに使ってる良いものがあるから、特別に使わせてあげる。今日は店に持ってきてない。今度持ってきてあげるから使ってみて。」と勧めた。乙は、Bの私物を特別に貸してくれるのだと思い、シミやシワも不安だったので来店する日時を決めて店を出た。4時間以上が経っていた。
約束の日に店に着くと、従業員Eが機械を試すからとBに説明されて個室に入った。Bが言っていた良いものとは、美容器だった。試し終わると効果があると誉められた。突然Bは「どう、使ってみる?月1万円でいいよ。」と言った。乙は急に月1万円と言われ、とまどった。乙は、毎月支払ってまで借りようとは思わなかった。しかし、Bは「エステと同じ効果があって、家でできて、月1万なら安い。」と何度も説得し、「自分がもしいなくなっても大丈夫なように会社を通して契約する。それなら安心でしょ。」と言うので、乙は仕方なく契約を了承した。従業員Cが来て、クレジットカードの利用限度額をカード会社に電話で聞くよう言った。Cは「この機械は40万円くらいだけど、Bさんの紹介だから特別に9万円値引きして、30万円にします。」と言った。乙は月1万円としかBから聞いておらず、初めて美容器の総額を聞いた。契約書類を書き終えると、Cは「契約手続きはこれで終わりです。一括払いになっているので、毎月1万円で払いたいなら、1週間後に自分でリボ払いの変更手続きを取ってください。」と言った。再びBが来ると「発注して作るのでキャンセルはできない。それと、貸すという形を取っているけど、実は3年経ったら返さなくていい。最初からあげると言うと、努力しない人も欲しがるから、貸すと言っている。」と言った。乙は、初めて美容器を借りるのでなく、買ったのだとわかった。この日、店を出ると3時間以上が経っていた。
【事例3】
平成25年春頃、消費者丙は、渋谷のスクランブル交差点で「ネイルの勉強をしているんだけど、練習させてくれませんか。」と従業員Fに声をかけられた。丙が断ると、Fは「爪のケアだけでもやらせてくれませんか。」と言うので、店まで一緒に行った。店内に入り、爪のケアの途中で、Fが「芸能人やモデルのメイクをやってた人が店に来てる。美容の悩みとか相談してみる?」と言い、従業員Gを呼んで来た。Gは丙と2人で個室に移り、「自分はテレビドラマや、芸能人の△△のメイクを担当してデビューさせた。」と話した。Gは、大手化粧品メーカーの※※という洗顔料をネットで検索し、画面を丙に見せた。□□という成分が入っていた。Gは、「□□は身体にとても危険な成分で、発ガンを促進させる。百貨店で売ってる有名な化粧品はこの成分が入っているから、使い続けていると皮膚がんになる。」と言うと、紙に計算式を書き、「※※を使っている人の0.5%、約1万人が皮膚ガンで死ぬ。」と言った。そしてGは、丙の手の甲にジェルを塗ってこすり角質チェックを始めた。Gは「かなりひどい。手でこれだけ角質が出るんだから顔はもっとひどいよ。○○歳の肌とは思えない。このままだと10年後はシワだらけになる。」と言った。丙はショックを受け不安になった。Gは「エステで機械を使わないと治せない」と言って、エステがいかに高額であるかを話した。そして「自分が開発した美容器なら、エステと同じ効果があって一生使える。きれいになりたくない?」と言った。丙が答えに躊躇していると「一度、美容器を試してみてよ。絶対きれいになる。試すだけでいいから。」と何度も勧め、「今日は店に持ってきてないので、もう一度来てほしい。」と言った。丙は5、6時間も経って疲れたので、一度試すだけならと了承し、来店する日時を決めて店を出た。
約束の日に店に行くと、丙は個室に通され、従業員Eが丙に美容器を試した。終わるとGが個室に来て「全然違う。1回使っただけでこんなに変わるんだから、絶対きれいになる。」と言い、「今、ちょうど店の決算の時期で、特別に9万円を負担してあげる。39万円のところを30万円でいいよ。支払いは月1万円。その月の支払いが負担なときは、僕に言ってくれれば支払いを待つ。君は、払える時に払える額を支払ってくれればいい。」と言って、突然購入を勧めた。丙は「30万円は高額なので、支払いが不安だから考えさせてほしい。」と断ると、「そんなにひどい肌なんだから悩んでる時間はないよ。値段を考えず、欲しいか欲しくないかで答えて。きれいになりたいでしょ?きれいになるために欲しいでしょ。」と執拗に勧めた。丙は帰りたいと何度も言ったがGは繰り返し引き止め、帰らせてくれないので、諦めて契約を了承した。Gは「契約は会社を通した方がいい。」と言い、従業員Cを呼んで契約手続きをした。最後にCは「一括払いになっているので、毎月の支払いが辛い場合は、後でリボ払いに変更するとか、自分で調整してください。」と言った。丙はGの話と違うと思ったが、疲れ切っていたので諦めた。手続きが終わると個室にGが来て「値段を聞いたら絶対反対されるから、商品が届く前に親や友達に話さないでね。」と言った。丙がようやく店を出ると5時間が経っていた。