小さいころから「脳の栄養はブドウ糖」だからご飯はしっかり食べなさいと、言われてきた人も多いのではないでしょうか。
糖質制限は、糖やブドウ糖の材料となる炭水化物を出来るだけ摂取しないダイエット方法です。もちろん炭水化物抜きダイエット、カーボンオフダイエットなど、すべてこれに該当します。
ブドウ糖を摂取しなくても脳は活動できるのか
いままで、朝、昼、晩、間食とお米や麺などの主食、そして甘いものを摂取してきたのであれば、いきなりそれを減らすと、脳にきちんと栄養が行き届くのか心配になります。
ということで今回は、「脳の栄養」という視点で、糖質制限ダイエットを考えて見ましょう。
そもそもブドウ糖とは何か
そもそも「ブドウ糖」と良く聞きますが、実は何なのか知らない人も多いのではないでしょうか。
ブドウ糖とは、糖の最小単位のことをさします。たとえばブドウ糖とブドウ糖が2つくっつくと、麦芽糖と呼ばれるものになり、ブドウ糖と果物などの果糖がくっつくと、ショ糖と呼ばれます。さらにブドウ糖がたくさんくっついたものはデンプンです。たとえば、芋やお米などはデンプンが豊富ですよね。
この2つ以上くっついているものは、そのままだと栄養にならないので、最小単位の単糖であるブドウ糖にまで分解されてから体内に吸収されます。つまり、お米や芋、麺などを食べても、砂糖の入ったお菓子を食べても、最終的にはブドウ糖に分解されるのです。
分解に時間がかかるものは血糖値の上昇が穏やかですし、逆に砂糖のように分解の工程が少ないものはすぐに血糖値をあげることになるのです。
脳の栄養としてのブドウ糖の役割
さて、このブドウ糖は脳にどのように使われるのでしょうか?
体内に取り込まれたブドウ糖は、まず血液の中に入ります。(これが血糖値の上昇です)。その後、脳へ送り込まれて消費されます。
脳ではこのブドウ糖を保管できないので、そのときにあるブドウ糖を消費し続けるのです。その量はなんと1時間に5g!角砂糖1個(3~4g)よりも多い量が日々消費をされているのです。
ブドウ糖の代わりになるケトン体
ここまで聞くと、やっぱり糖は必要なのでは?と思います。
しかし、実際に炭水化物を摂取しなくても脳は働き続けてくれています。これは、食事中に微量に摂取してしまう糖質を使っているという面もありますが、もう一方で、別な栄養を使っているという事実もあります。
それがケトン体です。
ケトン体とは体内で中で中性脂肪などを燃やした後に出来る物質。これが、糖の代わりに脳の栄養となってくれるのです。
ブドウ糖とケトン体のメリットデメリット
それでは、ブドウ糖とケトン体、どちらがすぐれていると言えるのでしょうか?それぞれの脳に対する働きをみてみましょう。
ブドウ糖のメリットは、なんといってもすぐに栄養になるところ。常に消費をし続ける脳にとっての、手っ取り早い栄養となってくれます。大事な仕事や試験、会議などで頭が働いていないとまずい!というときは糖が1番です。
逆にデメリットは、ブドウ糖を摂取しすぎると、脳の活動が低下する部分にあります。当初のお話通り、1時間に必要なブドウ糖は5g。しかし、たとえばマックのポテトMセット&オレンジジュースや、牛丼なんかを食べると、糖質は100g近くになってしまうことも。こうなるとインシュリンが分泌し糖が脂肪細胞などへ運ばれてしまう(肥満の原因)ので、脳に栄養が届かず脳の栄養不足状態に陥ってしまうことも。おなかいっぱい食べた後に眠くなる人は、この状態に陥っている可能性があるので注意です。
ケトン体のメリットは、これらのブドウ糖による「肥満」や「脳の働きが落ちる」状態を防げることにあります。ただし、デメリットとしては糖を摂取しない状態で5時間ほどしないとケトン体が作られないため、活動までに時間が多少かかること、そしてケトン体が作られると同時に酢酸が作られ、体が酸性に傾き、吐き気やめまいなどを引き起こす「ケトアシドーシス」に陥る可能性があります。これに対しては様々な意見があり、糖尿病患者でなければ正常に処理されるので問題ないという意見もありますので、様子を見ながら調整するほうが良いと思います。(→ケトン体をもっと詳しく知る)
ダイエット中とはいえ、きちんと3食食べてたら完全に糖質がゼロになることはありません。自分の体を相談をしながら、無理のないダイエットを行っていきましょう。何事も過剰にやり過ぎるのはよくありません。健康のためのダイエットになるように意識しましょう。
ブドウ糖以外の脳の栄養
ここまでは、脳が消費するエネルギーになる栄養の話をしましたが、脳の栄養はそれだけではありません。
仕事に勉強に家事、育児。体はもちろん、常に働いている脳には栄養がたくさん必要です。指先をほんの少し動かすだけでも脳の命令によって動くのですから、その他の無意識の動作を考えると脳ってとっても働き者ですよね。そんな大切な脳に栄養が足りていないと、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。
また、高齢の方は認知症の原因にも。毎日を快適に健康に過ごすためにも、脳の栄養はきちんと管理したいですよね。そこで今日はブドウ糖以外の脳の栄養についてお話したいと思います。
脳が栄養不足になると・・・
栄養不足と聞くと、だいたいの方が体のことを思い浮かべると思いますが、脳にももちろん栄養が必要になるのです。では脳が栄養不足になるとどのような症状が出るのでしょうか?
- うつ病や不眠症になる
- 意欲が低下する
- 記憶力や集中力が低下する
- 疲れが取れにくくなる
- 脳が萎縮する
日常のちょっとした変化から、病気に繋がるものまであってちょっと怖いですよね。ただ脳の萎縮に関しては度を過ぎたダイエットや拒食症の方がなってしまうものなので、ちょっとやそっとでは萎縮しません。過度に怖がらないでくださいね。
上記の症状の中にはブドウ糖が不足したことによる低血糖が原因になることもあります。だからといってブドウ糖ばっかり摂るのってちょっと抵抗がありませんか?摂りすぎて逆に血糖値が上がってしまったり、甘いものがあまり好きではない方もいらっしゃいますよね。
ではブドウ糖以外にどんなものが脳の栄養となるのでしょうか?
ブドウ糖以外の脳の栄養
ブドウ糖は「脳の唯一の栄養」と聞いたことがあると思います。ですが先程も書いたように、血糖値が気になる方や糖質制限中の方は避けたい食品ですよね。実はブドウ糖以外にも脳の栄養となるものはあるんですよ。
ケトン体
前半に説明していますね。脳はもちろん、心臓や腎臓のエネルギー源にも。炭水化物を制限することで作られ、ブドウ糖と並んで脳の主力になるといわれています。ココナッツオイルから摂取することも可能です。
レシチン
大豆類に多く含まれています。豆乳を飲むのがお手軽な摂取方法ですよ。記憶力が向上する効果があるので、物忘れが気になった時は意識的に摂るようにしましょう。
ポリフェノール
ワインやチョコレートがオススメです。集中力や記憶力を向上させてくれるので、仕事や勉強の前に一口食べるだけでも効果があるそうです。ただ、お酒は仕事が終わってからにしてくださいね。
DHA、EPA
青魚に含まれるたんぱく質です。これも記憶力に良い効果が。サプリメントでも代用できますが、なるべく食品から摂るようにしましょう。
抗酸化物質
ベリー類に多く含まれています。抗酸化作用があるので脳の老化に効果的!認知症の予防にもなりますよ。
主に記憶力や集中力に効果のあるものが多いですが、これらが向上すると意欲も高まってきます。「幸せホルモン」と名高いセロトニンの分泌にも一役買ってくれることでしょう。日ごろあまり目立たない脳の疲労。これを機会に意識してみてはいかがでしょうか?脳が元気になれば心も体も元気になりますよ。充分な睡眠やストレス解消と併せていつも健康な脳でいましょう!
最終更新日:2015年08月28日