山口デスクの「ヨミドク映画館」

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牛乳を飲んで、愛する人を守る!~「レオン」

 私は幼いころからの牛乳好き。今も自宅の冷蔵庫には、常に1リットルのパックが1、2本入っています。

 たとえ食事がご飯、みそ汁、焼き魚、納豆、漬物でも、お茶代わりに牛乳を飲めるし、朝、部屋で筋トレをやった後は、プロテインを入れた牛乳をシェークして飲みます。

 筋トレをやって、牛乳をゴクゴク飲む男――。

 そうです。映画「レオン」(1994年/フランス・アメリカ合作)の主人公レオン(ジャン・レノ)が、コップに入れた牛乳をいつもゴクゴク飲んでいましたね。

 この映画、私の中ではたぶんベスト10に入ると思います。それほど好きな映画です。

 ニューヨークで独り暮らしているイタリア系移民のレオンは、依頼を完璧にこなすプロの殺し屋。日々、体を鍛え、殺しの腕は立つけど、字の読み書きが苦手で、鉢植えの観葉植物だけが友達です。
そのレオンが、家族を皆殺しにされた12歳の女の子マチルダ(ナタリー・ポートマン)を、ひょんなことから自宅にかくまい、2人で暮らすことになります。

 マチルダは弟の復讐のためにレオンから銃の撃ち方などを学び、レオンと現場に同行して数々の「仕事」を手伝います。奥手なレオンと利発なマチルダとの間に、不思議な愛情が育っていきます。

 そしてある日、マチルダは家族を殺したボス(ある立派な職業に就いてます)のスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)のオフィスを突き止め、一味に捕まってしまう。レオンはオフィスに乗り込んでマチルダを取り戻すが、最後は…。

 まだ観ていない人にはぜひ観てほしいので、この辺でストーリーの紹介はやめておきましょう。

 この映画は、監督のリュック・ベッソン、そしてマチルダ役のナタリー・ポートマンを一気に有名にしました。彼女はその後、スター・ウォーズなど数多くの映画に出演し、昨年日本公開の「ブラック・スワン」では主役のバレリーナを演じていましたね(私はまだ観ていませんが…)。

 そして、敵のボス役のゲイリー・オールドマンのキレぶりがすごい! 最近のバットマンシリーズでは善良なジェームズ・ゴードン警部補を演じていますが、レオンの役柄があまりに強烈だったので、正義の味方ではつい、物足りなく感じてしまいます。エンディングのスティングの曲「シェイプ・オブ・マイ・ハート」も泣けます!

 さて、冒頭で触れた「牛乳」の話。

 「牛乳は健康に悪い」「牛乳を飲むと骨からカルシウムが溶けだし、むしろ骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になる」などという主張をする本が、いまだに出版されています。しかし、それらにきちんとした臨床研究に基づく科学的根拠を示したものはほとんどなく、逆に、牛乳など乳製品の摂取が骨量(骨密度)を増やすことを示した研究はたくさんあるのです。

 アメリカの大学教授が、乳製品と骨粗鬆症との関係を研究した論文139本を検証した結果、85%が骨量の増加や骨折率の低下に良い影響を与えるという報告で、「どちらとも言えない」が13%、マイナスの影響はわずか1・4%でした。

 国内で比較的最近行われた研究を紹介しましょう。給食がない私立の中高一貫校で、2000~2003年に中学1年生だった子どもたち計960人を、2005~2008年に高校3年生になるまで6年間にわたって追跡した調査があります。

 この調査で、ほぼ成人の骨量に達している高校3年生をみると、男子では過去5年間の牛乳摂取量が多いほど骨量が高いという結果が出ました(体格と運動の影響は除外しています)。女子ではきれいな相関関係は出ませんでしたが、「ほとんど飲まない」グループは骨量が最も低いという結果でした。さらに、高校3年生の女子をみると、牛乳摂取量が多いほど体脂肪率が低いという結果も出たのです。

 もちろん、乳糖を消化する酵素を持っていない「乳糖不耐症」の人は、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするので無理して飲む必要はないし、牛乳アレルギーの人は小魚などでカルシウムを摂取した方がいいのは言うまでもありません。

 こうした症状が出ない人なら、高いお金を払ってサプリメントを買うより、カルシウム以外にもたんぱく質、ビタミンB、ミネラルなど多くの栄養素を手軽に安く摂取できる牛乳を飲んだ方がいい、と私は思っています。世界保健機関(WHO)も、「カルシウムの最も良い補給源は牛乳、乳製品である」と報告書に明記しています。

 ただ、牛乳は「完全食品」ではありません(そんなものは存在しない)。ビタミンCや鉄分は含まれていないので、牛乳だけ飲めば健康になるわけではありません。

 私自身、牛乳だけでなく、コーヒーも1日2杯以上飲みます。お茶も水も飲みます。米、肉、魚、野菜、豆類、ゴマなどバランスの良い食事を心がけ、週に数回は空手の稽古や筋トレなど適度な運動を自らに課しています。もちろん、たばこは吸いません(17年前にやめました)。もうすぐ50歳ですが、メタボではないし、健康診断でひっかかる項目はありません。…あ、自慢しちゃいましたね。

 一つの食品だけを「これさえ食べれば健康になる」と取り上げたり、逆に一つの食品を悪者にしたりと、極端な主張を展開した方が、きっと本が売れ、テレビの視聴率が上がるのでしょう。でも、長年の医療取材から得た結論は、「すべてはバランスよく!」が健康の秘訣。真実は、きっと地味なのです。


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山口博弥(やまぐち ひろや)

読売新聞医療部デスク

1987年 早稲田大学法学部卒、読売新聞入社

地方部、社会部などを経て1997年から医療情報室(現・医療部)。

趣味は武道。好きな映画は泣けるヒューマンドラマとアクションもの。

5件 のコメント

体幹トレと全身のバランスと怪我

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受。

バランスつながりで、木場克己さんの体幹トレーニングという流行のものがありますね。それに関して私見ですが、日本は舗装された道路が多く、土の地面も固...

バランスつながりで、木場克己さんの体幹トレーニングという流行のものがありますね。
それに関して私見ですが、日本は舗装された道路が多く、土の地面も固いところが多いです。
それで、どうしても四肢の筋肉の方が発達しやすい傾向にあります。
簡単に言えば、スポーツカーとオフロードカーの違いです。

どちらがいいのではなく、適性の問題ですが、ものの心理として偏りは大きくなる傾向があります。
だからこそ、トレーニングで補正してやる必要があるわけです。
勿論、牛乳同様万能ではありません。
その人の筋力に合わせた負荷で、その人の仕事・年齢に合わせた筋肉バランスが理想です(一般の人はそこまで気にしないでいい)。

ある程度筋肉量ができてきたら、それを使いこなす段階ですが、その時は末梢の筋肉との連動が大事になります。
その時に一部の関節に負荷がかかれば、そこが痛みやすくなります。
だから補正する必要ができてきます。

サッカーであれば、簡単に言って、土、人工芝、天然芝で筋肉の使い方はある程度変えるべきです。(どこまで汎用性と個別差を両立させるかの問題です。)
だからこそ、移籍直後に選手はよく怪我をするわけです。
プロアマ問わず、知っておいてほしいことです。
ライバル増えるのは嫌なんですが(笑)。

well balanced meal

湘南のへいちゃん

LEON、名作ですね。 ラストシーン、瀕死のレオンがマチルダが逃げたのを見送る笑顔を覚えている割にストーリーもこの牛乳シーンも記憶にないのはなぜ...

LEON、名作ですね。

ラストシーン、瀕死のレオンがマチルダが逃げたのを見送る笑顔を覚えている割にストーリーもこの牛乳シーンも記憶にないのはなぜ。

そして朝の牛乳…で連想するのが「ロッキー」の生卵入りシェークとどこまでも男気な…一応女子。

牛乳はじめ野菜も果物も「命」を頂いているわけですから、彼らが悪者ではなく、「栄養価が高いから」「身体に良いから」と過剰摂取したり、偏って手軽に摂ろうと手間を省く私たちの浅知恵がいかんのだと思ってます。

おっしゃるようにwell-balanced mealが何より健康の秘訣ですね。



ということでもうすぐ週末。麦の恵みと今週は頂き物の芋の恵みを片手にDVD三昧します!

シティーハンター・・・・

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

なんかあらすじ聞いているうちに、週刊少年ジャンプ黄金期の漫画を思い出しました。 きっと参考にされたか、参考文献に重複があるのでしょう。 ところで...

なんかあらすじ聞いているうちに、週刊少年ジャンプ黄金期の漫画を思い出しました。

きっと参考にされたか、参考文献に重複があるのでしょう。



ところで、山口さん忘れてませんか?



山口さんが必死なのは、「老後の面倒を見ない」と奥さんに通達されているから。

健康でいる必要性があるからということを。

娘さんかお孫さんが面倒をみれるようになるまでは健康でい続けなければならない。



大変ですけど、頑張ってください。