猫のツメダニ症とは
ツメダニと呼ばれる寄生虫の1種が猫に寄生することによって発症する皮膚の病気のことをツメダニ症と言います。
発症すると皮膚に炎症が起きることから「ツメダニ皮膚炎」とも呼ばれています。
この病気は主に背中や頭部に湿疹、かさぶた、フケなどの症状があらわるためかゆそうに見えますが、猫自身にはあまりかゆみはないと言われています。
ツメダニについて
この寄生虫にはたくさんの種類がいますが、その中でも主に猫に寄生するのは「ネコツメダニ」と呼ばれる種類です。
ツメダニは寄生虫の中でも大きくメスが0.6mm、オスが0.4mmほどのサイズをしているため、虫眼鏡を使用することで確認することができます。
またこの大きさなので、肉眼でも見ることができフケが歩いているように見えることから「歩くフケ」とも呼ばれています。
ネコツメダニ以外にも有名なものにウサギツメダニとイヌツメダニという種類もいます。
ツメダニは人にも感染する人獣共通感染症
ツメダニは人獣共通感染症という人や動物に関係なく感染する病気の1つなので、猫が感染することで飼い主さんも感染してしまうことがあります。
猫がツメダニに寄生されても強いかゆみはあらわれませんが、人が感染した場合はひどいかゆみを引き起こします。
そのため命に関わる病気ではありませんが、猫が感染した場合は飼い主さんに感染が広がってしまわないように早急な治療が必要になります。
猫のツメダニ症の症状
・フケ
・炎症
・湿疹
・脱毛
・かさぶた
・ただれ
ほとんどかゆみがあらわれることはない
猫がツメダニ症に感染すると脱毛、炎症、湿疹、かさぶた、フケなどの症状があらわれるため一見するとかゆそうに見えますが、猫自身にはほとんどかゆみがありません。
ただしツメダニが増殖して重症化した場合は、ひどい脱毛やただれや軽度のかゆみがみられる場合もあります。
主にツメダニ症の症状がでる場所
ツメダニ症の症状が強くあらわれる場所はツメダニが寄生する場所です。
主に背中や頭部に寄生することが多いですが、お腹や、しっぽの付け根、耳の後ろ、股の間などにも寄生することがあります。
ツメダニ症の特徴的な症状は大量のフケ
発症すると脱毛や湿疹などの皮膚症状があらわれますが、それらの中でも大量のフケが出ることがツメダニ症の特徴です。
大量のフケの中にはツメダニが混ざっているので、よく見ると白いフケが動いているのが肉眼でも確認できます。
飼い主さんが感染した場合は一過性の症状
猫と違いツメダニが人に寄生した場合はひどいかゆみを引き起こします。
しかしツメダニは人の皮膚では繁殖ができず、増えることができないので寿命とともに自然消滅していきます。
猫がツメダニ症になる原因
ツメダニ症はツメダニが猫の皮膚に寄生することが原因で発症します。
感染経路
・接触感染
感染原因
・感染している動物
・外部寄生虫
・シーツやベッドの共有
主な原因は感染している動物との接触
ネコツメダニ、イヌツメダニ、ウサギツメダニなどツメダニの中にもたくさんの種類がいてそれぞれに名前がついていますが、これらの名前は主に感染することが多い動物の名前が付けられただけなので、この動物にしか感染しないということではありません。
イヌツメダニは猫にも感染しますし、ウサギツメダニが猫に感染する可能性もあるということです。
そのため猫以外の動物との接触によってもツメダニが移動することで感染します。
また人に感染した場合とは違ってこれらのツメダニが猫に感染した場合は、皮膚の上で繁殖を行うことができるため治療を行わないと重症化してしまうことがあります。
特に1歳未満の若い猫は感染しやすいと言われています。
外部寄生虫を経由して感染することも
ノミやシラミやハエなどの外部寄生虫にツメダニが寄生している場合があるので、それらの外部寄生虫が猫に近づくことで感染することもあります。
間接的に感染することも
ツメダニ症に感染している動物の体にはたくさんのツメダニが潜んでいます。
そのため使用したシーツやベッドなどの体が触れたものにツメダニが落ちてしまうことがあります。
シーツやベッドに落ちたツメダニは一定期間生きることができるので、まだ生きている間に猫がそれらの物に触れることで感染してしまう場合があります。
猫のツメダニ症の診断方法や治療法
診断方法
・顕微鏡検査
治療方法
・薬用シャンプー
・投薬治療
フケを採取して検査する
猫がツメダニ症になると大量のフケがあらわれるようになり、そのフケと一緒にツメダニを見つけることができます。
肉眼ではフケが動いているようにしか見えないので、フケと一緒にツメダニを採取して顕微鏡で調べます。
薬用シャンプーでツメダニを洗い流す
硫黄・サリチル酸が配合されたシャンプーを使用して、猫の体を綺麗に洗い流してあげることで皮膚に寄生しているツメダニを洗い流します。
投薬治療でツメダニを駆除する
セラメクチンを含んだレボリューションなどのスポットオン、フィプロニルのスポットオン、スプレーアミトラズ、イベルメクチンなどの薬を投与することでツメダニを駆除することができます。
病院では2〜3週間おきに2〜3回注射で殺ダニ剤を投与する治療を行います。またピレスリンという虫の神経を麻痺させる粉剤を体に散布することもあります。
薬によっては副作用の強いものもあるので、投与する場合は一度動物病院で相談するようにしましょう。
猫のツメダニ症を予防する方法
定期的に猫の健康チェックをする
ツメダニ症の症状は皮膚にあらわれるため、体を見るだけで異常を確認することができます。
猫と毎日スキンシップをとるときに、体のどこにも異常がないかを確認するようにすることで早期発見をすることができるので、普段からしっかり猫の体に異常がないかを確認しながらスキンシップをとるようにしましょう。
生活環境を清潔に保つ
ツメダニは生活環境の中に潜んでいることもあります。特に戸建よりもマンションなどの集合住宅で多くみられるため、普段から生活環境を清潔にすることが大切です。
温度の高い場所を好む傾向があるので、特に室内の暖かい場所はしっかり掃除しましょう。
室内飼いにする
感染している動物と接触したり、間接的に接触することでもツメダニ症は感染してしまいます。
放し飼いで飼っていると、感染した動物に接触する機会や触れた場所に接触する機会が増えるので感染する確率が高くなります。
そのため室内飼いをすることが予防につながります。
Q&A
フロントラインを使用することで予防になりますか?
フロントラインには卵の育成・孵化の防止効果がありますが、これはあくまで感染した後に使用することで増殖を抑える、または駆除する薬なので、使用したからといってツメダニが寄生することを防げるわけではありません。
また使用することで嘔吐や湿疹などの副作用が出ることもあるので、予防にはあまりおすすめできません。
ツメダニが人に感染した場合は何日ぐらい生存しますか?
猫などの宿主がいない環境でもツメダニは約10日ほど生存できると言われています。
そのため人にツメダニが寄生した場合、10日ほどの間は皮膚の上で生き続けます。
ポイント
ツメダニは重症化しない限りかゆみが出ることはなく、脱毛やフケや湿疹は出るようになりますが命に関わるような病気ではありません。しかし猫同士だけじゃなく犬やうさぎや人にも感染してしまう病気なので、集団感染が起こりやすい危険があります。
また人に感染するとひどいかゆみを引き起こすので、早期治療をした方がいい病気です。多頭飼いをしている家で1匹でも感染していた場合は、飼い主さんは皮膚科に行き、ペットは全員を検査に連れて行きましょう。