プルトニウム体内へその他摂取・侵入・分布・排泄プルトニウムの吸入摂取粒子状プルトニウムを吸入した時の呼吸器での初期沈着部位、沈着量、及びクリアランス粒子の大きさ、濃度、形状、化学形、起動内での動態などの物理化学的原因呼吸器系の解剖学的及び生理学的な要因 によって決まる。ビーグル犬を用いて観察された吸入投与した酸化プルトニウムの体内挙動の量的な移行は、肺から主要臓器への移行を示すと、初期の急速なクリアランスは吸入2,3日後に起こる原則的には呼吸器系の上部の繊毛上皮に沈着した大きな粒子は、繊毛の輸送によって上行し、消化管へ嚥下され、糞中に排泄される。繊毛の無い抹消気管や肺胞に沈着した粒子は、繊毛上皮へ粒子を輸送する肺胞マクロファジーによって急速に貧食されるが、このメカニズムによっては効果的には移動しない。肺胞で不動になったプルトニウムは肺胞の上皮細胞に取り込まれたあと、肺のリンパ節に移行する。肺胞に沈着したプルトニウムは、肺に長期間とどまる。肺胞領域に沈着したプルトニウムは、指数関数的に消失してほかの臓器へ再分布する。肺からの消失速度は化学系などによって異なり、また酸化プルトニウムでは焼結温度によっても異なり、高温で焼いて不溶性にしたほうが遅い。吸入1日後の沈着量に対する骨への移行率1975年に調査報告されているクエン酸プルトニウムの場合8日で60%酢酸プルトニウムは16日で30%炭酸プルトニウムは40日で20%塩化プルトニウムは64日で25%硝酸プルトニウムは64日で12%コロイド状の硝酸プルトニウムは256日で10%半減期ラットにおけるプルトニウムの生物的半減期は、100日~400日ビーグル犬ではプルトニウムの化学形が溶解性の場合200日。酸化プルトニウムが最も長く500~1000日または4年。犬に吸入させた酸化プルトニウムの10年後の体内滞留量は初期沈着量の80%各臓器の分布割合肺に10%肺リンパ節に40%肝臓に15%腹腔内リンパ節と骨にそれぞれ5%リンパ節内の分布は髄洞(動脈と静脈をつなぐ特殊な毛細血管で貧食作用をもつ細胞が多い)とその周辺の濃度が高い一般には肺中心(おもにリンパ球が多く存在する)にはないリンパ節では、プルトニウムを貧食した細胞が死ぬと又他の細胞が貧食するために長く滞留する職業被ばくによって酸化プルトニウムを吸入したと予想されるヒトの体内分布は、全身量に対して呼吸器系(そのうち肺では35.3%)では52.8%肝臓では19.7%骨では20.8%不溶性プルトニウムが、ヒトでも肺に長期間滞留していると言う報告がある。要するに、吸入によって摂取されたプルトニウムは、不溶性の場合には肺胞やそのリンパ節に沈着したあとも長期間滞留するが、可溶性の場合には1~2年以内に主に骨と肝臓に移行する。経口摂取 消化管からの吸収率可溶性>加水分解塩>不溶性 の順で低下するいずれにしても低い動物種による差がほとんど見られない腸管からの年齢差哺乳中を除いてはない哺乳中のラットではプルトニウムの吸収率は更新する(1日齢における硝酸プルトニウムの吸収率0,25%)が、ラットよりも消化管が発達している乳児では、吸収が高まる可能性は高まる割合は低いと推定されている。腸管からのプルトニウムの吸収メカニズムは不明であるが、吸収率が低い理由として、粒子状のプルトニウムは腸粘膜を直接通過しないアルカリ性消化管内容物と化合物や加水分解塩の形成。オキザロ酢酸やリン酸との不溶性化合物の形成、食物への吸着が考えられる。創傷からの侵入皮膚表面に付着したプルトニウムからのα線は角質層に遮蔽され、感受性がある表皮の基底層までは届かない。正常な皮膚からの吸収はほとんど僅か。創傷に伴って起こる。その後のプルトニウムの代謝は、傷の程度や体のどの部位の皮膚か等生体側の条件と、プルトニウムの物理化学形によって異なる。例:傷の治癒に伴ってかさぶたとともに脱落。例:局所のリンパ節に蓄積された後、さらに他の臓器に移行する。例:あるいは傷の部位に長く残る。皮膚筋肉からの移行可溶性の程度によって大きく異なる最終的には骨と肝臓に沈着する。ラットやウサギの皮下に注射した金属プルトニウムは、これらの動物の全寿命の間に最大1.2%が血液中に吸収される。ビーグル犬の肉球の皮下の酸化プルトニウムを注射した場合、1年以内に1%が周辺のリンパ節に移行する。骨格や肝臓への移行率それぞれ約0.1%である。0,2N硝酸に溶解したプルトニウムをブタの皮内に投与した7日後の移行率リンパ節が12%肝臓が7%骨が5%血液から全身への分布肺、消化管、傷から吸収されたプルトニウムは、血液によって移行する。実験的に静脈注射された重合体プルトニウはおもに肝臓へ沈着単量体プルトニウムは骨へ沈着する。血液中のプルトニウムは、鉄結合タンパクであるトランスフェリンとの安定した化合物を形成する。クエン酸プルトニウムを成長期(90日齢)と成熟(18ヶ月齢)のビーグル犬に注射する。血液からの消失は成長期の方が速い。クエン酸プルトニウムを注射した3ヶ月月齢のビーグル犬では、肝臓に12%、骨に68%分布する成犬(57~84ヶ月齢)では、肝臓に30%、骨に50%分布年齢によって臓器への移行率や分布が異なることが報告されてる。肝臓への沈着血液中のプルトニウムは、全身の網内系細胞に捕捉される。とりわけ重合体の状態では、肝臓、脾臓、赤色骨髄などに多く沈着する。ビーグル犬に静脈注射したクエン酸プルトニウムの約30%が肝臓に沈着。吸入された不溶性の酸化プルトニウムは僅かずつ溶解して、単量体プルトニウムとして移行し、肝臓に沈着沈着したプルトニウムは、肝細胞内でフェリチンと結合しリゾームに蓄積され、時間経過に伴って網内皮系細胞内で凝集する。ビーグル犬では、注射投与されたプルトニウムは1000日までは肝臓に留まっているが、骨との相互移行によって量的なバランスが保たれ、ほとんど消失しない。1000日目を超えると半減期8年で減少する。動物実験データから推定されるヒトの半減期は40年である。骨への沈着血液中でトランスフェリンと結合しているプルトニウムは、骨内膜表面や骨中にも選択的に沈着する。骨内膜表面への沈着は、プルトニウムのトランスフェリンとの結合力よりも骨表面を覆っているシアロプロテインとの結合力のほうが強い為に起こる。骨中への沈着は骨表面の新骨が形成されている部分。すなわち石灰化骨の表面を石灰化前の組織である類骨が被っている部位でみられる。プルトニウムは骨表面から類骨を通過して石灰化が起きている部位に移行し、骨中へ埋め込まれたような分布をする。シアロプロテインよりも石灰化部位の方がさらに結合力が強い為に起こる。骨は皮質骨と海綿骨からなる。骨表面積は海綿骨の方がはるかに広い。プルトニウムの骨沈着は海綿骨の方が多く、皮質骨の初期量はビーグル犬では9%骨表面において組織学的な動態(吸収面と新骨形成面)がみられる割合は約7~8%であり、残りは休止部分である。プルトニウムの沈着量は新骨形成面が最も多く、次に休止面で、吸収面が最も少ない。骨表面に沈着しがプルトニウムは、活性化面では新骨形成に伴って骨中に埋め込まれ、静止期間後に骨吸収に伴って骨から遊離する。遊離したプルトニウムは、直ぐに新骨形成面に取り込まれるか、骨髄の網内皮系細胞に貧食されるか、あるいは血液によって肝臓に移行した後に再び骨へ戻って沈着する。海綿骨と皮質骨のターンオーバー速度は、動物やヒトでは著しく異なるので、海面骨に沈着したプルトニウムのほうが動態は激しいが、消失も多い。皮質骨では、時間の経過につれてむしろ増加する傾向にある。骨におけるプルトニウムの半減期は、マウスでは1年、ラットとウサギで数年、犬で10年以上と推定される。ヒトについては、1972年のICRP勧告では100年と推定されていたが、1986年の勧告では50年に訂正されている。排泄最も多いのが、尿や胆汁を経由した糞への排泄。ヒトにおける注射投与後の全排泄量最初の20日以内に5%2年後までに10%20年後までに19%40年後までに22%と推定される。その他の研究特殊なエックス線などを使って調べた。その結果、プルトニウムは、2種類のたんぱく質が橋渡し役になって細胞内に入っていくことが分かった。生命活動に必要な鉄の取り込み経路と似ていることが判明している。崩壊してできるアメリシウム241は土壌を経由して主に豆類に取り込まれやすいといわれている。アメリシウム241はプルトニウムより1.3倍毒性が強いペクチンは重金属の排出に働くと研究されている。