「雨漏り二次被害(もしくは二次災害)」という言葉をご存知でしょうか。
雨漏り二次被害とは、雨漏りによる湿気や水分が原因で、患部以外の正常な箇所にまで
ダメージが広がってしまうことを言います。

通常、雨漏りしていると気づくのは、天井にシミができていたり、
壁にカビが生えてきたりなど、視覚的に、または臭いなどで異常を感知して、
というケースがほとんどだと思われます。

実はその症状自体が、すでに「雨漏り二次被害」と呼ばれるものなのです。

一般的に言われる「雨漏り修理」とは、「雨漏りの原因となる箇所を修復し、
雨水が家屋内に浸入することを防ぐ」ことを指します。

つまり、シミ・カビなどが確認された時点で、
雨漏り修理以外の工事=「修理費以外の工事費」が発生してしまう
ことを意味します。

さらに、湿気などが原因で電化製品や設備機器などにまで被害が及ぶ三次被害にまで
発展してしまうと、さらに出費が重なってしまいます。

これが、「雨漏りは放っておけば放っておくほどお金がかかる」と言われる所以です。

目に入るところに被害が出ているということは、
目に入らない裏側はもっと症状が進行している可能性が高いのです。

雨漏りの二次被害が、取り返しがつかない程に進行してしまう前に、
怪しいと思われたら是非一度診断を受けられてみてはいかがでしょうか。

以下に、長期間放っておいた雨漏りの、二次被害の一例をご紹介いたします。

雨漏り二次被害の現実

ベランダの笠木から雨水浸入⇒内部腐食

本来ベランダの腰窓の上部分は、防水材あるいは防水シートで巻き込んで笠木を被せます。
その処理がされていなかった為に、壁に叩きつけられた雨が風で隙間に巻き上げられ、壁内に浸入。腰壁の柱や、軒板が6年くらいで腐食したと思われます。

「なんか天井に染みが・・・」気づいて1年後のことです。表面に露出する前に、壁の中ではもっと前から腐食が開始していた代表例です。

外壁ひび割れにより雨水浸入⇒壁内部・室内壁腐食

「室内のクロスにカビが出てた」と気づいてから2年くらい放置していたようです。原因は外壁のモルタルにヒビが入り、そこから雨水が浸入していました。いわゆるクラックというものです。
実は雨漏りに気づく数年前から、すでに雨水が浸入していた模様。

幸い柱や土台にはダメージがなく、断熱材とボード・クロスの貼替えで室内側は済みました。外側はこの面だけクラック処理をして、弾力性のある塗料で塗り直し、事なきを得ました。

「トイレがカビ臭い」⇒壁紙を剥がすと大量のカビが

このドアの向こう側はトイレです。トイレに異常な湿気とカビ臭さを感じ、「なんかおかしい」とお施主様からご相談が。
表面からはクロスが少しごわごわしている程度で、よく見ないと気づかないような状況でした。

電気の配線を雨が伝って、壁の内部に侵入。ちょうどこの壁の上で線がたるんでいたため、この地点に雨水が落ちたという珍しいケースです。原因解明にはかなりてこずりましたが、お施主様のご連絡が早かったために、ボードの半分とクロスの部分貼り、それに配線の傾斜を変えるだけで解決しました。4万円ほどの工事でした。

このまま気づかず放置していれば、間柱の取替え、ドア枠の取替え等10万円近くかかったかもしれません。早い対応が二次被害を最小限にとどめた例です。

屋根内樋から雨水浸入⇒シロアリ被害で柱がボロボロ

これは本当に危なかった二次被害です。屋根から雨水が浸入していて、その修理を終えた後、外壁サイディングのコーキング打ち替え処理中にシロアリ発見。
あまりのシロアリの多さに、施主様からの要望で外壁をはがしていたら「あっ!柱が無い!」

通し柱の1階部分が、シロアリ被害で無くなっていました。かろうじてサイディングと胴差、間柱の一部などで維持されていたような状況でした。

外壁を撤去すると建物が崩れる危険性があるので、外部から補強し、それから外壁を撤去、柱の入れ替えなど、その他もろもろの修理を含め、二次被害の為に100万円以上の費用がかかってしまった例です。

霧除け樋の詰まりで雨水浸入⇒壁内部とボードが腐食

玄関の霧除け屋根の樋と集水器が天井裏にあり、それがゴミ・土で詰まり室内側まで雨水がまわっていました。2年くらい放置していたようで、柱の表面は腐食のため、10.5cmだった柱が9cmの柱になってしまっていました。
まだ芯はしっかりしていたので、その柱に別の柱をもう一本、抱き合わせるようにして繋いで補強しました。

しかし、その周辺の間柱はほぼ全滅で、取り替えることになってしまいました。「相当前から、雨の度に玄関の土間が濡れていた」とのことなので、雨の浸入は2年よりもっと以前からだったと推測されます。シロアリがつかなくて本当によかったです。

壁からの雨漏り⇒梁の腐食が進行

2階の窓廻りから雨水が浸入して、1階と2階の間の梁と胴差が腐食していました。

「雨の度に天井に染みのようなものができる」ということで、天井を開口しました。

茶色の染みが出ていたので、木が腐食している可能性があると判断して開口したわけですが、2階の間柱がやはり取替えを要するほど腐食していました。その腐食した染みと腐食カスが黒い部分の染みです。間一髪、梁と胴差は救われました。

外壁からの雨水浸入⇒壁内・柱なども腐食

外側サイディングのコーキング部分の劣化による雨漏りでした。室内のクロスにカビが出ているということで、雨漏りの心配をされてお電話を頂きました。

室内のカビは、雨漏りではなく湿気による結露で発生する可能性もありますが、今回はクロスの裏側からのカビだったため、雨漏りがあると判断。

お施主様が「心配だから外壁を剥がして調べて欲しい」ということでしたので、写真のように内部を直接確認することに。見ると、外壁側に接している部分に腐食開始の跡があるのがわかります。

まだ腐食の進行も浅く、早めに対処することができたので、補強工事だけで済みました。早めの対応が二次被害を軽くさせるということをあらためて実感した事例でした。

サッシ周りから雨水浸入⇒雨水が床に溜まり、床腐食

これは、鉄筋コンクリートの雨漏りの例です。
サッシ廻りから雨水が浸入していましたが、床がコンクリートなので、たまたま下の部屋に漏らずに玄関の廊下付近に水が溜まり、4年間でここまで床材が腐ってしまいました。

玄関は毎日通る所なので、変化は少なからず感じていたとは思うのですが、放置したままだったのでこのような状況に。下の部屋に漏らなかったのが不幸中の幸いでした。早期対応していれば3万円くらいで済んだ工事が、床の下地と床の貼替えで20万円近くかかってしまった事例です。

ベランダ笠木から雨水浸入⇒柱等がシロアリ被害。下側欠損

これもベランダアルミ笠木の隙間から雨水が浸入して、更に東京・神奈川では比較的珍しいイエシロアリに柱の半分を食べられてしまった例です。
イエシロアリはかなり貪欲に、2階にも、屋根にも上がって食べまくります。被害の速度はあまり2階以上に上がらないヤマトシロアリよりもとても早いです。

サイディングが風でパタパタしていたため、容易に発見できました。二次被害の中でも、特に恐ろしいのがシロアリです。雨漏りの腐食のスピードにシロアリが更に追い討ちをかけると、柱などはあっという間にボロボロになってしまいます。やはり早めの対処が大事だと思い知らされます。

いかがでしたでしょうか。雨漏りの二次被害の恐ろしさが伝わりましたでしょうか。
ご紹介した事例にもある通り、比較的早めに対処できると、二次被害も軽度で済み、
その分修理にかかる金額もかなり抑えられます。

雨漏りの内部的な被害は、思っている以上にあっという間に進行してしまいます。
シロアリの発生・倒壊など、建物にとって最悪の事態を防ぐためにも、
「怪しいな」と思われたら(家を立てた)工務店や、雨漏り修理業者に早めに相談してみてください。