マイクコンリーは今夏に5年150億円の超大型契約を結んだ。
そんなコンリーは、契約後に自身の今までのキャリアの回想と新たな決意をメディアに綴った。
話は少し長いけど、頑張って訳したよ。(長すぎるのでいくつかに分ける)
場面は2014-2015シーズンのプレーオフの、暗い部屋の中から始まっている。
(回想なので、記事の中の私はコンリーのこと)
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「ごみ袋!」
私は妻に叫んだ。彼女は別の部屋にいるのだが、私はどうしていいか分からない。
常に吐き気がする。
眼窩の手術のためにメンフィスに戻ってきてからは、丸一日と半日の間、寝室のベッドの上で動かずにじっとしていた。
三日前のブレイザーズとのプレーオフ第三戦、私は目の上の骨を骨折した。そのプレーについてはほとんど覚えていない。CJマカラムがマッチアップする中、私はリングにドライブしていき、次の瞬間、気がつくと私は自分の顔を抑えていた。
幸いにもチームは続く第四戦と第五戦に勝利し、次のラウンドへ進出した。メンフィスに到着すると、妻は私の世話をし、両親もメンフィスにやってきて援助してくれた。
次のウォリアーズとのシリーズが始まるまで一週間もない。私は枕を頭の下において、20分ごとに氷を動かしながらベッドにもたれかかっていた。
「ごみ袋をもう一枚!」
叫ぶたびに顔がけいれんし、医者には「腫れが悪化するかもしれない」と言われていた。
目の上がドクドクと脈打っているのが感じ取れ、それはやむことのない騒音のようだった。
妻は電気もつけず、静かに私の部屋に入り私にごみ袋を手渡した。
私は「ありがとう」と言おうとしたが、妻に聞こえていたかは分からない。
顔の腫れのせいで食事をとることもままならず、36時間何も口にしなかった。
腫れを和らげる薬はあったが、どっちみち苦痛には変わりない。もし、その薬を飲むと痛みや腫れは収まるが、副作用で吐き気が止まらなくなる。
最悪のタイミングだった。55勝27敗でレギュラーシーズンを終え、リーグ最高のビッグマンのマークガソルもいる。ザックランドルフとトニーアレンも最高のプレーをしていた。
勝つ見込みは低いと目されているが、ウォリアーズと対戦することを待ち望んでいた。
キャリアのどん底にいるようだった。シーズンは危機的状況なのに、私は無力だった。
ベッドに座りながら顔に氷を当てているだけだ。
できることと言えば考えにふけることだけで、テレビもラジオもつけず、誰かと会話をすることもなく部屋の電気をつけることさえできない。
そんな状況で、気づけば私はルーキーイヤーのことを思い出していた。
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それはルーキーシーズンのトレーニングキャンプが始まる2,3日前、私は一足先に自分のロッカーを見るためにアリーナに立ち寄った。ルーキーの私は意欲に満ちていた。
キャンプが始まる前なので、誰もいないと思っていた。
でも、私がロッカールームに入ると、小さい男がイスの上に立っていた。
ロッカーの探し物をしているようだった。そのロッカーには”Biggie(大男)”と書かれたプレート。
(この男は一体何をしているんだ?)
その小さな男は身長178cmのPG、デイモン=スタウダマイアーだった。私が見て育った、お気に入りの選手だ。
「よう、新人」とデイモンが言った。
デイモンが私の名前を知っているかさえ定かではなかったが、彼は満面の笑みでイスから飛び降りた。
私は挨拶をして、荷物を自分のロッカーの中にしまう。
すると、デイモンは私のところまで歩いて来て言った。
「1 on 1しようぜ」
「今?」と私は尋ねた。
「今すぐ」とデイモンは言う。
「分かった」とOKした。
私はルーキーでデイモンはベテラン。シューズをはいて、コートで向かい合う。
ひとたびコートに入ると彼の笑顔は消え失せた。ここからは遊びじゃないと言わんばかりだ。
私は、心の中では少し笑っていた。自分は19才。もちろんデイモンを尊敬してはいる。
だが、(来い。倒してやる、だってデイモンは34才だ)なんて私は思っていた。
そして….
――まさかだった。手も足も出なかった。
デイモンは私を圧倒し、ゲームは15分かそこらで終了した。
私はデイモンよりスピードもあっただろう、彼よりも健康だ、それに彼より5,6cm身長が高い。しかし、彼はパワーで圧倒し、私からポジションを奪い、ポストアップを仕掛けてきた。
私はエゴを大いに傷つけられたが、これが友情の始まりでもあった。
僕らはシーズンを通して、1 on 1のバトルをやり続けた。
それはいつしか、自分たちを高め合う場になった。デイモンは多くのことを自分に教えてくれ、私のために時間を割くことを全く厭わなかった。
シーズン途中、私はデイモンの代わりにスターターで出場する機会があった。早々にジャンプシュートを何本か決めて、とてもいい感じだった。だが、ベンチに戻るとデイモンは私を叱り、もっとバスケットにアタックするように言った。
私は自分のプレーの何が悪いのか理解できなかった。シュートも決めているし、ターンオーバーもしていない。
だがデイモンは言う。
「中に切り込んで、闘わなきゃだめだ。当たっていけ、ぶつかっていけ!」
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そうだ、ウォリアーズとのシリーズはもうすぐだ!何とかプレーする方法を探さないといけない。
これ以上座ったままでいることなんてできない、カムバックするんだ。
しばし昔を思い返したあと、私はそう思った。
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