箱根連山の麓に位置する奥湯河原温泉。大自然に抱かれた静寂の地に、世界に名を知られる極上の隠れ宿があります。その名は「結唯-YUI-」。本館5室、離れ2室のみの高級旅館です。世界的なガイドブックに掲載され続け、TV番組や旅行メディアにもたびたび紹介されています。今回は「奥湯河原温泉 結唯-YUI-」をご紹介します。
静寂の山河に抱かれた極上隠れ宿
客室に向かう廊下は落ち着いた佇まいで、綺麗に磨かれたガラス越しに中庭が見える気持ちの良い空間でした。
自然の景観と調和した伝統モダン和室「千」
本間15畳と次の間6畳のお部屋は、2名でしたら十分過ぎるほどの広さでした。天井も高くて、埋め込み式の照明もスッキリとして見えます。無駄がないシンプルな純和風客室で非常に気に入りました。
前日は嵐のような天候でしたが、窓ガラスには汚れひとつ見当たらなかったのにも感心しました。目の届きづらい箇所の清掃状態も良く、非常に清潔で居心地の良いお部屋でした。
本間の壁一面の窓からは、眼下に清流と滝を眺める事が出来ます。窓は閉めていても、かすかに清流の心地よい音が聞こえてきました。夜は清流全体をライトアップしますので、昼間より一層キレイでした。ライトアップが終わった深夜には、時期的に数匹のホタルが飛び交う様子が見れました。普段からテレビばかり見ている主人も、今回はテレビを見ずに景色を眺めて過ごす時間が長かったです。時間と共に移りゆく景色を客室に居ながら眺められるのは、非常に贅沢な時間に感じました。
本間は余計な装飾のない端正な数寄屋造りで、上品な心地よさを感じました。本間は壁一面が大きなガラス窓になっていて明るく開放的で、窓の外には堰から流れ落ちる滝と清流の向こうに原生林の木立がひろがっていました。陽が落ちるとライトアップされた冬枯れの木立が幻想的で、非日常の世界に引き込まれました。
私たちは次の間を着替えや荷物置き場に使いましたが、この部屋は明かりとりの窓もあり2人で休むこともできると思いました。
お部屋の内湯は大きなガラス窓から滝が望める総檜のお風呂で、深めの湯船は大人1人が足を伸ばして入れる大きさがありました。湯船や簀の子は清潔感があり、温泉ではありませんが木の香りと肌触りが心地よく、私たちはこのお風呂がとても気に入りました。
時間と共に移りゆく景色を客室に居ながら眺められるのは、非常に贅沢な時間に感じました。前日は嵐のような天候でしたが、窓ガラスには汚れひとつ見当たらなかったのにも感心しました。目の届きづらい箇所の清掃状態も良く、非常に清潔で居心地の良いお部屋でした。
庭園付和洋室「鳳」
本館の中でも1室しかない特別室の「鳳」は、設備が充実しているにも関わらず、本館の他の客室と数千円プラスするだけで利用できる点は満足度が高かったです。ベビーベッドの用意やライティングデスクにもなりそうなTV棚もありますので、大家族で宿泊する場合も使い勝手がよい部屋だと思いました。
館内施設
大浴場には内湯・サウナ・水風呂と露天風呂があり、源泉掛け流しのお湯は肌に優しい温泉でした。男湯の方が少し広いですが、男女の入れ替えはありませんでした。 大浴場の一面は大きなガラス窓で、ベランダ越しに深い緑の木立が広がり明るく開放感がありました。
ベランダの露天風呂では一切の人工物のない自然の眺めと眼下の滝の音を聞きながらのんびりと温泉を楽しむことができました。
露天風呂からは客室と同様に、眼下に清流と滝を眺める事が出来ます。湯に浸かってはテラスチェアでまどろみ、目の前に広がる木々も美しくて大変気持ちの良い大浴場でした。
大浴場の前に用意されている飲み物はゆずはちみつとルイボスティー、朝になると飲むヨーグルトと牛乳が用意されていました。どれもおいしい飲み物で大浴場に行く楽しみのひとつでもありました。
大浴場の前には爽やかな酸味のビワミンとルイボスティー、翌朝はプアル茶と丹那牛乳が用意されていて、よく温まった身体でいただく冷たい飲み物は格別でした。
和洋折衷の山海料理
夕食は1階の滝が見えるダイニングでいただきました。丸い組子格子の入口をくぐると正面の大きな窓からライトアップされた滝や木立の幻想的な世界が目に入ってきました。
夕食は品数が多く和洋の多彩な食材を使ったバラエティ豊かなものでした。どのお料理も独創的で、このような食材の組み合わせがあるのかと楽しみながらいただくことができました。
合いそうにない食材同士が、絶妙にマッチしている和洋折衷の内容で、ありきたりな会席料理ではないのが新鮮で楽しめました。献立名にもかなり拘っているそうです。献立名のみですと、お料理の詳細がよく分かりませんでしたが、仲居さんが詳細に説明をしてくださるので、より一層食事を楽しめました。
私たちは健啖な方なので、別注料理を3品頼みましたが、通常でも十分満足のいく量だと思います。別注の和牛フィレ肉は、相州和牛というブランド牛でした。リクエスト通りの焼き加減にしてくださり、大変美味しかったです。通常メニューにはお肉料理は含まれませんので、お肉料理も食べたい方は別注されるのがオススメです。
朝食
焼き魚は、3種類から選べました。金目鯛を選びましたが、肉厚で味もしっかりとしていて大変美味しかったです。小鉢の品も多く、白米とお粥のお代わりも十分過ぎるほど用意してくださったので、とても満足のいく朝食内容でした。
朝食もダイニングのカウンター席でいただきました。朝の光の中で見る滝や木立の緑は幻想的な夜景とはまた趣のことなる清々しい眺めでした。前夜の夕食後に白飯かお粥、焼き魚は鯵・カマス・金目鯛の干物から好みの品を選びました。私が選んだカマスは焼きたてで、ふっくらした身は塩加減も良かったです。おかずの種類も多く小鉢はどれも丁寧に造られ、美味しく炊きあがった御飯がどんどん進みました。朝食の後はカウンター席で滝を眺めながらゆっくりと珈琲をいただきました。
離れ秀邑(ほむら)
客室は、琉球畳24畳の和室と洋室にベッドが2台置かれているだけで、シンプルではありますが落ち着ける雰囲気になっていました。和室と洋室の間は少しの壁で仕切られていましたが、窮屈に感じることもありませんでした。どちらも床暖房があるので、寒い時期でも快適に過ごせます。
寝湯部分は大人3名が横になれる広さがありました。全体で大人5名が同時に入っても窮屈には感じないと思います。川辺の音を聞きながら、風に吹かれる紅葉(もみじ)の葉音に耳を傾けながら、奥湯河原の温泉を存分に堪能することが出来ました。秋には、紅葉(こうよう)が目の前に広がり、とても綺麗だそうです。
女性はコスメデコルテAQMW(化粧水・乳液・クリーム・クレンジング・洗顔料)のミニセット、男性はGACHI(洗顔料・化粧水・整髪料)のミニセットが用意されていました。シャンプー類はACCA KAPPAで統一されていました。
冷蔵庫内にある、瓶ビール2本・果実ジュース3本・アクエリアス2本・ミネラルウォーター2本はフリードリンクでした。追加も出来ますが、その際には別途料金がかかります。また、持ち込みの場合には1本につき3000円と書かれていたので注意が必要です。ワインセラーも置かれており、こちらは全て有料でしたが、赤白ワインやシャンパンなど計8本入っていました。
色取り取りの野菜と伊勢エビを焼く時に使用した岩盤は、桜島で作られた煙が出ないという不思議なものでした。すぐ隣が寝室なので、匂いも煙も出ずに鉄板焼きが食べれるというのは嬉しかったです。伊豆産の天然海老は、提供直前に水槽からあげられるので、身がぷりぷりで美味でした。また、お造りとは別に出された石鰈の洗いも珍しくて良かったです。
宿には共用施設もなく、観光処からも離れているので、一度部屋へと通されると外に出る機会が一切ありませんでした。2部屋しかない離れの客室は、大人の隠れ家と言っても良いかもしれません。
口コミ&まとめ
宿泊した日は団体客と1人旅の方がいましたが、団体客の方たちとは食事処も分けてくださったので、静かに食事をする事が出来ました。1人旅の方と少しお話しをしましたが、リピーターのようで年に数回宿泊されるそうです。こちらへはゆっくりと過ごしたい時に利用すると仰っていました。静かな環境でのんびりと過ごすことのできる宿ですので、1人旅の方や大人のカップルに最適な宿だと思います。今回は、いつも以上にゆっくりと過ごす事ができて、大変満足度の高い宿泊となりました。
深い緑の木立に包まれて滝の音だけが聞こえる静寂の中でのんびりと過ごす、そんな贅沢な時間を味わいたい方にお薦めです。源泉掛け流しの大浴場・露天風呂まで階段を使わず行けたので、温泉好きの高齢者にも優しい宿だと思いました。大型モニターのある貸切ラウンジで気の合った仲間と楽しい時を過ごすグループでの利用も良いと思います。この宿はちょっと贅沢な大人の隠れ家だと思いました。