抱え帯と丸ぐけ紐をつくる
2017年 01月 31日
花嫁セットの中のアイテム、「抱え帯(抱え帯)」と「丸ぐけの帯締め」だ。
「抱え帯」も、「丸ぐけ帯締め」も、前回紹介した筥迫工房さんで教本が販売されているようなので、今回もURLを載せておく。本気の人はそっちへ行くほうがためになると思う。
ただし、私は作り方を見ながら何かを作るというのが苦手なので、ここも、これから先で紹介するページも、見るだけざっと見て、あとは自己流で適当に作った。私の説明はあんまり信用しないでほしい。
●抱え帯
帯の下のほうに結ぶ、細長い帯のこと。
詳しいことはコトバンクの記述を読んで知ったほうがためになると思う。
辞書の中で、親切にも寸法まで説明されているので、あんまり説明するところはないのだが、私は厚紙で小さな型紙を作って、それを使って印付けをしたので、その写真を載せておく。
こういう感じのもの。ティッシュの空き箱でできている。
※実際に装着してみたところ、抱え帯は十二分に長さがあり、丸ぐけのほうはちょうど良いくらいかなと思った。(私は身長150cmのやせ形で、体格は小さい部類)
型紙は輪にするようになっているので、厚紙で引いた外の線が縫い線になる。
くけて(※後述)作るのが本式だと思うが、中表に縫ってひっくり返し、端を綴じた。
その際、何ミリか”きせ”をかける。(「きせをかける」でぐぐってほしい)
薄手の接着芯(百均)を、縫い線の内側部分にだけ貼ったのだが、ひっくり返す時なんかに中で剥がれる心配があるので、もっと大きくして縫い線の外まで全面に貼ってしまうか、接着芯の継ぎ目に布用接着剤を併用するとか、ちょっと縫い留めておくとか、した方が安全だ。
私は、返すのに使った物差しを最後に抜く時に、この継ぎ目でひっかけて剥がしてしまった。しかもそれが真ん中のあたりで、2m65cmの筒なので、手も届かなくて、かなり焦った。気をつけよう。
反物を使ったので、接がずに作れた。が、接ぐとしたらどのあたりだろう……二周巻くから3分の1らへん…? いや、接がないで作るものなのかもしれないけど、こんな細い物作るのに2m65cmも布買っていられないよね。
袋帯を締める機会があったら、胴回りを測っておくと目安になっていいかもしれない。正月に振袖を着たばかりだったので、しまった測っとくんだったー! と後悔した。
●丸ぐけの帯締め
「丸ぐけ」というのは、和裁の技法に「くける」というのがあって、洋裁ならまつり縫いで綴じるような箇所を、合わせた布の内側で運針して、表に糸を見せないで綴じる縫い方なのだが、その方法で布を細く筒状にして、中に綿を詰めて作った紐を「丸ぐけ紐」という。
かつては、帯締めといえばこの丸ぐけ紐だったとか。
現代のような組紐の帯締めは、明治になって廃刀の時代となり、武士の刀の下げ緒を作っていた組紐の職人が出番がなくなって、代わりに作るようになって普及したとか聞いたことがある。
時代劇を見ると、武家の奥方やお嬢様なんかが、この丸ぐけの帯締めを締めている。(庶民の間では帯締めをかけない結び方が一般的)
この、文庫結びにかけた白い丸ぐけ紐は、少女期に私が憧れたものの一つだ。
髷の上にかわいい色の打ち紐を結んだ島田と、懐剣と、文庫結びに丸ぐけ紐……島田の根にかけた丈長の清々しさなんかも含めて、この「武家のお嬢様スタイル」が憧れだった。腰元の、立て矢に結んだ黒の帯に白い丸ぐけ紐がかかっているのも好きだった。
長くなるといけないので、そろそろ本題。
丸ぐけの帯締めは作っておられる方がいて、私もそこを参考にしたので、リンクしておく。
※以降何回かに分けて作り方が紹介されている
寸法については、ちょっとアレンジした。さっきの型紙の画像に一緒に写してある。幅4.3cm。長さは1m65cmに決めた。丸ぐけ紐は伸びないので、組紐の帯締めよりも長さが要るという記述が参考にしたページにある。加減してみてほしい。直径は、1cmより若干大きい。
こちらの型紙は輪にせず、厚紙の両端の線が縫い線になる。
近所に鞄の持ち手芯が売ってなかったのと、くけるのが下手なので、一つめのページのミシンで作るやり方のほうを採用した。芯は、ダイソーの太い毛糸を6本取りにした。
しっかりみっちりさせようとすると、この毛糸が6本も入ってしまう。入れていくうちに摩擦が大きくなってくるので、だれかに助手を頼むとはかどる。
ミシンで縫うところまではスムーズだったのだが、ひっくり返すのがえらい大変だった。接着心を貼っていた(こちらは縫い線の外まで全面に貼った)のと、生地の摩擦が半端なくて、全然ひっくり返らなかった。だから、素材によっては、鞄の持ち手芯にくけて作る二つ目のやり方のほうが楽かもしれない。
出来たものがこちら。
この二つを作るのに、前の晩に印付けと裁断、翌日昼間に縫製と仕上げで、わりと一日仕事だった。でも、要領のいい方ならもっと手早く作れると思う。(私はめちゃくちゃどんくさい)
何が大変だったかって、選んだ素材が曲者だった。
このページに触発されたところが大きい。
どうせ作るなら、私も生地に凝りたいなーと思った。
それで探して見つけたのが、この白生地だった。
ヤフオクで、送料入れても千円弱で買えた。ラッキーだったと思う。
羽織用(羽尺)の反物で、これから染めて使う用途の布らしい。布って、染めると染料でいたむので、薄くなるんだそうだ。(母が教えてくれた)これは染める前なので、生地がしっかりしていた。
裁つときには扱いやすかったんだけれど、用途には適さなかったかもしれない。
というか、さっきのページでも「綸子」って書いてあるんだから、そういう生地を探せばいいのに、どうして縮緬地とか買っちゃうんだろう。
チュッチュッと鳴るあの絹特有の摩擦がすごくて、縮緬のシボ同士がひっかかって、そのうえ厚くてしっかりしているので、抱え帯も丸ぐけも、ひっくり返すのが大変だった……。
でも、結果としてはちゃんと完成したし、とっても高級感が出たので良しとする。この柄が気に入って買ったんだし。
おすすめとしては、もうちょっと薄手で、摩擦の少ない生地が作りやすいと思う。
着付ける人も、結ぶときに結びやすいかもしれない。
この生地はまだ残っていて、他のものにも活用したいなーと思っている。
まずは、洗ってみて縮まないようなら半襟にしようかなあ。
染めて加工するのもアリかな……どんな染料使ったらいいんだろう。
何か、作ったことのないものに挑戦するのは大好きなので、白無垢綿帽子計画は、そういう挑戦がいっぱいあって楽しい。
作業に飽きたり疲れたりすると、
「なんで本当に結婚するんでもないのにこんなに頑張っているんだろう」
みたいな虚しさがこみ上げる瞬間も、ある。
でも、筥迫が完成したあたりから、開き直ったというか、楽しさのほうが勝るようになってきた。(抱え帯と丸ぐけ→筥迫・同時進行で綿帽子…みたいな順で作った)
コスプレをやめてから、特に就職してからは、何かを作るってことをあまりしていなかったのだけれど、今回の計画がきっかけで、久しぶりに手芸の楽しさを味合えた。
コスは、あるとき「これじゃないな」と思ってやめたのだが、今回のことは「これだな!」って感じがしていて、たぶん、なんだかんだ私は一生こういうことがやめられないで過ごすんだろうなーという気がする。
(「こういうこと」って、説明するなら何になるんだろう。「時代扮装」だと、限定しすぎな気がするし、自分で用意するところからやることに意味があるので、ただ着たいだけの欲求じゃない。何なんだろう)
願わくばいつかこれが渡世の手段になればいいなと思うのだけれど、好きなことばっかりして生きられるものでもないしな……。
次なる手作り品の紹介は、「綿帽子」の予定。
私のセルフソロウェディングの引き金になった品だ。試作を重ねて製作した。
ちなみに、冒頭で載せた写真は、家人が仕事に行っている間に、自分で着付けて(帯は後ろで垂らしたまま)、三脚をたてて、シャッターリモコンで撮影した。えらい大変だった。
毎度思うけど、私がもう一人ほしい……。
写真には毎回もっと凝りたいなーという熱意だけはあるんだけれど、あんまり写真だけ綺麗でもレンポジ使ったみたいで現実味がないので、こんなもんかなあ。
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