(2011年9月20日配信)
第85回 『ニキビとタバコについて』
こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
『山口さんちのツトムくん』『だんご三兄弟』『ぼくはくま』といったら?
これらは、NHKの『みんなのうた』で取り上げられていた、私の特に記憶に残っている歌です。
子供の時は、意味も良くわからないまま、テレビを見ながら、大声を張り上げて歌っていました。
現在は、ニュースなどのつなぎ時間に時々見る程度ですが、ちょっとした心のオアシスになってくれています。
『みんなのうた』は、今年で放送50周年を迎えたそうです。幅広い世代に愛される番組として、これからも長く続いて欲しいですね。
そうそう長く続けるのは、とっても大切なことです。1日5分でも10分でも、ニキビケアに時間を割いてみましょう。まず3日、1週間、そして1ヶ月。半年、1年続けることができれば、その効果に驚く時が必ず来ます。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。
とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。
そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)
ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)
今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!
- (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
- (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
- (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
- (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。
これは私が皮膚科診療を21年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。
ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。
第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。
前回は、『エストロゲン作用を持つ食物』を工夫することで、ニキビ改善につなげる方法を考えました。
今回は、ちょっと趣きを変えて、ニキビとタバコについて考えてみました。
愛煙家の方にとって、最近のタバコを取り巻く環境は厳しさを増すばかりですね。
タバコは値上げされ、公共スペースでは原則禁煙となりました。喫煙所はあっても狭く、周囲から監視されているようです。
皮膚科を長くやっていると、タバコを吸っている患者さんは大体わかるようになってきました。声はガラガラ声で低め、皮膚も張りがなく、くすんだ感じで、実年齢より老けて見えます。高齢になると更にはっきりとしてきます。
皮膚科の外来では、タバコとの関係がある掌蹠膿庖症などを中心に、最近、禁煙している人が増えています。でも禁煙に成功した人は、全体の2割程度です。
ニキビ患者さんの場合はどうでしょうか? 大人の場合、難治な患者さんを中心に3割未満の方が愛煙家の様です。1日1箱以上のヘビースモーカーはさすがに少なくなりましたが、最も多いのが1日2~3本をやめることができない患者さんです。
タバコによるニキビの悪化について考えてみましょう。
1)タバコは皮膚の毛細血管を収縮させ血流を悪くします
タバコを吸うと皮膚の毛細血管が収縮して血の流れが悪くなります。吸収した栄養分が肌に十分行き渡らず、肌荒れが起きやすくなります。
2)タバコは体内のビタミンCを消耗し、ストレスに弱い体になります
タバコ1本で、体内のビタミンCが25mg~50mg消耗します。ビタミンCは、体内のコラーゲン生成に必要です。ビタミンC不足は、皮膚のターンオーバーを妨げ、ニキビは出来やすく、治りにくくなります。
また、ビタミンCは、ストレス対抗ホルモンである副腎皮質ホルモンの生成に必要です。ビタミンCが不足すると、ストレスに弱い体になってしまいます。
3)タバコは活性酸素を大量に発生させます
皮脂を酸化させ、ニキビを悪化させる活性酸素。タバコは、活性酸素を大量に生み出します。活性酸素は、お肌の老化を早めるばかりではなく、ガンや成人病も引き起こす、やっかいものです。
ニキビにとって、タバコはタブーです。肺癌や肺気腫など、命にかかわるような重大な病気にかかり、医師から指示されて初めて禁煙を試みる人も実際多いです。でもそれでは遅過ぎです。
ニキビくらいならいいじゃないと軽く考えずに、予防の観点からも、また今の健康を維持するためにも、タバコは吸わないのが一番です。
禁煙法と対策で何か良いものはないでしょうか? それは次回でお話しさせていただきます。
今回のポイントは以下の通りです。
【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その69」
『ニキビとタバコについて!』
- •皮膚科を長くやっていると、タバコを吸っている患者さんは大体わかるようになりました。
- •声はガラガラ声で低め、皮膚も張りがなく、くすんだ感じで、実年齢より老けて見えます。高齢になると更にはっきりします。
- •外来では、タバコとの関係がある掌蹠膿庖症などを中心に、禁煙する人が増加しています。成功者は、全体の2割程度です。
- •ニキビ患者さんでは、大人の場合、難治な患者さんを中心に3割未満の方が愛煙家です。
- •1日1箱以上のヘビースモーカーは少なく、最も多いのが1日2~3本をやめることができないニキビ患者さんです。
- •タバコによるニキビの悪化について考えてみました。
- •1)皮膚の毛細血管を収縮させ血流を悪くします
皮膚の毛細血管が収縮して血の流れが悪くなり、吸収した栄養分が肌に十分行き渡らず、肌荒れが起きやすくなります。 - •2)体内のビタミンCを消耗し、ストレスに弱い体になります
タバコ1本で、体内のビタミンCが25mg~50mg消耗。ビタミンC不足は、皮膚のターンオーバーを妨げ、ニキビは出来やすく、治りにくくなります。ストレス対抗ホルモンである副腎皮質ホルモンも減少し、ストレスに弱い体になります。 - •3)活性酸素を大量に発生させます
皮脂を酸化させ、ニキビを悪化させる活性酸素が大量に発生。お肌の老化を早めるばかりではなく、ガンや成人病も引き起こします。 - •ニキビくらいならいいじゃないと軽く考えずに、予防の観点からも、また今の健康を維持するためにも、タバコは吸わないのが一番です。
- •次回で、禁煙法と対策について考えます。
暑い夏ももう終わり。タバコを吸ってこの夏を振り返る。
昔のドラマや映画でよく見られた1シーンです。現在では様々な規制もあってほとんど見かけることはありません。
『百害あって一利なし』のタバコですが、『タバコ大好き!絶対やめたくない!』というニキビ患者さんが多いのも事実です。魔性の嗜好品ですね。
次回は、禁煙法やどうしてもやめられない方のための対策についてお話しさせていただきます。少しでもお役に立てるよう、いろいろ考えています。
それでは。
おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)