胡蝶蘭の病気の原因は何?

開店祝いや新築祝いなど様々なギフトシーンで贈られる胡蝶蘭ですが、心を込めて贈っていただいた胡蝶蘭を大切に育てていきたいという方も多いと思います。しかし、大切に育てていても病気にかかって元気がなくなってしまうことがあるかもしれません。では、胡蝶蘭がかかる病気にはどのようなものがあるのでしょうか?胡蝶蘭の病気の原因はさまざまですが「細菌(バクテリア)」「カビ(糸状菌)」「ウイルス」「害虫」によるものなどがあります。それぞれの原因による病気と症状、対処法を見ていきましょう。

細菌(バクテリア)による病気について

細菌による病気は大変進行が早く感染力も強いので、下記のような症状が葉の付け根付近まで進んでいる場合は、残念ながらほぼ回復は望めません。よって、胡蝶蘭を処分することになってしまう為、おかしいなと思ったら早めに対処しましょう。

軟腐病

葉に水に濡れたような斑点ができ、やがて淡褐色に変化し、非常に強い腐敗臭を放ちながら腐敗する病気です。腐敗部分は柔らかくブヨブヨしており、手で触れると組織が破れてたくさんの軟腐病細菌が入っている水が出てきます。細菌は撒いた水の中を泳いで拡散し、乾燥すると埃のように風に乗って飛び散ります。気温・湿度の高い夏に葉焼けで傷んだ傷口などから発病することが多いです。
まず、葉に小さな水に濡れた感じの斑点を見つけたら、消毒したハサミかカッターで大きめに切り取ります。その後、切り取った部分と周辺の株にバクテリアに有効な農薬、または台所塩素系殺菌剤(キッチンハイター等)の原液を塗布します。この病気は感染力がとても強い為、作業に使ったハサミやカッター、園芸道具、手袋等も消毒してから他の胡蝶蘭の作業をするようにしましょう。

  病気の被害を広げないためにもしっかりと消毒をしましょう

褐斑細菌病

軟腐病に似た症状で、葉に水に濡れたような淡褐色の斑点の発生から腐敗が進みます。バクテリアによるもので、高温多湿の環境下に置いていると病気があっという間に進行し、葉全体を腐敗させてしまいます。この病気にかかってしまったら、病変部分を大きめに切り取りましょう。対策としては軟腐病と同じ方法が有効と言われています。

カビ(糸状菌)による病気について

灰色カビ病(ボトリチス菌)

花にシミのような小さい褐色の斑点が発生し、放置しておくと成長に伴って斑点が大きくなり、灰色から緑灰色のカビが発生します。胡蝶蘭の栽培環境として低温多湿(気温18℃前後、湿度100%)の状態が続くことで、空気中に飛散している「ボトリチス菌」という胞子が一斉に発芽します。そして胡蝶蘭の組織内に入り込むことで成長を続け病気になります。病変を見つけたら該当部分を切り取り、湿度が低い場所に移動させて花や葉がすぐ乾く環境にしましょう。

この病気は胡蝶蘭の栽培環境を見直すことで予防ができます。多湿の時は除湿器やエアコンで室内湿度を下げ、カビの発症を防ぎましょう。春から秋の多湿な時に加湿器を使ったり、晴天時や暖房中以外に花への霧吹きを過度に行うことはカビを発生させる原因になるので避けましょう。

炭そ病

こちらは胡蝶蘭の葉に黒色の斑点が発生する病気です。最初は淡褐色の小さな斑点ですが、徐々に大きくなり色が濃くなってきます。
原因はカビ胞子の飛散によるものです。葉焼けなどで葉の組織が弱ると病原菌(糸状菌)が活動を始めます。

発病した場合は、症状があらわれた部分を周囲5ミリ程度大きく切除してから殺菌剤を塗布しましょう。

徐々に斑点が大きくなります。
周りを少し大きめに切除しましょう。

フザリューム立ち枯れ病

フザリューム菌による感染により、急速に葉が黄変、脱水状態になることで下葉から落ちていく病気です。茎や根に感染することもあります。株の一部に現れた場合、切除して植え替えが必要になります。

長時間水滴をためたり、蒸れたりしないように胡蝶蘭を置く環境に工夫する必要があります。
フザリューム菌に効果のある薬を塗布しましょう。

リゾクトニア菌による立ち枯れ病

リゾクトニア菌は根に感染します。根を調べて黒く腐った部分があれば、まずこの病気と考えます。十分な水をあげていても、根が病気に侵されているので葉に艶がなくなり枯れてしまいます。根腐れの原因のほとんどはリゾクトニア菌によるものです。

早い時期に腐った根を切り落として植替え、環境を整えることで回復する可能性はあります。初期症状では葉に特に変化がなく、黄変する前に萎れてしまいます。根に感染するのでなかなか気が付かずに手遅れしまうことも多くあります。湿気が残っているのに水を与え続けたり、風通しの悪い場所に置くと感染しやすくなります。日ごろから花や葉、茎など変わりがないか観察をするようにしましょう。

湿度と温度管理が大切です。水のあげ過ぎには注意しましょう。

ウイルスによる病気について

胡蝶蘭に感染する可能性のあるウイルスは30種類以上あると言われています。ウイルスを媒介する原因は様々で、昆虫や害虫、雑草や園芸用のハサミなどの道具や人の手から感染することもあります。

ウイルスによる病気は農薬などで完治することは難しく、病状がひどくなったお花(株)は処分するしかありません。その為、胡蝶蘭を育てる際にはウイルスを媒介する害虫などの駆除や、園芸用ハサミなどの消毒、胡蝶蘭に触れる際は手や手袋なども清潔に保つことが大切です。

害虫による被害について

菌やウイルス以外にも胡蝶蘭には害虫による被害もあります。そこで、害虫の中でも特に多い「カイガラムシ」「葉ダニ」についてご紹介いたします。

カイガラムシ

カイガラムシは一度発生してしまうと完全に駆除する事が難しい害虫の一つです。発生している部分を見つけたらその周囲にも必ずいるので、古歯ブラシや綿棒などでこすり落とし、カイガラムシに有効な殺虫剤による駆除を根気よく行う必要があります。カイガラムシは他の株に移りやすいので、健康な株とは離して管理するようにしましょう。

葉ダニ

発生すると葉の艶がなくなり全体的に弱々しい葉になります。葉の裏側を見ると「かすり状」になっていたり、白い斑点が見られます。放置すると葉が軽く巻いて、よじれることがあります。特に梅雨明け頃から急速に繁殖が盛んになり、夏の高温乾燥な環境下で被害が拡大することが多いです。殺ダニ剤を用いて駆除をしましょう。

まとめ

胡蝶蘭に関するたくさんの病気をご紹介しました。胡蝶蘭は管理方法に気をつけて育てれば、長く楽しめるお花です。温度と湿度の管理がまず大切です。例えばジメジメした風通しの悪い場所に置かない、水のあげ過ぎに注意することなどが挙げられます。また、胡蝶蘭を毎日観察するようにし、少しでも変化が見られたら早めの対処を行うことで病気の深刻化を防ぐことができます。

美しい花を長く楽しむために、可愛がって育ててくださいね。

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