あなたの口内炎は大丈夫?“危険な口内炎の見分け方”
繰り返しできる口内炎に悩む主婦…果たして、彼女を襲った病の正体とは?
※専門医の指導のもと実際の症例を参考に構成しています
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| 症状①「ふくらんだ口内炎」 ある日、口にビリッとした痛みが走り、覗いてみるとぷっくりとした米粒大の小さな口内炎ができていました。昔から疲れたり体調を壊した時に口内炎が出来ることがあったT・Yさんは、いつものようにビタミン剤を飲んで対処。 | ||
| 提供:岐阜大学名誉教授 木沢記念病院 院長 北島康雄先生 | ||
症状②「同じ場所に口内炎ができる」 | ||
| 提供:岐阜大学名誉教授 木沢記念病院 院長 北島康雄先生 | ||
| 症状③「口内炎が大きく広がる」 それからというもの、彼女は繰り返しあの口内炎に悩まされるように。そのペースは次第に速まり、2週間かけて治った口内炎が、1週間後にはぶりかえすことも。見れば、心なしか大きく、いびつな形になっていました。 | ||
| 提供:岐阜大学名誉教授 木沢記念病院 院長 北島康雄先生 | ||
| 症状④「胸焼け」 口内炎ができはじめて3か月後。なぜか胸のあたりがムカムカとして、食欲がわかないのです。 |
| 症例⑤「靴ずれ」 さらに、ひどい靴ずれも。ここに至ってようやく病院に行くことを考え始めたT・Yさん。 |
| 症状⑥「皮膚がただれる」 すると、首元に妙なかゆみを感じ、手で掻いてみると指先に何やら液体が。よく確かめてみると、首から胸にかけてひどくただれています。 |
| 症状⑦「半透明の物体を吐く」 さらに、夫が用意してくれた水を飲んだその時。見たこともない半透明の物体が口から出てきたのです。 |
病名:尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)
自己免疫疾患のひとつで、国から難病指定されている病。原因ははっきりとわかっていないが、ストレスや加齢が引き金になるといわれている。 | ||
| 提供:岐阜大学名誉教授 木沢記念病院 院長 北島康雄先生 | ||
この病を発症すると、本来なら細菌などから身体を守るはずのリンパ球に変化が起こり暴走、IgG(アイジージー)抗体という物質で全身の皮膚や粘膜を一斉に攻撃し始めます。 |
すると、壁のように何層にも重なった皮膚の細胞が崩れてしまい、そこに体液が進入、水ぶくれやただれが起きてしまいます。 |
このIgG抗体の攻撃を最初に受けやすいのが、口の中。あの口内炎が病のサインだったのです。
何故、真っ先に口の中に症状が出るのか?
私たちの皮膚の細胞同士は、2種類の接着物質でつながっています。そして、この病には、その内1種類を攻撃する特性があるのです。ところが、口の粘膜の接着物質は1種類だけ。それも、攻撃目標となる接着物質だけなのです。そのため天疱瘡になると、真っ先に口内炎が出来てしまうのです。
その後、T・Yさんの抗体の暴走は次第に激化。食道の粘膜が攻撃されて胸焼けが発生し、靴ずれや皮膚のただれ…と、全身に症状が及んでいきました。そして、広範囲にただれた食道粘膜がはがれてしまい、それを口から吐き出してしまったのです。この病で最も重要なのは、早期発見。特に、口内炎が短期間で繰り返すようになったら、迷わず皮膚科などを受診することが大切。そうすれば、病をコントロールし、重症化を防ぐことができるのです。
T・Yさんの場合、口内炎を見過ごしたことで病がかなり進行してしまいましたが、現在は、専門医の治療を受け、徐々に回復に向かっているといいます。
【名医が解説!】普通の口内炎と危険な口内炎の見分け方
岐阜大学名誉教授 |
普通の口内炎 |
これは、「アフタ性口内炎」と呼ばれる普通の口内炎。特徴は少しくぼんだ状態になることで、大きさは5ミリ前後。1度できると1週間~10日程度で治ります。大きさが広がらないようであれば問題ありません。 | ||
提供:岩手医科大学歯学部 歯科口腔外科学分野 杉山芳樹先生 | ||
[ポイント] |
天疱瘡の口内炎 |
特徴は、白く水ぶくれのように膨らむこと。最初の頃の大きさは数ミリほどで、普通の口内炎と区別がつきにくくなっています。 | ||
| 提供:岐阜大学名誉教授 木沢記念病院 院長 北島康雄先生 | ||
天疱瘡の口内炎が進んでいくと、水ぶくれがつぶれ、口内炎同士がくっついて、地図状にどんどん大きくなっていきます。通常の口内炎ではこうなりません。
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| 提供:岐阜大学名誉教授 木沢記念病院 院長 北島康雄先生 | ||
[ポイント] |
Q:なりやすい人はいる?
A:統計によれば40代~50代以上の方が多く、女性に多い傾向があります。
<他にもある!口内炎がサインになっている病気>
これは下唇にできた口内炎ですが、特徴は大きさです。この口内炎は1センチ以上になることが多く、へこんでいて痛みもあります。唇の内側や舌の先、口の中などにできます。普通の口内炎はこのように大きくなることはありません。 | ||
| 提供:聖路加国際病院 皮膚科 衛藤光先生 | ||
この口内炎を放っておくと…「失明」の可能性あり
「ベーチェット病」という病の疑いがあります。
ベーチェット病とは原因不明の自己免疫疾患で、本来は自分を守るはずの免疫が暴走し、皮膚、関節、血管など様々な臓器の組織を攻撃。進行すると失明に至る病です。ベーチェット病になると、血液中の白血球が過剰反応するようになるため、歯があたって出来たわずかな傷でもこうした口内炎に発展してしまうことが多く、治りにくいのが特徴です。
1センチ程度の口内炎が1週間以上治らない場合には、すぐに皮膚科や口腔外科で診察を受けることをお勧めします。
危険な病のサインとなる口内炎②
3ミリぐらいまでの小さな口内炎が一箇所に集まって同時にできるのがこの病の特徴です。1度口内炎ができると1週間~10日程度で治りますが、また1ヶ月程で複数の口内炎ができてしまいます。 | ||
| 提供:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 口腔顎顔面外科学分野 佐々木朗先生 | ||
この口内炎を放っておくと…「血液のガン」の可能性あり
「悪性リンパ腫」「白血病」などの場合、こういった口内炎ができる場合があります。
「悪性リンパ腫」「白血病」になると免疫力が低下するため、体内に潜んでいたウイルスが増加して口内炎を発症します。口内炎の原因は、「ヘルペスウイルス」。
ヘルペスウイルスは、日本人なら20歳以下の3分の1、20歳を超えると70%程度が感染していると考えられるウイルスで、免疫力が落ちると神経の集まる唇などにその症状が出ます。このような口内炎が短期間で繰り返すと、免疫力を低下させる悪性リンパ腫など重い病が隠されていることがあります。その他、白血病やガン、糖尿病などの可能性もあるので注意が必要です。
数ヶ月に1回程度であれば問題ありませんが、月に2、3回ほど繰り返すようであれば、すぐに皮膚科や口腔外科を受診されることをお勧めします。