正常な妊娠、出産に重要なデータといえば基礎体温と適正体重。この2つは妊娠を意識した時期からきちんと測定し自己管理することで、その後の母体作りにも大きく影響してきます。
例えば、医師に「妊娠」と判断されてから発行される母子健康手帳。じつはこの母子健康手帳にも『妊娠しやすい体作り』のヒントがありました。それが“体重管理”です。母体の体重測定を行うことで増減にみられる危険な症状(合併症)を回避し、医師や助産師からの指導の下、安全な出産へと備えます。
妊娠後に問題要因となるものは出来るだけ妊娠する前から取り除いておき、また妊娠への妨げになりそうな要因もなるべく改善しておくことが重要です。その中の一つとして、今回は体重管理=適正体重を特集しました。
今回監修頂いたのは
日本肥満予防健康協会の理事長として
【肥満予防健康管理士】【JAMアンチエイジングアドバイザー】
の資格制度の普及活動。
現在全国で20教室運営他にダイエット教室を開設。
ダイエット、メタボ、アンチエイジングに関する講演を全国的に行う。
日本肥満予防健康協会 理事長
日本アンチエイジングメディカル協会 理事
日本肥満学会 会員/日本抗加齢学会 会員
日本補完代替医療学会 会員/企業福祉、共済総合研究所 理事
中国・肥満予防研究室 室長(北京大学)
国際薬膳協会 専務理事/医療法人 拓誠会 顧問
(株)GRS免疫研究所 顧問
日本人の体型には3種類の遺伝子、リンゴ型・洋ナシ型・バナナ型のどれかを持っているといわれています。
それぞれのタイプ(型)によって外見や脂肪のつき方などが違い、それにともなって妊娠への影響やダイエット法も変わってきます。
特に注意していただきたいタイプがリンゴタイプ(内臓脂肪型肥満)の方。最近で言うところのメタボリック症候群や生活習慣病もこのタイプに多く、同じく妊娠・出産時にも問題になりやすいといわれています。
ですが、どうぞご安心を!ダイエット効果が出やすいのもこのリンゴタイプ。洋ナシタイプ(皮下脂肪型肥満)よりも効果を実感しやすいのだとか・・・!とはいえ、妊娠しやすい体になるため、過度なダイエットや無理な食事制限等は絶対に禁物です。あくまでも・・・
この3つを念頭におきましょう。肥満や痩せすぎを解消することで、「以前は、排卵誘発剤等を使用しても排卵しなかったのにすぐに反応した。」「月経不順だったのが規則的になった。」「体外受精前にダイエット治療をしたら自然妊娠した。」などの実例が産婦人科であがっているといいます。適正体重を保つことは妊娠しやすい体への大きな1歩なんですね。
脂肪の蓄積場所は脂肪の種類によって変わってきます。食物から摂取された脂肪や炭水化物(糖質)、アルコールが体脂肪の元となり、体動力に必要なエネルギー以外のカロリーは中性脂肪の元となります。あなたの脂肪がどこからやってきたものかよく知るため、よく目につく場所に食べたものを書き出し、偏りや傾向を知りましょう。
●1日1回は魚(煮干しなどでもOK!)を食べましょう
●植物油は中性脂肪を上げにくい特定保健用食品の油やオリーブオイルも使ってみましょう!ついでにパンにつけるバターやマーガリンも見直してみよう!
●豆、海草、根菜類などの繊維質の多いものを食べ、腸内環境を良くしましょう!
●大根やぬめりのあるサトイモ、長いも、なめこ、オクラなどで消化酵素の多い食品をとり消化をサポートしよう!
●緑茶、プーアール茶、赤ワインなどからポリフェノールをとり、コレステロール値、中性脂肪値を下げましょう!
ところで、最近体重計に乗っていますか?一般的に痩せすぎは、排卵障害、月経不順を起こす原因といわれがちですが、最近では肥満も大きな原因の一つと考えられ、排卵が起こりにくくなる、月経が起こりにくくなるというメカニズムがはっきりしてきています。これらは「痩せすぎや肥満が妊娠しにくくなる」ということではなく、「体が必要なホルモンは、適正体重であれば正常に分泌されやすい環境になる」ということ、つまりより妊娠しやすい体になるということなのです。
では、その適正体重とはどのようにして測定できるものなのでしょうか?
肥満や痩せすぎとは単に標準より体重が多い、少ないというわけではなく、体脂肪が体内に過剰に増減した状態をいいます。この蓄積した体脂肪量(kg)が体重1kgあたりどれくらいあるかを%で表したものが体脂肪率です。体脂肪率の計測と並び、現体重が健康に過ごせるものかどうかの指標となる数値をBMI(Body mass Index)といいます。
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農林水産省のHPでは、アナタの身長・体重を入力するだけで簡単にBMIを計算するページを紹介しています。
結果に応じて簡単なアドバイスも表示されるので、ぜひチェックしてみて☆
肥満・やせの程度をチェック(農林水産省HPへ)
標準は、BMI18.5~25で、理想は22です。男女それぞれ妊娠に影響する数値がでており、特に女性についてはBMI24~25で妊娠しにくい倍率が1.5倍、BMI30を超えると2.3倍以上に上がるといわれています。あくまで大まかな目安でしかありませんが、ぜひ参考にしてみてください。また必要なエネルギー量は個人差によって違いはあるものの、成人男性で平均2000~2300kcal、成人女性で平1800~2000kcalといわれています。適正な体重管理のためにも覚えておきたい数値です!
妊娠しやすい体作りというと、妊娠することが最終目的となりがちですが、その後に続く妊娠生活や出産でのリスクを軽減し、安心・安全な出産・子育てにつながります。では肥満、痩せすぎにはどのようなリスクがあるのでしょう?
妊娠~出産においてリスクが高く、特に妊娠中においては妊娠中毒症や高血圧、妊娠糖尿病を高率で発症します。妊娠前においては、ホルモン環境が乱れやすく、これによって卵胞の育ちが鈍くなり排卵障害を引き起こしやすくなります。また子宮環境については、肥満により高エストロゲン状態になっている場合、着床環境にも問題が出てきます。高エストロゲン状態は子宮内膜症、子宮筋腫の増殖因子でこれらの病気は出産回数の少ない人に多い傾向があります。
月経不順、排卵障害ということは、視床下部下垂体が卵巣に対する働きかけを弱めてしまったということ。つまり赤ちゃんを育てられるだけの環境が弱まってしまったことになります。また着床環境も十分な酸素と栄養を送れず良い環境が出来にくくなりますので十分な注意が必要です。
いずれの症状は女性の体内機能の一環であり、自分の命を守るための一つの方法として、排卵をストップさせる、ホルモンのバランスが崩れてしまう、体への負担を軽減させる手段と考えられています。こういった症状は「あなたの命を守るだけで精一杯なのよ!」というサインなのかもしれません。
肥満、痩せすぎであるということは「妊娠したい!」と願いながらも、じつは妊娠から遠ざかってしまっている状況なのかもしれません。適正体重でいるということは、生活習慣病の予防にもなりますし、妊娠だけのための体作りでなく、何よりも気持ちのいい毎日を送ることができます。さぁ、この特集を読んだアナタ!さっそく適正体重でバランスの取れた体作り、はじめてみませんか?
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