「ブラシで髪を整えるとフケが落ちる」「頭皮がカサカサする、またはベタベタする」「頭皮がかゆい」など、頭皮(地肌)のトラブルを感じたことはありませんか?
中には、どのように人に相談すればいいかわからず、ひとりで苦しんでいる方もいるかもしれません。
日本人の抱える地肌トラブルの中で、フケやかゆみが最も大きな悩みのひとつです。実に女性の86%、男性の87%がこのような地肌トラブルを経験したことがある」と答えています。(2013年 P&G調べ)(出典:髪と地肌ラボ「フケの原因と対策は?」)
頭皮のトラブルを正しくケアしていくため、フケが起こるメカニズムと対策をご紹介します。
フケは頭皮の環境が乱れると起こる
頭皮は皮脂の分泌が盛んな部位です。頭皮には皮脂や汗などを餌にする「マラセチア菌」と呼ばれる皮膚の常在菌(じょうざいきん)がいて、悪い菌の増殖や感染を防いだり、肌の新陳代謝を促進させたりしながら、頭皮の健康を守ってくれています。
フケが出る要因には、地肌の「皮脂」、誰の地肌にも存在する「常在菌(マラセチア菌)」、人によって違う「肌質」の関係があげられます。これら3つのバランスが崩れると地肌のターンオーバーのリズムが早まり、フケが出やすくなります(出典:髪と地肌ラボ「フケの原因と対策は?」)
「肌質」「常在菌(マラセチア菌)」「皮脂」の3つのバランスが崩れた状態とは、動物の生態系を思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。肉食動物が増えすぎれば草食動物は少なくなり、草食動物が増えすぎれば食べるための草がなくなり、バランスが崩れた生態系の中で動物は飢餓状態に陥っていきますよね。
それと同じで、この3つはどれか1つが多すぎたり、少なすぎたりすれば頭皮の環境が変わり、頭皮トラブルを引き起こしていくのです。
頭皮の上では、例えばストレスや生活習慣の乱れにより皮脂が異常分泌された場合、皮脂を餌にしている常在菌が大量発生し、ターンオーバーを促す脂肪酸がたくさんつくられます。するとターンオーバーが早まり、本来28日周期で生まれ変わるはずの肌が、4~21日という早さで生まれ変わっていきます。
まだ肌として出来上がっていない未熟な細胞が剥がれ落ちた状態。それがフケなのです。
肌質に合ったケアがフケを防ぐ
3つのバランスの中の「肌質」が、実は一番やっかいな相手。肌質に合った対策をしないと頭皮のバランスは崩れ、トラブルをケアしたはずが、逆にトラブルを増長させてしまう危険があるのです。
乾燥した頭皮とフケ
洗いすぎや洗浄成分が強すぎるシャンプーによって乾燥した頭皮は、本来必要な皮脂が不足しているため潤いがありません。乾燥した頭皮は免疫力が低く、早すぎるターンオーバーのせいで、未熟な角質細胞まで剥がれ落ちていきます。
シャンプーの洗浄成分を見直し、「洗髪は1日1回」「指の腹でなでるようにやさしく洗う」など、頭皮をいたわる洗い方をしていきましょう。
ベタついた頭皮とフケ
洗髪不足が原因のベタついた頭皮は、皮脂が多く、マラセチア菌の増殖を促します。刺激によってターンオーバーが乱れた頭皮には、大量のフケが発生。頭皮に残った皮脂は酸化し、ほこりや汚れを吸着しながら古い角質と混ざり合い、ベトベトしたフケを引き起こします。
まずは、丁寧に頭皮をマッサージしながら洗う習慣をつけていきましょう。ただし、頭皮がベタついている原因にはさまざまな理由があり、洗えていないことが原因とは限りません。トラブルが改善されない場合は、医師の診断を仰いでくださいね。
フケ対策には頭皮トラブル用のシャンプーが効果的
フケの原因は体質によるもので、対策が難しいものだと思われがちです。しかし、フケの改善にはやさしい洗浄成分のアミノ酸系シャンプーや有効成分の入った薬用シャンプーが大きな助けになると専門家たちは言います。
かゆみや炎症を伴うフケには薬用シャンプーを使うのも良いでしょう。例えばジンクピリチオンや二硫化セレンと言った成分は抗菌、抗炎症作用があり、かゆみや炎症を伴うフケ対策には効果があります。
頭皮は非常に薄くデリケートな肌です。髪の毛の仕上がりや香りだけでシャンプーを選ぶと、髪には合っても頭皮には合わない可能性があります。自分の肌質に合うシャンプーを使うことが、フケを予防する一番の近道なのです。
皮膚の無菌状態をめざすと、すこやかで美しい肌は遠のく!?
「フケ=不衛生」というイメージを抱く人は多いでしょう。たしかにフケの原因は、カビの仲間ともいわれる常在菌・マラセチア菌が作っています。ですが、それは「不衛生だから菌が増えてフケになった」のではなく、「清潔でいようとしすぎて、菌を減らしてしまったことが原因でフケを起こした」場合が少なくありません。
皮膚には、マラセチア菌や表皮ブドウ球菌、アクネ菌、真菌(カビ、酵母)など約20~30種類の雑菌類の「皮膚常在菌」が存在し、それぞれの役割を果たしながら、バランスを取って共生しています。
菌には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類があり、善玉菌の働きが優勢になると「日和見菌」が善玉菌化し、逆に悪玉菌の働きが優勢になると「日和見菌」は悪玉菌化する性質があります。
善玉菌は肌の保湿や外部の刺激から肌を守り、悪玉菌は肌を乾燥させ、ニキビや吹き出物を出やすくさせる菌のこと。しかし、肌を清潔にしすぎると、悪玉菌と善玉菌どちらも落としすぎてしまい、結果的に善玉菌によって抑えられていた悪玉菌の働きを活発化させてしまうことになるのです。
日本人にとって、「洗うこと」は清潔感の代名詞ともいえます。ところが、その意識が、肌の表面にいる常在菌の減少とバリア機能低下を促し、フケの発生、皮膚の炎症やアレルギー疾患などにつながっていたのですね。
女性が求める美しさを手に入れるためには、常在菌の存在が必要不可欠。フケを防止するためだけでなく、美肌づくりのためにも「肌にやさしい洗浄成分」の入ったシャンプーやボディーソープを使い、「お肌にやさしい洗い方」や「頭皮をいたわる洗い方」を心がけていきましょう。
参考記事
-
牧野絵美
音楽、芸術、書道と幼いころから“創る物”に没頭してきたインドア派。和の心をこよなく愛し、海外在住中も着物と書道具を肌身離さず持ち歩いた。就職とともに仕事の楽しさに目覚めるも、サービス業の鬼になってやろうと上ばかり見て躓くこと数えきれず。縁あって小説を出版し、創ること、生み出すことに満たされる自分を再確認した。美しさと健康の原点は、生きたい自分を生きることと信じ、鋭意執筆中。
牧野絵美の記事一覧
-
-
もの
時代小説家で江戸料理・文化研究家の車浮代さんが愛す、手仕事の美しい和小物3選
2016.05.20
-
-
-
お役立ち
江戸時代から続く知恵に学ぶ!本当の美しさは「味噌養生」にアリ
2016.05.18
-
-
-
お役立ち
顔の皮膚より薄い頭皮をケア!健やかな頭皮が美髪を育てる理由
2016.04.22
-
-
-
場所
大人の女性の上質な旅にピッタリ。「今西家書院」と日本酒「春鹿」で古都・奈良を知る
2016.01.17
-
-
-
食べる
日本酒初心者の女性におすすめ!奈良の老舗酒蔵「春鹿 今西清兵衛商店」が選ぶ究極の3本
2016.01.11
-
おすすめ記事
-
-
コラム
【連載】すこやかな髪に必要なのは、引き算と自分のチカラ|すこやかに生きるということ⑩
2016.06. 3
-
-
-
お役立ち
自然由来の香りがカギ!アレルギー防止&快眠には今すぐ屋久島の地杉の香りを取り入れて
2016.05. 8
-
-
-
お役立ち
頭皮ケアのキーワードは「アミノ酸」。美髪を育てるアミノ酸シャンプーのすすめ
2016.04.27
-
-
-
お役立ち
顔の皮膚より薄い頭皮をケア!健やかな頭皮が美髪を育てる理由
2016.04.22
-