ほくろの基礎知識

ほくろは、メラニン色素を含むメラノサイトからできています。小さなものから直径数cmもあるもの、表面が平らなものや盛り上がったもの、中には毛が生えているものもあります。しかし、多くの人には必ずいくつかのほくろはあるはず。生まれたときからあるものや知らない間にできている場合もあります。ほくろの多くは、幼児期から思春期にかけて増えますが、大人になってもポツリポツリとほくろができるという人もいます。また、女性の場合はホルモンの分泌にもより変化します。

ほくろの種類

ほくろには「単純黒子」「色素性母斑」と大きく分けて2種類あります。
一般的にほくろと呼んでいるのが「色素性母斑」です。別名「母斑細胞性母斑」とも呼ばれ、メラニンを作り出す能力がある母斑細胞が増殖し、徐々に盛り上がってくるほくろです。

また、ほくろの深さによって、「境界型」「複合型」「真皮内型」に分類できます。
「境界型」のほくろは、表皮の浅い部分や真皮との境界部分に母斑細胞が増えてできます。紫外線の影響を受けやすいため、大きくなったり数が増える可能性もあります。「複合型」は、境界線を越え真皮の奥まで母斑細胞が広がったタイプのほくろです。一度できると消えることがないので、紫外線対策をしっかりとしてメラニンの生成を抑える必要があります。「真皮内型」は、真皮の中だけに母斑細胞があるほくろで、「複合型」や「境界型」が変化したものだと言われています。

また、1~5mm前後の赤いほくろは「老人性血管腫」と呼ばれ、年齢を重ねることで増えてくるほくろです。さらに、通常のほくろよりも色が濃く青みを帯びているほくろは「青色母斑」と呼ばれています。このようにほくろには色々な種類があり、色や大きさがそれぞれ違います。

ほくろの原因

ほくろは漢字で「黒子」と書くように、メラニン色素を産み出す母斑細胞が皮膚の中に集中するため黒く見えます。また、集中する場所が皮膚の奥だと、色が青みがかった「青色母斑」となります。

ほくろには先天性のものと後天性のものがあり、先天性は遺伝子によるもので思春期ぐらいまでにでき、後天性はそれ以降にできたものとされています。

その原因には、大きく分けて2つあります。一般的に知られているのが「紫外線」です。紫外線を浴びると細胞が傷つくのを防ぐため、メラノサイトはメラニンを作り出し紫外線を吸収します。
夏場に日焼けをしても、新陳代謝が活発で肌サイクルが正常に働いていれば、肌は元の状態に戻ります。
ところが、紫外線を浴びる量が多過ぎたり、最近ではオゾン層の破壊により有害紫外線が降り注ぐようになったため、肌へのダメージが大きくなり皮膚ガンの患者数も増えてきています。

「外部刺激」によってできるほくろ

さらに、紫外線以外にも「外部刺激」によりほくろができることがあります。キツイ下着や靴などで皮膚が頻繁にこすれたり、仕事などでカラダの同じ部分に常に熱や重量がかかっていたりなど、こすれたり圧迫されたりすることで細胞が傷ついてしまうためです。

「ストレス」も原因の一つ

過剰なストレスにより、ホルモンバランスを崩した結果、ほくろができることもあります。ほくろは基本的に良性の皮膚病とされていますが、中には皮膚ガンやメラノーマといった重大な病気が隠れていることもあります。
見た目ではほくろと区別しずらいため、発見が遅れることもありますので、ほくろの大きさや形など「ほくろと病気の関係」のページを参考にし、該当する症状がある場合には早目に診察を受けるようにしましょう。

ほくろのできる場所

一番多くできる場所は「顔」

ほくろのできる場所はカラダの中では顔が一番多く、できる場所やほくろの大きさ、数により悩みを抱えている人も多くいます。たとえ小さなほくろでも、顔に数多くあれば気になりますし、鼻の上下などの目立つところに大きなほくろがあればコンプレックスにもなります。男性の中には、鼻の下やアゴのラインに盛り上がったほくろがあり、髭を剃るときに不自由を感じている人もいます。子どもの頃にほくろがあっても、成長するにしたがって消えてしまうケースもありますが、気になるようなら切除手術できれいに取り除くことも可能です。

「足」にできるほくろ

気になるのは足の裏のほくろです。よく足の裏にほくろがあるとよくないと言います。では、なぜ足の裏のほくろがいけないのでしょうか?
ほくろは刺激を与えすぎるとガン化する可能性があります。足の裏は歩くときにどうしても刺激が加わりますので、顔や手、背中などにできるほくろよりガン化しやすいのです。
しかし、実際には足の裏のほくろがガン化するのは10人に1人だと言われています。もちろん、他の場所よりもガン化しやすいのは事実ですので、足の裏にほくろを発見して皮膚科で受診したら、経過観察で終わることもあります。
ただし、足の裏は紫外線に当たりにくい場所ですので、本来はほくろができにくい場所ということにもなりますが、足の裏にほくろを発見したら早目に受診をしたほうが賢明かもしれません。また、足の裏のほくろが悪性化するのは中年期以降とも言われています。

「舌」や「爪」にできるほくろ

また、稀にですが舌や爪にもほくろができることがあります。舌のほくろはガンになりやすいため注意が必要です。舌の場合、皮膚にできたほくろと違い美容外科では治療ができないため口腔外科での対応となります。

ほくろの予防

ほくろには遺伝による先天性のものと後天性のものがあります。
最新医療により、できてしまったほくろを除去することは可能ですが、大切なのはほくろができないように予防することです。ほくろは、紫外線や外部刺激が原因となり、メラニン色素を産み出す母斑細胞が増殖してできますので、紫外線と外部刺激に気をつけることが重要となります。

「紫外線」対策

メラニン色素を産み出さないための予防法として、紫外線対策は欠かせません。背中や太もも、二の腕など、普段は洋服で隠れている部分なので、紫外線の影響を受けることは少ないものの、夏場はとくに肌の露出が多くなりますので注意が必要です。
ところで、紫外線対策は何月頃から必要だと思いますか?多くの方は日差しが強くなる5月頃からと考えています。しかし、3月頃から徐々に紫外線は強くなりはじめ、肌に影響を与えているのです。また、曇の日でも、晴天のときの約6割の紫外線が降り注いでいますので、油断は禁物です。
1日の中では午前10時~午後2時頃が一番紫外線が強くなりますので、外出のときには、日焼け止めクリームやローションなどでしっかりとUV対策をしましょう。
またスキンケアだけでなく、黒や紺などの濃い色の服は紫外線を通しにくいため、なるべく肌の露出が少なく濃い色のデザインのものを選んだり、日差しの強いときは帽子や日傘も活用しましょう。また、目の周りの皮膚はカラダの中でもとくに薄く、紫外線のダメージを受けやすいので、UVカットされたサングラスなどをかけるのもオススメです。

「外部刺激」対策

外部刺激の場合は、キツイ下着や靴などで皮膚が頻繁にこすれたり、仕事などでいつもカラダの同じ場所に、熱や重量などの圧力がかかることでほくろができやすくなります。注意しましょう。

高須のほくろ治療

これまで多くの女性のリクエストに応えてきた高須クリニックが、きめ細かなカウンセリングと確かな技術で応えます。

    ※効果には個人差があります。