ホルモンバランスの乱れ
よく男性ホルモンや女性ホルモンという言葉を耳にすると思いますが、そもそもホルモンとは何でしょう?
ホルモンは体の中で作られます。視床下部や生殖器など体の中のいろんな内分泌器官で作られ、血液に乗って運ばれ、体組織に変化を起こさせます。
例えば、男性ホルモンは体に筋肉がつくよう働きかけたりして男性らしい体を作ります。女性ホルモンは胸を膨らませるなど、女性らしい体を作ります。成長ホルモンは体を成長させるよう働きます。
そして、痩せるホルモン、太るホルモンも存在します。
ホルモンバランスが乱れると太る理由
ホルモンの種類は多く、現在では100種類以上が確認されています。その中には、痩せるように働くホルモンと、太るように働くホルモンがあります。
特に女性はよくご存じだと思いますが、生理の周期でホルモンバランスが異なり、太りやすい時期、痩せやすい時期があります。
このような痩せるホルモン、太るホルモンの分泌量が乱れると、肥満にもつながりますし、上手に痩せることにもつながります。
エストロゲンと、プロゲステロン
女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」は、女性の生理が終わってからから約7日間、排卵前までに分泌が増加し、生理前には分泌量が低下します。
- 「インスリン」の分泌量を抑えることで糖の吸収を緩やかにし、血糖を脂肪として溜め込もうとする事を抑えます。
- 内臓脂肪の分解を促します。
- また、エストロゲンは心と体の調子をアップしてくれるのでエネルギッシュに動くことができ、脂肪の燃焼に貢献してくれます。
- 脳内ホルモン「ドーパミン」の分泌を促します。
一方、排卵日の前後に分泌が増加する女性ホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」は、
- 心身ともに不安定にさせ、エネルギーの消費に向いていない体になります。
- 自律神経のバランスを乱します。
- 食欲が増し、特に甘いものが欲しくなります。
- 水分を溜め込むので、むくみやすくなります。
- 大腸の蠕動運動を低下させるので、便秘になりやすくなります。
インスリンとグルカゴン
「インスリン」は血糖値を下げるよう働くホルモンです。食事などで糖質を摂って、血液中にブドウ糖(グルコース)が増えた状態、つまり血糖値が高い状態になると分泌されます。
- インスリンはまず、血液中のブドウ糖(グルコース)をグリコーゲンとして体内に溜め込みます。
- グリコーゲンに貯蔵庫はすぐにいっぱいになり、すると今度は糖を脂肪に変え、体脂肪として蓄えます。
「グルカゴン」はインスリンとは逆に、血糖値が下がったときに分泌されます。また、遊離脂肪酸(血液中の脂肪)が多いときには抑制されます。
- グルカゴンはグリコーゲンとして蓄えられていた糖を、再びブドウ糖(グルコース)として血中に放出し、血糖値を上げようとします。
- また体脂肪の分解も促進し、体脂肪(中性脂肪)を遊離脂肪酸として血液中に放出します。
コルチゾール
ストレスを感じると副腎皮質から分泌されるホルモン「コルチゾール」は、体を太らせる様々な働きをします。
- 食欲を抑える脳内ホルモン「セロトニン」を減少させ、食欲を湧かせます。
- 筋肉を作る「成長ホルモン」の分泌を抑制するので、筋肉量が減少し、太りやすい体に。
- 血糖を抑えるホルモン「インスリン」の働きを阻害します。するとインスリンが過剰に分泌され、結果的には脂肪の溜め込み量が増加してしまいます。
- 痩せるホルモン「エストロゲン」の分泌を抑えてしまいます。
GLP-1と、ペプチドYY(PYY)
小腸の粘膜から分泌される「GLP-1」は、
- 食べたものを胃から腸へ送られる速度を緩やかにします。すると糖の吸収速度も緩やかになるので、血糖値の急上昇を抑えられます。その結果、糖が脂肪に変わるのを抑制できるというわけです。
- 血糖に応じてインスリンの分泌を調節します。
- 満腹中枢を刺激して、食欲を抑えます。
ペプチドYY(PYY)もまた、満腹中枢を刺激して食欲を抑えてくれます。
アドレナリンと、ノルアドレナリン
副腎髄質から分泌される「アドレナリン」は、喜怒哀楽といった感情が高まったときや、恐怖や不安を感じたときに分泌されるホルモンです。
- アドレナリンは血糖が少なくなると肝臓に蓄えられている「糖」を血液中に放出し、血糖値を一定に保つ働きをします。人は血糖値が下がると空腹を感じ摂食行動、つまり食べることをします。アドレナリンが不足すると食欲が出てしまうのです。
- またアドレナリンは体脂肪の分解を促進して、脂肪を燃焼しやすい状態にします。
脳内ホルモンの「ノルアドレナリン」は目を覚まして起きているときに分泌されるホルモンで、覚醒作用を持ちます。頭を働かせ、意識を保つための作用をします。特に怒りによる興奮状態のときに分泌され、「怒りのホルモン」とも呼ばれます。
ノルアドレナリンは集中力や判断力を高めたり、やる気を起こさせたりします。不足するとその逆で、集中力や判断力が低下し、無気力や無関心な状態になります。
- ノルアドレナリンは体脂肪(白色脂肪細胞)の分解を促進し、燃焼されやすい状態にします。
- また、褐色脂肪細胞にも働きかけて、分解されて血液中に放出された脂肪を燃焼させます。
ドーパミン
- 脳内ホルモン「ドーパミン」は、やる気を起こさせるホルモンです。ドーパミンが出ているときはエネルギッシュに動こうという意欲が湧いてきます。
- また、ドーパミンは快感物質とも呼ばれ、分泌されると興奮し快感を得ることができます。人は快感を求める生き物ですから、快感が足りないと簡単に快感を得るために「食べる」ということをします。つまりドーパミンの分泌量が少ないと食欲が増してしまうのです。
- エストロゲンが多いときは分泌されやすく、またドーパミンによってもエストロゲンが分泌されやすくなります。
セロトニン
脳内ホルモン「セロトニン」は幸せホルモンとも呼ばれ、精神を安定させる働きをします。
ドーパミンやノルアドレナリンのような興奮物質が過剰分泌されたときに、これを抑制します。つまり、心のバランスをとるのがセロトニンの役目です。余談ですが、「キレ」たり、「うつ病」担ったりするのはこのセロトニンが不足していることも深く関係しているといわれています。
- セロトニンが十分にあるときはノンレム睡眠、つまり深い眠りができるようになり、ぐっすりと体を休ませることができます。すると翌日はエネルギッシュに運動して脂肪を燃焼することができるというわけです。
- セロトニンが不足するとストレスに弱くなります。人はストレスを感じると必要が無いのに食べてしまいます。この偽物の食欲を抑えるのも、セロトニンの役割です。
ホルモンの分泌が乱れる原因
私たちの体の機能は全てが繋がっていて、全てがスムーズに機能しています。少しくらい無茶をしても、その流れを正常に戻す働きをしてくれますが、その無茶が慢性化するとスムーズに動いていた体機能の歯車が狂い始めます。
例えば、慢性的にストレスが溜まっているせいで○○ホルモンが増加。その結果△△ホルモンが減少し、体に悪しき変調がもたらされる。すると今度は□□ホルモンの分泌量が増え…という具合です。
ホルモンは常に安定して、また必要に応じて分泌されます。しかし食べ過ぎやストレス、運動不足や睡眠不足など、他にも様々な要因でそのバランスが崩れてしまうこともあります。心当たりのある方は少しずつでも良いので、まずできることから初めてみてはいかがでしょうか?