花粉症などのアレルギー性症状の緩和改善に
花粉症の緩和などアレルギー対策に役立つとして近年人気が出ているネトル。アレルギー抑制以外にも、栄養価が豊富で貧血の改善や血行促進・抗ストレス(精神安定)、むくみの解消やダイエットなどにも役立つと考えられている、現在人に嬉しいハーブです。
ネトル(イラクサ)について
基本データ
- 通称
- ネトル(Nettle)
- 学名
- Urtica dioica
- 別名
- セイヨウイラクサ(西洋刺草)、スティンギング・ネトル(Stinging nettle)、苛草、蕁麻
- 花言葉
- 中傷、残酷さ、根拠のない噂
- 誕生花
- 3月10日
- 科名/種類
- イラクサ科/多年草
- 使用部位
- 成熟した種子
- 代表効果
- 抗アレルギー、血行促進、収れん、浄血、造血、利尿、通乳、鎮痙、男性ホルモン分泌促進
- こんな時に
- 花粉症、アレルギー、貧血、血行不良、月経過多、前立腺肥大、不眠、肌荒れ、エイジングケア、肥満予防、むくみ
- おすすめ利用法
- ハーブティー、ハーブチンキ、浸出油、手作り化粧品
- ハーブティーの味
- 緑茶の様な味と香りだが、やや青臭い
植物紹介
ネトルはイラクサ科イラクサ属の植物の総称ですが、ハーブなどの話題ではネトルと言うとセイヨウイラクサ(スティンギング・ネトル)を指すのが一般的です。
日本に自生しているイラクサ(Urtica thunbergiana)や、アイコなどと呼ばれる山菜ミヤマイラクサ(Laportea cuspidata)とは種類が異なりますので、ハーブティーを自作する場合は注意してください。
日本ではあまり食用・ハーブなどの利用はされていませんが、ヨーロッパでは古くから利用されている一般なハーブであり、ロシアではスープの具材としてそのまま食べることもあるようです。2000年以上も前に利尿・便通作用を始めとした様々な効能が報告されていたことが分かっていますし、アメリカ南北戦争の時に南軍の軍医がネトルの抽出水を止血に利用したという話もありますね。
ネトルという呼び名は英語の針(needle)が語源であり、日本名も刺草(イラクサ)と呼ばれます。どちらも茎や葉の表面にある細い刺が刺さった時のインパクトが強かったことが伺えます。トゲ自体が痛いわけではなく、刺に触れることで刺激性化学物質が皮膚下に混入するのが原因です。乾燥したり火を通した場合はトゲが抜けます。
ネトル(イラクサ)の栄養・成分・期待できる効果
ネトルティー
貧血・血行不良に
ネトルのハーブティーはビタミンB、C、Dやβカロチン、鉄分・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル類やポリフェノール類が幅広く含まれています。
血行不良に
葉緑素(クロロフィル)やフラボノイドなどの働きによってドロドロとした血液を浄化しサラサラとした流れやすい状態に整える働きが期待できます。
血液浄化によって血液が流れやすい状態に整えられることに加えて、ネトルには血流を刺激して血行を促進する働きもあります。この2つが相乗することにより血行不良による肩こり・頭痛・関節炎・リマウチ・痛風など様々な症状も緩和効果が期待出来ます。
貧血予防
鉄分が豊富とされていますから、貧血(鉄欠乏性貧血)の改善に有効です。またクロロフィルもヘモグロビンに構造が似ており、血液の合成を促進する作用があることから貧血の改善に役立ってくれます。
アレルギー緩和に
ネトルの代表的な効果と言えるのがアレルギー性症状の緩和改善作用です。アレルギー症状を抑えることにより花粉症・アトピー性皮膚炎・喘息などの緩和に有効とされており、花粉症が出始める春先には需要が増えます。
アレルギー抑制
ネトルティーに含まれているフラボノイドの一種「ケルセチン」にはヒスタミンの分泌を抑制しアレルギー症状を軽減させる働きがあります。ケルセチンはヒスタミン抑制に加えて抗炎症作用もありますので、花粉症の場合で言うならば目のかゆみ・くしゃみ・鼻ずまりなど「症状」として出てしまっている際の症状緩和にも効果が期待出来るでしょう。
また血液状態の改善からもアレルギー症状の抑制効果が期待出来ます。
ネトルのヒスタミンについて
ネトルにはアレルギー症状を引き起こすことで知られている「ヒスタミン」が含まれています。というとアレルギーが悪化しそうに感じますが、ネトルに含まれているヒスタミンはごく微量のため、摂取することで体が慣れてアレルギー反応を起こしにくくなるという説もあります。花粉症にポーレン(花粉)サプリメントが良いと言われるのと同じようなものでしょう。
アレルギー症状が出てからではなく出る前、花粉症ならは2~3ヶ月前から飲み始めると良いようです。
※ヒスタミン含有は微量といえども大量に飲むとアレルギー悪化の恐れもあります。アレルギー緩和効果を期待してネトルティーを摂取する場合は1日1杯程度から始めるようにしてください。
精神・美容への働き
精神安定・不眠に
ネトルが不眠に良いとされるのはマグネシウムとカルシウムが含まれているためです。カルシウムが不足している場合はストレスに対する反応が過敏になる・ストレス回避能力が低下すると言われており、イライラや抑うつの原因の1つに挙げている医師もいるほど。
そうした理由からカルシウムとその吸収を促進させるマグネシウムは天然の精神安定剤と呼ばれることもあります。精神面での不調の改善や、ストレスや悩み事で寝付けない・眠りが浅いなど睡眠トラブル改善も期待出来るでしょう。
むくみ緩和・ダイエット
ネトルはカリウムを豊富に含むためむくみの解消やデトックスに有効とされています。尿酸の排出を促すことから痛風予防にも有効とされています。
デトックス効果に加え、カルシウムには脂肪の吸収を抑制する効果もありますし、精神安定や不眠解消からイライラ食いの予防など、様々な効果の相乗でネトルには肥満予防効果があるとされていると考えられます。
肌や髪の維持・再生に
ネトルには健康的な髪・爪・皮膚の生成に関わる「シリカ(ケイ素)」を含んでいます。シリカは爪や髪、皮膚の弱質化を防ぐとともにコラーゲンの生成を助ける働きもあり、肌弾力を維持するうえでも重要となります。
生殖器関係への働き
ネトルの根の部分には多糖類や植物ステロールが含まれており、男性ホルモンのバランスを整えることから前立腺肥大症の予防に有効とされています。
女性ホルモンの分泌過剰による機能性過多月経の改善にも、鉄分などの豊富な栄養成分とともに役立つと考えられています。
外用(飲食以外)で期待できる効果
髪・頭皮のケアに
ネトルは地肌の強壮や血行促進により、脱毛とフケを予防するトリートメントとして何世紀も前から使用されてきた歴史を持ちます。血行促進により栄養が行き渡るので髪の艶を守りたい場合にも有効です。
ヘアケアに対しての効果は葉よりも根の方が高いことが分かっています。
止血・鎮痛
ハーブティーやハーブチンキを布に浸して湿布をすることで関節炎の痛み、神経痛、捻挫、座骨神経痛などの痛みの緩和に役立つとされています。入浴剤としても効果が期待できるででしょう。
収れん作用による止血効果や組織の修復を促進する働きもあるので、痔疾や鼻血のケアにも利用されます。
ネトル(イラクサ)の注意事項
- 妊娠中・授乳中は使用を控えましょう。
- 子供に使用する場合は量や濃度などに注意が必要です。
- 心臓・腎臓疾患によるむくみがある方や、降圧剤や利尿剤を服用している場合は使用を避けるか医師に相談してください。
- 外用した場合は痒みが出る場合があります。パッチテストを行い注意して使用するようにしてください。