東京健康クリニック
東京メトロ日比谷線の広尾駅から有栖川宮記念公園の横を通り、徒歩10分ほどの場所にある「東京健康クリニック」。1階の受付・待合室は、クリニックとは思えないほどの広々とした空間。モノトーンを基調としたなかに、好きな場所でゆったりとくつろげるスペースが設けられている。5階建てのビルの各フロアでは、体内の有害物質を取り除くデトックスを中心に、発達障害・がん・歯科治療を3本の柱とした診療が施されている。院長の大森隆史先生は、発達障害治療を専門とし、「デトックス」という言葉を日本に広げた第一人者。水銀や鉛などの重金属を排泄し、そのうえでビタミンやミネラルなど必要な栄養素を補給するという治療法を取り入れている。インタビューでは、デトックスの本来の意味や発達障害を治療するようになったいきさつ・医師になる前の話などについて、丁寧にわかりやすく説明してくれた。
(取材日2013年8月19日)
発達障害の改善にも有効なデトックスと栄養療法
―先生は、「デトックス」の第一人者と伺っています。
そもそも、アメリカで広がっていた「デトックス」という言葉を日本に紹介したのが私なんです。2004年ごろ、最初に雑誌の「Hanako」で取り上げられ、その後、200回ほどの取材を受けました。私は、当初、アンチエイジングという老化対策として日本に広げようと思っていました。さらには、高血圧や糖尿病・がんなどの一部に環境汚染が関係しているということもあり、だったらその予防のために、体に取り込んだ有害なものを取り除いていかなければならない、そういう考えで「デトックス」という言葉を使い始めたんです。もともと、「デトックス」というのは医療用語なんです。ただ、メディアでは、ダイエットの一環というイメージで浸透し始め、さらに、「デトックス」という言葉が薬事法に違反するということでサプリメントの名称から削られたことで、次第に、医療よりも美容的な分野、例えば、エステティックサロンの岩盤浴などで使われるようになりました。その結果、多くの人にとって、「デトックス」と言えばエステというような認識になってしまったんです。でも、もとは、医療的な浄化や解毒の意味合いなんです。人体には、本来の解毒機能があるんですが、それを超えるものが入ってきた場合に、体の外に排出するのを補助するという考え方です。アメリカなどでは、子どもの発達障害にも水銀や鉛などの重金属が関係していると考えられていて、それを治療するためにデトックスが必要になってくるわけですが、日本の場合は、行政の意向もあって、重金属と病気との関連性を認められていないため、なかなかデトックス治療は進んでいません。それどころか、子どもに対するデトックス治療は危ないというイメージまであるんです。しかし、これは、まったく危ない治療ではありません。大人は点滴をすることがありますが、子どもについては、サプリメントを飲んだり、食事を変えたりすることによって進めていくので、心配はないんです。
―発達障害はやはり増えてきているのでしょうか?
発達障害について、最初に論文で報告されたのが1943〜1945年ごろです。当初は、診察できる医師が少なかったり、診断するための基準が整備されていなかったりしたため、子どもたちの実態がきちんと把握されていなかったという側面はあると思います。ところが、基準ができ、的確な診察ができるようになった2000年前後からも増えてきています。ということは、単純に診察の技術の問題ではなく、根本的に発達障害の子どもたちが増えてきていると考えられます。1950〜1960年当時は500人に1人くらいの割合だったのが、現在は100〜80人に1人、場合によってはクラスに1人は多動の子がいるという状況です。こうなると、生まれつきということでは説明がつかず、やはり後天的な環境にも原因があるのではないかと思われるわけです。ただ、その時点で立ち止まってしまっています。とくに、日本では、水俣病をはじめとする、1950〜1960年代の公害問題がまだ決着していません。そんななか、地域も限定されない、もっと広い問題が起きてしまえば、とても損害賠償というようなレベルでは収まらなくなってしまいます。だから、国としてはグレーゾーンにしておきたいわけですね。現在、全国の小児科や精神科で一般的に行われている治療は、多動などを抑える薬を出すだけです。根本的な治療法はないと言われてしまうんです。学校でも、薬を飲めば、ぼんやりしながら座っていられるようになりますが、今度は授業が頭に入ってこないために学力が伸びないという問題が出てきます。ですから、無理やり抑え込むような治療ではなく、もし、水銀や鉛などの環境要因があるのであれば、それを除けば良いのではないかというのが私の発想なんです。実際、デトックスをして、これまで重金属の影響で十分に利用できていなかったビタミンやミネラルなどの栄養を補助することによって、言葉が出にくかった子が出るようになったり、多動の子が落ち着いてきたりするんです。治療法がないと言われてきた発達障害ですが、私からすれば、原因があるから症状が出るのであって、その原因を解決すれば良いんです。そして、実際に解決し、治してきたわけです。
―親からすれば、希望が持てるようになったわけですね。
多くのお母さんたちは、自分の産んだ子どもがこんなことになってという罪悪感を持っています。そのうえ、医師などから治療法はないと言われれば、本当に出口がなくなってしまいます。でも、私は、「個性のレベルであり、個人差に過ぎない。さらに、原因は環境汚染物質なので、それを除くことはできる」と説明しています。これまでは重金属などによって阻害を受けていましたが、治療後、神経にダメージがなければ健全に成長することができるとわかれば、希望を持てるのではないでしょうか。できる限り早い時期に治療を始めるに越したことはありませんが、20歳代、30歳代で始めても変化は現れます。実際、早いお子さんであれば、数週間や数日で変化が出てきます。私自身、本当に驚くことが多く、また、感動もしています。