デプロメール錠はSSRIですが、抗うつ効果よりも不安や強迫に対して処方される事が多いものです。
そしてデプロメールにももちろん。
とは言っても、デプロメールを飲むと確実に太るというわけではありません。
デプロメールの添付文書(お薬の説明書)での頻度を見ると体重増加は0.1%未満です。
「あっ、そんなに太らないんだ」と思うかもしれませんが、デプロメールは太るという報告とそうではないという報告と割れているのが現状でしょう。
いくつかの知見をあわせつつ、ここではデプロメール錠の「太る」という副作用にフォーカスを当て、対応法についても解説していきたいと思います。
デプロメールで太る理由
デプロメール錠はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類される抗うつ剤です。
まず一般的にSSRIのお話をしますと、治療の初期では太るどころか逆に体重が落ちることが分かっています。
そして長く薬を飲むと太ることが言われています。
デプロメールのデータではないですが、同じSSRIに属する抗うつ剤で、最初の3か月で0.35㎏体重が落ちて、1年後に3㎏増えていたというデータが示されています(日本未発売のSSRI:フルオキセチン)。
「太る」副作用の頻度
@tiny_joanna
強迫性障害でデプロメール、ヒルナミンを飲んでます。調子はいいですが体重増加が止まりません。— みかん@強迫性障害 (@sihandai123) 2012年7月12日
@metabofafa だるメートだよ、ちなみに抗うつ剤はデプロメールだけど体重減ってるよ
— café l’échelle/ジェー? (@jouejouet) 2016年8月29日
- 三環系抗うつ薬(トリプタノール、アナフラニール)
- NaSSA(リフレックス・レメロン)
一覧表に示してみましょう。
| 抗うつ剤 | 体重増加 | 抗うつ剤 | 体重増加 |
|---|---|---|---|
| SSRI | 三環系 | ||
| ルボックス デプロメール フルボキサミン | +- | トリプタノール アミトリプチリン | +++ |
| パキシル パロキセチン | + | トフラニール イミドール | ++ |
| ジェイゾロフト セルトラリン | +- | アナフラニール | ++ |
| レクサプロ | +- | ノリトレン | + |
| SNRI | アモキサン | + | |
| トレドミン | +- | 四環系 | |
| サインバルタ | +- | テトラミド | + |
| イフェクサー | + | ルジオミール | ++ |
| NaSSA | その他 | ||
| リフレックス レメロン | ++ | デジレル レスリン | +- |
| ドグマチール スルピリド | +- | ||
つまり、ヒスタミンをブロックすると食欲は出てしまいますし、脂肪の分解も悪くなり太ってしまうわけです。
(厳密にはヒスタミン自身が食欲に作用するというよりは、胃で多く分泌される強力な食欲増進ホルモン「グレリン」を増やしてしまうことが太りやすさと関連しています。)
そしてセロトニンのポストは脳にだけではなく消化管など全身の神経に存在し、さらにマンションのように部屋番号が振り分けられており、その部屋のどこにセロトニンが届くかで作用が異なります。
デプロメールによって太るのは主にセロトニンの「2c」番の部屋に関連します。
「セロトニン2c」の部屋(5HT2c受容体)は食欲を抑える働きをもつ作用です。
具体的にはレプチンを上昇させることで食欲をおさえます。
あれっ?て思いますが、そうですこの作用は痩せる方向に働きます。
デプロメールで太ることへの対処法
ここまでで抗うつ剤によって太る理由は食欲増進と脂肪の代謝が落ちてしまうことが原因であるのがわかったと思います。
しかもその原因は、セロトニン、神経ヒスタミンなどの神経伝達物質、レプチン・グレリンなど食欲を調整するホルモンも関連しているので、どうにも自身の意識で抵抗できるものではないのです。
それでは対処法を見ていきましょう。
1年を超えて長期に飲んでいるときに太る場合には、デプロメールによる可能性を考慮します。
抗うつ剤の効果や特徴がすべて一緒というわけではないので、主治医の先生がその抗うつ剤を選択したことには意味があるはずです。
病気の治療を目的とした薬ですから、太ることを過度に恐れるあまり本末転倒にならないように注意して主治医と相談するようにしましょう。
ちなみに、抗うつ薬は抗うつ効果の面においてその量は大事ですが、抗うつ剤の内服量と太る度合いの相関関係は明らかになっていないため、減薬が体重増加の副作用に有効かはわかりません。
また医療者側は体重増加しても糖尿病や高血圧が目立たなければ、見た目的な美容の観点の問題では太ってきていること気付いていないときもありますので、もし気になれば自分から言うことも大切です。
衝動の発散として過食がみられるときは、抗うつ薬の太る副作用というよりアクチベーションシンドロームの可能性もあります。
アクチベーションシンドロームは、要は活性化された状態で過食になったり、不眠になったり、攻撃性が増したりする副作用です。
このときにはうつ病と診断されていても、双極性障害(躁うつ病)が背景に潜在していることも考慮に入れ、主治医と相談の上、抗うつ剤から気分安定薬にしたほうが良いときもあります。
2.生活習慣を見直す
間食が多くなっていないか、一回の食事量が多くなっていないかは注意しましょう。
適度な運動も大事です。
筋力が落ちてしまってはこれだけで基礎代謝が落ちてしまい、薬とは無関係に太りやすい体質になってしまいます。
よく過度なダイエットをしているとあとで反動で太るのはこの基礎代謝が落ちるためかえって以前より太りやすい体質になっているのです。
筋肉は太りにくい体質に重要な要素です。
また、神経伝達物質のヒスタミンが薬でおさえられていると、脂肪の代謝が落ちているため、薬を飲む前と同じ食事量でも比較的高カロリーな食事をもともとしていた場合には、以前はあまり体重がかわらなくても薬をのんでいると太ることがあります。
飲み始めた時にはやはり日頃の食事量やカロリーに意識を払う必要があります。
よく噛むことはダイエットになる
抗うつ剤によってヒスタミン、レプチンなどの食欲をコントロールするホルモンの働きが、中枢から変化してしまい食べ物を求めるようになってしまいますから、こうなると食欲が自分のコントロール下にはなく制御できずに太るようになってしまいます。
食事をするときに咀嚼をしっかりすることは健康に良いことは聞いたことがあるかもしれませんが実は科学的に根拠のあるお話です。
実際、咀嚼しているときの口の中の感覚をよく脳に伝えることは、なんと神経ヒスタミンがよく作用する方向に働くのです。
神経ヒスタミンは食欲をおさえ、脂肪の代謝を上げる方向に働く作用があるので満腹感を促進させるようにはたらくのでヒスタミンをブロックする抗うつ剤の作用に対抗するには合理的なのです。
【参考】
第124回日本医学会シンポジウム「肥満症治療のアプローチ」吉松博信
まとめ「デプロメールは太るのか?」
- デプロメール錠を始めSSRIは、最初の3か月は体重はむしろ落ちる側に作用することがある
- SSRIをそのまま長期に服用すると体重は増加して太る傾向がある
- デプロメールはSSRIの中では体重増加の副作用の頻度は低い
- 太ってしまったとき、もしくは太らないための対応法は間食をしないこと・食事の摂取量を意識することが大事
- よく噛んで食べることで満腹感を得ることは、抗うつ剤の副作用の機序からは合理的に太ることを抑える効果がある
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