冷え改善のスペシャリスト内科医・医学博士、川嶋朗先生にインタビューする連載2回目。
前回、<話題の温活とは!医学博士がポイントをわかりやすく解説>>話題の温活とは!医学博士がポイントをわかりやすく解説>で、体が冷える理由や、冷え性によって起こるトラブルなどを川嶋先生に伺って理解したところで、本日は生活の中でできる冷え性解消を進めるための、具体的な温活方法をお聞きします。
今回は食(食事や飲み物)に関する温活です。
内科医・医学博士 川嶋朗
東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授。
東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当医。
近代西洋医学と代替医療、伝統医療をあわせた統合医療の第一人者であり、『冷えとりの教科書』(マイナビ文庫)をはじめ、著書多数。さらにウーマンウェルネス研究会にて、女性に役立つ健康情報を発信中。
口にするのは、常温以上が鉄則! 守らずして冷え改善は叶わず
—— 先生、温活に取り組むとしたら、何から始めるべきですか?
まずは冷たいものを口にしないこと。冷蔵庫から取り出した食べ物や氷の入った飲み物を体内に取り込めば、内臓が冷えるのは当然です。常温以上のものを食べたり、飲んだりするようにしましょう。
よく食べ物を口の中でいったん温めてから胃へ流し込めば大丈夫、と考えている人もいるようですが、それは大きな間違い。口の中へ入れた時点で、腸の血管は収縮して血流が悪くなり、冷え始めます。
—— となると、夏の風物詩“そうめん”は……?
「温活」という意味では、最悪の食べ物です。〝そうめん〟なら〝にゅうめん〟〝ざるそば〟より〝かけそば〟、〝冷やし中華〟なら〝ラーメン〟を選ぶのが正解です。
—— 冷たい飲み物&麺類が大好きな私ですが、ガマンが必須ですね。
体を温める食材を選ぶ。体を冷やす食材なら、加熱するひと手間を
それでも体が冷えるなら、食材にこだわりましょう。以下のような食材は体を温める効果があります。
・寒いときにとれるもの
・寒い地方でとれるもの
・色が濃いもの
・味が濃いもの
・地中に向かって伸びるもの
例外もありますが、カボチャやニンジン、タマネギなどが代表格で、体を温める食材として有名なショウガやニンニクなども有効です。
チューブ入りのショウガを持ち歩き、外でも料理やドリンクにトッピングする、通称“ジンジャラー”といわれる人たちがいますが、これはとてもいいことだと思います。
—— そういえば、先日、ヘルシー志向の美人モデルさんに美の秘訣を取材したとき、「冷え対策として、ショウガのパウダーを持ち歩いて、紅茶などに入れている」と言っていました!
納豆や味噌などの発酵食品もいいですね。発酵している食品は腸内の善玉菌を増やして、腸を活性化します。消化や吸収が活発になり、体内で熱がつくられるので、体を温める効果が高くなります。
ちなみにお茶は、「緑茶<ウーロン茶<紅茶<プーアール茶」の順で発酵が強くなり、比例して温め効果も高くなりますよ。
—— なるほど、お茶なら緑茶よりプーアール茶を飲むほうが、温活になるわけですね。
ナスやトマトなどの夏野菜は体を冷やすといわれていますが、これも加熱して温かくして食べれば、その熱を体内に取り込めるので、温活にふさわしい食材に変身するのです。
積極的な咀嚼で、熱がつくられ、リラックス作用も促進!
もうひとつ、食べるという点で大切なのが、よく噛むこと。
—— 噛むことも温活につながるんですか?
はい。噛むと、内臓脂肪が燃えて熱がつくられ、体は温まります。また、リラックス効果が促されるのも温活としては好ましいですね。少しの食事量でも満腹中枢が刺激されるので過食を防げるというメリットもあり、まさに一挙“三得”です。
縄文時代は1回の食事で4000回以上噛んでいたといわれるのに対して、現代人は600回ほどなんですから、これは意識的に噛む必要がありますよね。
—— なるほど! 常温以上のものを食べて、体を温める食材を積極的に摂る。さらによく咀嚼する。この3点、肝に銘じます。
2大ブームの糖質オフとジュースクレンズ。冷えとの関係は?
—— ところで先生、気になることがあります。ダイエット効果の高い糖質オフ、私もたまに実践したりしますが、温活面で問題はないですか?
糖質をカットすることで、体内では糖質の代わりにタンパク質がエネルギー源として使われます。すなわち、しっかりタンパク質を摂っておかないと、体内に蓄積されたタンパク質が使われて、筋肉が減ることになります。
筋肉が減れば、代謝が下がり、冷えやすくなるので、その点は注意が必要です。
また、タンパク質をたくさん摂ると、脂質を摂りすぎてしまう傾向もあります。一時的に取り入れるのはありですが、長く続けるのは考えものです。
—— もうひとつ、気になっているのがジュースクレンズやスムージー。冷たい飲み物だけに、これらも体を冷やしますよね……。
温活の鉄則ですが、食品は冷たい状態を避け、せめて常温にすること。
日本人の体質を考えると、どちらかといえば食物繊維もたっぷり摂れるスムージーのほうがオススメです。よく噛むという点ではマイナスですが、食物繊維が腸内の善玉菌を増やして、熱の産生を促します。
体を温める食材を使ったり、ホットスムージーにするとさらにいいでしょう。
—— なるほど。冷え対策用にアレンジすればいいんですね。
ライター楢﨑の温活日記 冷たい飲料のガブ飲みを卒業!
温かい飲みものは、いまいちのどが潤う気がしなくて、つい冷たい飲み物を選びがちな私。
正直、ガマンできるか心配でしたが、慣れてしまえば、意外と平気。仕事柄、荷物が重いため、水筒を持ち歩くまでには至りませんでしたが、常温の水やお茶は飲むようになりました。
カフェのオーダーも、アイスティーからホットの紅茶かカフェラテにシフト。
食事も、スープを積極的に摂るようにしたり、ショウガを混ぜたりしています。
川嶋先生が監訳された『スムージーバイブル』(医道の日本社)を取り寄せて、スープ風のホットスムージーづくりにもチャレンジしました!
仕事先で冷たい飲み物をつい無意識にゴクリ……、いつものクセで早食い……と“3歩進んで2歩下がる”状態ではありますが、それでも確実に温活は進んでいます!
取材・文:楢﨑裕美
写真提供:川嶋朗
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