クリームはご婦人の化粧品と同じ!
| 「靴クリーム」と一般的に総称しているものって、実は大変種類が多いのです。「汚れ落とし」「栄養補給」「ツヤ出し」、ベストなものは、それぞれ異なります |
前回はシューケアの基本中の基本である、スムースレザー(要は普通の牛革)の通常のお手入れ方法を、「汚れ落とし」「栄養補給」「ツヤ出し」の3ステップでご紹介致しました。そこで様々なケア用品を使ったわけですが、これらは残念ながら、実際に靴を作られている方・売られている方でも用法を混乱しているケースが多々あります。
そこで今回は、これらの見分け方・使い分け方に焦点を当て、詳しく解説していきたいと思います。予めヒントを申し上げておきますと、ズバリ、ご婦人の化粧品です! 以下を読んで具体的な化粧品が想像できなかった方は、身近な女性の方に伺ってみましょう。
「汚れを落とす」クリーナーは、種類も多数
| クリーナーは様々なものが売られていますが、「汚れ落とし」に徹したものが一番使いやすいと思います。代表例はこれ。M.モゥブレィ ステインリムーバー \630 R&D |
ドラッグストアに行くと大量に見かけるそれらと同様、クリーナーにも液体やジェル、クリームなど様々な形状が見られます。また形だけでなく、その効果も製品によりかなり異なっているのが現状で、純粋に汚れ落しに徹したものから、栄養分もかなり補給でき乳化性クリームに限りなく近いものまで、本当に様々です。小生個人としては、純粋に汚れ落しに徹したものが好みです。
いずれにせよ、必要以上にゴシゴシ用いると、摩擦で革を痛める結果になりかねないので注意しましょう。軽くサッと用いるのが、何よりもの秘訣です。
「水分と栄養を与える」乳化性クリームは、ビンかチューブ入り
| 乳化性のクリームは、ご覧のようにビンもしくはチューブに入っています。M.モゥブレィ シュークリームジャー \735 R&D |
主成分は水・油そして蝋です。ガラスもしくはプラスチックのビン、あるいは昔の歯磨きのように金属のチューブに入っているので、後述する油性ワックスとは売り場でも簡単に見分けが付きます。また、油性ワックスに比べ成分上微妙な色の調合が容易なため、何処のメーカーも結構豊富な色数を出しています。
どちらかと言えば、ビン入りはオーソドックスな効能のものが主流です。一方チューブ入りは、例えば色の定着力に優れ拭き取りが楽なものとか、ひどい汚れでない限りは塗る前のクリーナーが不要なものなど、何か特徴のある機能を付加している製品が多いようです。
前回も触れましたが、付け過ぎてもブラシで払い落とさなくてはいけない量が増えるだけで全く不経済。なので、靴のアッパー全体につけるべきものではありますが、その量は僅かで構いません。このあたりも、基礎化粧品の使い方と全く同じ、腹八分目が肝心です。
「ツヤと光沢を出す」油性ワックスは、缶入り
| 油性のワックスは、ご覧のようにカンに入っています。M.モゥブレィ ハイシャインポリッシュ \735 R&D |
主成分は蝋と油で、成分の関係でほぼ全ての製品が金属のカンに入っています。この平べったいカンは、昔ながらの「靴墨」のイメージそのものですよね。恐らくシューケア用品として世界的に一番認知度が高いのは、昔も今もこれでしょう。
乳化性クリームに比べ蝋分が多く、それが革の表面をコーティングするため、防水性が増す効果も期待できます。ただ、塗りすぎるとその「コーティング」ゆえに革が呼吸できなくなり、ヒビ割れの原因にもなり得ます。厚化粧を続けると、人間の肌も次第に荒れてきてしまうのと、本当に一緒なのです。
そのような意味でも、あくまで乳化性クリームで革に必要十分な水分と油分をまず与えた後、芯が入っているため通常は曲がらないつま先と踵、それにコバにのみこれを薄く用いるのが無難なのです。アッパーのコンディションを日頃からきちんと保っていれば、ポイントだけを薄化粧した方が、靴の目鼻立ちは引き立ちます。
いかがでしょう?クリーナー・乳化性クリーム・油性ワックスの各特徴を上述のようにしっかり理解しておけば、買う際も使う際も厄介なことにならずに済みます。断じて難しい事ではありませんので、この際ですから覚えてしまいましょう。
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