ワキガは子供の頃には症状が出ず、成長してから独特の臭いがするようになるケースが多いとされています。
なぜ、ワキガは子供の頃には症状が出ないのでしょうか。
また、症状が出始めるのはいつごろからなのでしょうか。
ワキガの発症時期とそのメカニズムについて説明していきましょう。
ワキガの鍵を握るアポクリン腺
ワキガの発症メカニズムを説明する前に、なぜワキガになってしまうのかについて触れておきましょう。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類がありますが、ワキガの鍵を握っているのはアポクリン腺の方です。
これはエクリン腺からの汗が体温調節のために分泌されており、成分のほとんどが水分と塩分からなっているのに対し、アポクリン腺からの汗は性フェロモンのような働きを持っており、水分や塩分以外にタンパク質や脂質を含んでいるという違いに起因しています。
ただ、エクリン腺から分泌される汗にも、アポクリン腺から分泌される汗にも、臭いの原因となるような成分は含まれていません。
汗が大量に蒸発するサウナルーム内の臭いがそれほどでもないことが、その証拠だといっていいでしょう。
では、ワキガ独特の臭いがなぜ発生するのかというと、アポクリン腺の汗に含まれる脂質を栄養分として繁殖するコリネバクテリウムという細菌がいるためです。
この細菌が脂質を分解する際に生じる分泌物が、ワキガの臭いの原因になっているのです。
つまり、ワキガの臭いは細菌に由来するものなのです。
そしてアポクリン腺の特徴として、腋の下やデリケートゾーン、外耳道など特定の場所にしか存在していないというものがあります。
つまり、それ以外の場所ではコリネバクテリウムは繁殖できませんので、あたかも腋の下から臭いが発生しているように見えてしまうというわけです。
アポクリン腺は思春期以降に成長する
そして、アポクリン腺にはもうひとつの特徴があります。それは、思春期以降にならないと十分に機能を発揮するようにはならないということです。
上にも書きましたように、アポクリン腺には本来、性フェロモンのような働きがあります。
人間の場合はこの機能が退化していますが、他の哺乳類はこのアポクリン腺からの汗に起因する臭いで、血統的に遠い異性を発見することができるようになっているのです。
つまり、性的に発達することとアポクリン腺の成長はリンクしているのです。
人間の場合も同じことで、第二次性徴が出始める思春期になるとアポクリン腺が成長し始め、アポクリン腺の汗に起因する臭いが出るようになってくるというわけです。
そして、アポクリン腺は20歳ごろまでは成長を続けますが、50代になって性的に衰えてくると機能が衰えてくるようになっています。
ワキガの人が高齢になると臭いが減ってくるのは、このアポクリン腺の成長によるところが大きいのです。
冒頭のタイトルの答えを書いておくと「子供のワキガの症状が出てくるのは、性的な成長が始まる思春期以降」ということになるのです。
ワキガは先天性のもの
ただ、勘違いしないでほしいのは、アポクリン腺は第二次性徴によって増加するわけではありません。
アポクリン腺の数そのものは生まれた時から決まっており、第二次性徴に伴ってその機能が活発化するというだけのことなのです。
第二次性徴前にはアポクリン腺の機能が十分ではないため、臭いを発するようにならないというわけです。
そして、アポクリン腺の数は、遺伝によって決まってくるのです。
両親のうち片方がワキガならば50%、両方ともワキガならば80%の確率で遺伝するとされていますが、これはアポクリン腺の数が多い体質が遺伝しているということになるのです。
そして、アポクリン腺の数が多い体質ならば第二次性徴期に強い臭いが出るようになってしまい、少なければあまり臭いが出ないというわけなのです。
成長するとワキガの症状が出るため、後天的にワキガになってしまったと勘違いしてしまう人もいるようですが、実際には先天的な体質が成長に伴って表に出てきただけのことなのです。ワキガは先天的なものなのです。
ちなみに、白人や黒人はワキガ体質の人の方が多数派となっているため、ワキガの臭いは日本ほどには目立たなくなり、悩みもそれほど深刻ではなくなります。
欧米において香水が発達しているのは、こうした体質の問題が背景にあるのです。日本人をはじめとする黄色人種はワキガ体質の方が少数派のため目立ってしまい、悩みが大きくなってしまうというのが実情です。
世界レベルで見るとワキガは珍しいものではないはずなのに目立ってしまうというのは、日本をはじめとする黄色人種社会の不幸なところだと言っていいのではないでしょうか。
繰り返し書きますが、ワキガは遺伝による先天性のものです。
そして、症状が出てくるのは思春期以降です。もしあなたがワキガ体質ならば、それが子供に遺伝してしまう可能性は大きくなります。
思春期以降に必要以上に子供が傷つかないよう、親として悩みを共有していくようにしていきましょう。