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タイトル:特許公報(B2)_ピーリング用組成物
出願番号:1999354031
年次:2007
IPC分類:A61K 8/44,A61Q 19/00,A61K 31/195,A61P 17/00


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伊藤 嘉恭田中 徹 JP 3970492 特許公報(B2) 20070615 1999354031 19991214 ピーリング用組成物 コスモ石油株式会社 000105567 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 的場 ひろみ 100101317 伊藤 嘉恭 田中 徹 20070905 A61K 8/44 20060101AFI20070816BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20070816BHJP A61K 31/195 20060101ALN20070816BHJP A61P 17/00 20060101ALN20070816BHJP JPA61K8/44A61Q19/00A61K31/195A61P17/00 A61K 8/44 A61Q 19/00 A61K 31/195 A61P 17/00 CA/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDream2) 特開平10−007688(JP,A) 特開平08−081375(JP,A) 国際公開第97/035597(WO,A1) 特表平09−511237(JP,A) W-H Boehncke et al.,Treatment of psoriasis by topical photodynamic therapy with polychromatic light (letter),The LANCET,1994年 3月26日,vol.343,pp.801 1 2001172154 20010626 6 20050812 天野 貴子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明はピーリング用組成物に関し、更に詳細には薬剤を皮膚に適用後に光照射することによりピーリングを行うための組成物に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ピーリングとは、古くなった皮膚をはぎ取り新たな皮膚の再生を促す方法で、必ずしも治療を必要としない皮膚病態における皮膚の美的改善を目的に美容医薬分野で広く使われている方法である。現在のピーリングはケミカルピーリングとレーザーピーリングに大別される。【0003】ケミカルピーリングとはフェノール、グリコール酸、トリクロロ酢酸等の薬物を皮膚に塗布し、皮膚をはぎ取る方法であり、浅く皮膚をはぐスーパーフィシャルピーリング、深く皮膚をはぐディープピーリングの別があるが、その施術は化学熱傷に類するものであるので施術後に炎症を伴う。炎症を最小限にするために、より皮膚表層のみに作用させるとその効果が不十分となり、強く作用させるとしばしば遷延する色素沈着と発赤を引き起こし、時に瘢痕をも残す場合がある。また、ディープピーリングの場合は麻酔を必要とする侵潤の大きな方法であり、施術後も疼痛を伴う。【0004】レーザーピーリングは化学薬剤塗布の代わりにレーザー照射で皮膚表面を焼く治療法であり、その施術には麻酔を要し、ケミカルピーリング同様炎症を伴い、特に東洋人においては、しばしば遷延する色素沈着と発赤及び瘢痕形成を引き起こす場合があるため、現状における東洋人へのその適用は、極めて慎重なものとなっている。【0005】以上のように既存のピーリング方法は合併症を招く可能性を有し、合併症を避けようとすれば、得られる効果は十分とはいえないため、効果的で患者への負担の少ないピーリング方法が求められてきた。【0006】【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは種々検討した結果、5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を皮膚に適用後、光照射することにより効果的かつ患者に負担をかけずにピーリングができることを見出し、本発明を完成した。【0007】 すなわち、本発明は、5−アミノレブリン酸、その誘導体及びそれらの塩から選ばれる化合物を含有するフォトダイナミックピーリング用組成物を提供するものである。本発明において、フォトダイナミックピーリングとは、薬物を皮膚に適用した後に光照射を行うピーリング手段をいう。【0008】【発明の実施の形態】本発明のピーリング用組成物に用いられる5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩は、植物成長促進剤、除草剤、殺虫剤、癌の光動力学的治療用増感剤等として有用であることが知られている(特許第2613136号、特許第2896963号、特表昭61−502814号、特開平2−138201号)。しかし、5−アミノレブリン酸類がピーリングに応用できることについては全く知られていなかった。【0009】5−アミノレブリン酸の誘導体としては、5−アミノレブリン酸エステル、N−アシル−5−アミノレブリン酸、N−アシル−5−アミノレブリン酸エステルが挙げられる。【0010】5−アミノレブリン酸エステルとしては、例えば置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖の又は環状構造を有する炭素数1〜24のアルキルエステルが挙げられる。このアルキル基が有してもよい置換基としては、例えばヒドロキシ基、アルコキシ基、フェニル基等が挙げられる。このような置換基を有していてもよいアルキル基の好ましい例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、ベンジル基、フォネチル基、3−フェニルプロピル基、ヒドロキシエチル基、エトキシエチル基等を挙げることができる。【0011】N−アシル−5−アミノレブリン酸としては、5−アミノレブリン酸のアミノ基が、例えば炭素数1〜24のアルカノイル基、芳香族アシル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアシル基でアシル化された化合物が挙げられる。好ましいアシル基の具体例としては、例えばアセチル基、n−プロパノイル基、n−ブタノイル基、n−ペンタノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ノナノイル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。【0012】N−アシル−5−アミノレブリン酸エステルとしては、上記のエステル基とアシル基と同じ基を有するものが例示される。好ましくはメチルエステル基とホルミル基、メチルエステル基とアセチル基、メチルエステル基とn−プロパノイル基、メチルエステル基とn−ブタノイル基、エチルエステル基とホルミル基、エチルエステル基とアセチル基、エチルエステル基とn−プロパノイル基、エチルエステル基とn−ブタノイル基の組合わせが挙げられる。【0013】5−アミノレブリン酸又はその誘導体の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の酸付加塩、及びナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。なお、これらの塩は使用時において水溶液又は粉体として用いられ、その作用は5−アミノレブリン酸の場合と同一である。【0014】以上の5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよく、またいずれかを単独で、又は2種以上を適宜組合わせて用いることができる。【0015】5−アミノレブリン酸又はその塩は、化学合成、微生物による生産、酵素による生産のいずれの方法によっても製造することができる。また前記5−アミノレブリン酸の誘導体又はその塩は、例えば特開平4−9360号公報等に記載された公知の化学合成法によって製造することができる。微生物又は酵素による生産物や化学合成法による粗精製物は、ヒトに対して有害な物質を含まない限り、分離精製することなくそのまま用いることができる。【0016】本発明のピーリング用組成物は、前記5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を含有していればその他の成分を更に含んでいてもよく、その剤型としては皮膚外用剤であれば特に制限されず、例えば粉剤、液剤、軟膏剤(油性軟膏、乳剤性軟膏、水溶性軟膏、ヒドロゲルを含む)、パスタ剤等が挙げられる。ここで、その他の成分としては、イソプロピルミリステート、界面活性剤、アルコール類、多価アルコール類などの経皮吸収促進剤等が挙げられる。【0017】水溶液や軟膏として調製する場合は、5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩の分解を防ぐためにアルカリ性にならないように留意して調製する必要がある。アルカリ性となる場合は酸素を除去することで分解を防ぐことができる。この点を注意すれば通常使用される液剤や軟膏の基剤成分と組み合わせて使用することができる。【0018】本発明組成物を用いてピーリングを行うには、目的とする皮膚に本発明組成物を適用後、当該部位に光があたるようにすればよいが、当該部位に光照射する(フォトダイナミックピーリング)のが好ましい。本発明組成物の皮膚への適用手段としては、有効成分が皮膚から吸収される手段であれば制限されないが、噴霧、塗布、湿布、イオントフォレーシス等の手段が挙げられる。皮膚への適用量は、通常成分の皮膚100cm2 当たり有効成分である5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩が5−アミノレブリン酸塩酸塩換算で10mg〜10g、より望ましくは100mg〜5g、更に望ましくは1g〜5gである。本発明組成物適用後光照射までは、効率の面から適用部位を遮光するのが好ましい。【0019】次に光照射を行うが、有効成分の経皮吸収性及び代謝の観点から、本発明組成物を適用して2〜48時間、特に4〜24時間後に光照射するのが好ましい。また、光照射にあたっては、皮膚上に残存する本発明組成物を除去してから行うのが好ましい。照射する光は635nmを中心にした可視光又は635nm近辺のレーザー光が良く、照射強度は1〜100J/cm2 、特に3〜10J/cm2 が好ましく、照射時間は1分〜50分、特に10分〜30分が好ましい。【0020】本発明による処理後は3日間程度処理箇所が赤くはれ、その後皮膚の表面が自然とはげてくる。個人差もあるが3〜4日から3週間で古い角質や表皮がはげ落ち、シミやそばかす、にきびの除去、肌の張りやつやの回復、しわの改善、面皰後の改善、面皰の生成防止と言ったピーリング効果が現れる。【0021】本発明による処理は通常1度で十分な効果を示すが、更に効果を強めるために複数回行うこともできる。【0022】本発明によるフォトダイナミックピーリングの機序は明らかではないが、次の如く推定される。すなわち、細胞、組織が死ぬ形態としてネクローシスとアポトーシスの2通りがある。ネクローシスは薬剤や熱などの外的要因により細胞が障害されて死ぬものであるが、これが起きた時は、血管の拡張、炎症細胞がその局所に集まる等の炎症反応が引き起こされ、また、その後色素細胞におけるメラニン色素の産生亢進が起こる。一方、アポトーシスは細胞内の内的要因により、細胞がいわば「自殺」するといった細胞死の形態であり、この細胞死は炎症を伴わない、あるいは伴っても微弱であることが知られている。ケミカルピーリングやレーザーピーリングは薬剤や熱で表皮細胞を殺すネクローシスの機序による方法であり、炎症や色素沈着等あるいは瘢痕形成の障害が起こりやすく、それが、3ケ月、6ケ月時には1年以上も遷延することがある。これに対してフォトダイナミックピーリングはアポトーシス様機序で表皮細胞を死なせるものと考えられる。外的に投与された5−アミノレブリン酸は表皮細胞に取り込まれた後、その細胞におけるヘム生合成経路に入り、プロトポルフィリンIX等の光感受性物質に転換されて細胞内に蓄積される。プロトポルフィリンIX等の光感受性物質は、これを励起する光線にさらされた後、活性酸素を生み出し、結果として当の細胞は「自殺」する。5−アミノレブリン酸の塩及びその誘導体を投与した場合も体内で5−アミノレブリン酸を誘導し、誘導された5−アミノレブリン酸が同様の機序を引き起こしているものと考えられる。以上のように、本発明のフォトダイナミックピーリングは、アポトーシス様機序による細胞死であるため、炎症や色素沈着、発赤等の障害が起こりにくいと考えられる。【0023】【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらは単に例示の目的でかかげられるものであって、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例は、医師の診断により、完全なるインフォームドコンセントの下で行われた。【0024】実施例1.日本薬局方親水軟膏(ヨシダ製薬)に5−アミノレブリン酸塩酸塩を20重量%の濃度になるように添加し良く混ぜた。この軟膏10gをインフォームドコンセントを得た22歳の女性の顔面左半分に塗布し、サランラップで覆い更にその上にアルミ箔で遮光を施した。4時間後患部を洗浄し、浜松フォトニクス社製エキシマダイレーザー(PDTEDL1)にて波長635nm、強度5J/cm2 にて30分間照射した。照射後、局所に浮腫性紅斑を生じたが、3日目から徐々に消失し、これと同時に皮膚表面に薄いかさぶたが生じ、入浴時、洗顔時においてかさぶたになった古い表皮成分が徐々にはげ落ちるようになり、施術後3週間でピーリングが完了した。顔の左右の比較で、皮膚の張り、しわ、色素沈着、ニキビ痕等が明らかに改善した。治療後6ケ月間のフォローアップにおいても治療箇所は良好であった。【0025】実施例2.実施例1と同様に調製した軟膏5gをインフォームドコンセントを得た24歳の女性の右頬6cm×6cmに塗布し、サランラップで覆い更にその上にアルミ箔で遮光を施した。12時間後患部を洗浄し、浜松フォトニクス社製エキシマダイレーザー(PDTEDL1)にて波長635nm、強度5J/cm2 にて15分間照射した。照射後、局所に浮腫性紅斑を生じたが、3日目から徐々に消失し、これと同時に入浴時や洗顔時古い表皮成分が徐々にはげ落ち、施術後6日目には完全に古い皮膚がはげ落ちピーリングが完了した。左頬の同箇所との比較で、皮膚の張り、しわ、色素沈着、ニキビ痕等が明らかに改善した。治療後6ケ月間のフォローアップにおいても治療箇所は良好であった。【0026】【発明の効果】本発明のピーリング用組成物を用いれば、患者への負担が少なくかつ有効なピーリングが可能になる。 5−アミノレブリン酸、その誘導体及びそれらの塩から選ばれる化合物を含有するフォトダイナミックピーリング用組成物。