Pのスパルタダイエット
765プロ、ここではぷちどると呼ばれる奇怪な生物が存在している。
空を飛べる奴、穴を掘る奴、増える奴、人間相手に発情する奴と、まあいろいろだがそのなかでも今一番存在感を放っているのはこいつだ。
「や゛ぁ゛ーーー」デップリ
腹は親父のビール腹を彷彿とさせ、もともと比率の大きかった顔はむくみまくってて正直気持ち悪い…
「ま、真…これ、何?」
「じ、実はバレンタインにファンの方から大量にチョコもらっちゃって…捨てるわけにもいかないから食べれない分まこちーにあげてたらこんなことに…」
「や゛ぁ゛ーや゛ぁ゛ーー」ゴロゴロ
まこちーは自力で立ち上がることもできないようで床をごろごろと転がっている。
「太るにも限度があるだろ…これじゃあ病気になっちまうぞ」
「ダイエットさせようともしたんですけど 、どうやら自力じゃ動くことも出来ないみたいで…」
「や゛ー」グイグイ
話している最中にもまこちーはエサを真におねだりしている
「それにかわいいからこのままでも…」
かわいいかこれ…クリーチャーじゃないか
と、言おうものなら拳が飛んでくることは目に見えているので黙っておく
「とにかくこのまま太らせたんじゃまこちーも危ないだろ、ぷちどるを看てくれる病院なんてないんだからな」
「でも動けないんじゃダイエットもさせようがないし…」
「何も運動だけがダイエットじゃないさ、バランスの取れた食事制限だって立派なダイエットだ、それにまこちーは3日あれば痩せられるんだろう?」
「ま゛き゛ょ゛!ま゛ぎ゛ょ゛ー」エッヘン
まこちーはドヤ顔でハンバーガーにかぶりついている
「何なら何日か俺に預けてみないか?真じゃあまた甘やかしてお菓子とかあげちゃうだろ?」
「でも…まこちー寂しがるし…」
寂しいのはお前だろう…しかししょうがない、3個目のハンバーガーを貪ってるまこちーにこっそり耳打ちする
「まこちー、家にくればお前の大好きなお菓子を嫌というほど食わせてやるぞ」
「ま゛ぎょ゛!?」ピクッ
わかりやすいやつ…
「ま゛ぎょ!やー!」 ミブリテブリ
「プ、プロデューサー、なんか行きたがってます…」
哀れな真…お前の愛はお菓子にも満たないらしい
仕事を終えまこちーを連れ帰宅、真は一日テンション低かったな
家に着くや否や
「や゛ー!まぎょ!まぎょー!!」ジタバタ
鞄に入れておいたまこちーが急に暴れだす、つーか重いんだよお前…10キロくらいあるんじゃないか…
とりあえず鞄から出す、どうやら何か食わせろと催促しているみたいだ
「ま゛ーぎょ!まーぎょ!」ゴロゴロ
子供みたいに床をじたばたとし駄々をこねる、真…躾って言葉知ってるか…
とりあえず俺も腹が減った、暴れるまこちーを無視して夕飯を作る
「み"ゃぎょー!!」
うるせえ…どんだけ食に対して貪欲なんだ…
よし完成、待たせたなまこちー
「…ま"ぎょ?」ナニコレ
机に並べられた料理を見て、まこちーは頭に疑問符を浮かべる
ご飯、めざし、梅干し
以上
「今日からダイエットだまこちー、当分は俺が用意したものしか食べさせないしお菓子もなしだ、お前が元の体型に戻るまで事務所にも連れて行かないからな、覚悟しておけよ」
「 まぎょ!?やー!やー!!」 ジタバタ
約束が違う!といって大暴れするまこちー、アホみたいだからそのじたばたはやめろ…
「あんまり騒ぐと飯は水だけにするからな、真の躾にも問題はあるけど一番悪いのは自分の体も管理できないお前なんだからな」
「や"ー…」グスッ
水だけにされたら命に関わるということ ぐらいは分かるのだろう、ぼそぼそと食事を食べ始める。お前が泣きながら食べているのは俺の日常的な飯なんだぞ…、なんでこいつらの飯代俺の給料から払ってるんだよ…、いつか訴えてやるからな
まあ今はあんなブラック企業のことはどうでもいい、俺も食うか
その夜、
「まぎょー…」ギュルルル
まこちーの腹の音が隣の部屋で寝ている俺にまで聞こえてくる、うるせえ…
結局一睡も出来ないままダイエット2日目を迎える
ダイエット2日目
「ぐぉ~~ぐぎゅうう~~」ギュルルル
まこちーは眠りながら腹を鳴らしている、なんでデブってみんないびきがうるせえんだよ…
「まこちー起きろ、飯の時間だ」
「まっまぎょ!?」ガバッ
飯という言葉に反応したのか、飛び起きた後、
「ま…まぎょ~…」ガックリ
昨日の事を思い出したのか、露骨にがっかりした顔をする
なんかムカつくな…
ほら飯だ、さっさと食え」
おにぎり たくあん
以上
「や~…」グスッ
お~お~泣け泣け、水分が抜けて好都合じゃないか
「じゃあ俺は仕事行くから大人しく留守番しとけよ」
「まぎょ~…」グスッグスッ
まこちーはこちらを見向きもせずおにぎりとにらめっこしながら涙を流している
765プロに出勤した途端、真が興奮気味に俺に話しかけてきた
「プロデューサー!まこちーは大丈夫なんですか!?寂しくて泣いたりしてませんよね!?」
「まあ何とかやってるよ。それより真、お前もう少しくらい叱るってことを覚えた方がいいぞ」
いやマジで
「何言ってるんですか!どうせプロデューサーが僕のまこちーを理解してないだけです!言っときますけどまこちーにケガでもさせたらタダじゃおきませんからね!」
こいつモンペの素質あるな…
今日は忙しかった…
例によって金髪毛虫といおが大喧嘩し、事務所が今月3回目の建て直しの対応に一日中追われることになった。
ていうかあの毛虫いおのビームで黒こげになっていたけど生きてるのか?
まあ生きてるだろうな、ぷちどるだし
家に帰宅すると既に11時を回っていた、そういやまこちーの昼飯忘れてたな
そんなことを考えながら玄関のドアを開けると、
「まきょ!まきょ!まきょ!まきょ!まきょーー!!」ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ
俺が非常用に大切に保管しておいた頂きもののクッキーをまこちーが猛烈な勢いで平らげていた
「まぎょ~」ゲップ
4人前はあったであろうクッキーを全て平らげご満悦なまこちー、高級品だからなあ、さぞうまかったろう
「ま…ぎょ~」ウトウト
寝床に戻ることもせず、その場でウトウトし始める、見ると食い物を漁ったのだろう部屋が台風が通過したかのように荒れ果てていた
どうも俺は甘かったようだ
「起きろ!」オイウチノキワミ!
仰向けになって無防備になっているまこちーの腹を思い切り踏みつける
「まぎょ!?…ォ…ォォ…」ウプ
この腹だ、大したダメージではなくても
「ま…ぎょ…ォェェ…」ゲロロロロ
胃の中を盛大にぶちまける、最初からこうすりゃ良かった
床にゲロをぶちまけるまこちーの後頭部を持ち
「おら!」タタキツケル!
ゲロに顔から突っ込ませる
「ま!まぎょ!?まぎょー!!」ジタバタ
必死に暴れるが腹がつっかえて手足が床に届かない、せっかくの怪力も形なしだな
充分にゲロの匂いを味あわせた後、
「うら!」ドカッ
渾身の蹴りを腹にかます
「まぎょえっ!!」
1メートルほど吹っ飛び、
「まぎょ~!まぎょ~!!」オオナキ
ゲロまみれで火がついたように泣き始める、しかし甘やかすつもりはない
「自業自得だ、人がせっかく協力してやったってのに…ゲロはてめえで片付けな」
泣き止まないまこちーを無視してさっさと眠ることにする、今日は疲れた
「ま…ぎょ…まぎょ…」シクシク
その夜まこちーは一晩中泣き続けた、何で自分がこんな目に…
朝、俺がリビングに行くと
「まぎょ~グスッまぎょ~」シクシク
まだ泣いてるよ…
「おら飯だ!」バシャッ
そう言って水をまこちーにぶっかける、まあ水やっときゃ簡単には死なんだろ
「まぎょ!?まぎょ~まぎょ~」オオナキ
再び泣き始めるまこちー、どんだけ甘ったれだよ…ピッコロさんの気持ちが分かるな
しかし仕事中にまた部屋を荒されては適わない泣いてるまこちーをベッドに固定し、縛りつける
「まぎょ~!や~!やぁ~!!」ジタバタ
今までにないほどに大暴れするまこちー、やっぱぷちどるって縛られるの嫌いなのか、俺は好きなんだけどな
おっと急がないと遅刻してしまう、暴れるまこちーを無視し、会社へと急ぐ
今日はあふぅの葬式らしい、しかしみんなの顔に涙は無く、何故かとっても晴れやかだ
まああいつ臭いしな、風呂も歯磨きも全然しねえし
今日は早く帰れそうだ
家に帰るとまこちーは相変わらず泣き続けていた、脱水症状起こすぞ…
エサに水をぶっかけ俺も眠りにつく
朝、今日は休みだ。一日中にまこちーに付き合わないといけないとなると少々憂鬱だが
「ま…きょ…ま…きょ」
もはや泣く気力も無くしているようでなによりだ、やっと静かになる。
しかし腹が減ったな…まこちーには悪いが俺はダイエットしてるわけじゃない、たまには豪勢に行こう
とっておきのローストビーフを用意する、すると
「まきょっ!?まきょ!やぁー!!」ジタバタ
水を得た魚のように暴れだすまこちー、そういやお前の好物だったっけか…
しかしここで甘やかしてはあのモンペと同じだ、心を鬼にして朝食の水をぶっかける
「やぁー!ぅー!きゅー」ジタバタ
どうしても諦めきれない様子でじたばたを止めないまこちー、そんなに好きか…てか興奮しすぎて鳴き声おかしいぞw
うるさいのでさっさとチキンを平らげ、優雅に食後のコーヒータイム、それにしてもチキン食ってる時のまこちーの顔ときたらw…いかん、何かに目覚めそうだ、これはしつけってことを履き違えては行けない
当のまこちーは魂の抜けたような顔をしているが、ダイエットの成果はあったようだ、ほとんど元の体系に戻っている
若干顔色が悪いようだがまあ簡単には死なんだろう、ぷちどるだし
しかしダイエットで怖いのはリバウンドだ、同じことを繰り返さないためにももう少し様子を見たほうがいい
「…ま……やー…」ゲッソリ
弱り切って鳴くことも少なくなったまこちー、これもお前のためだ、こらえろ
更に2日経過、まこちーはほぼ骨と皮だけの状態になり、ストレスによってつやつやだった肌は見る影もなく、寝不足で目には生気がなく、
「…ヒュ……ヒュ…」
と、末期の呼吸音だけが聞こえるようになった。
…やべえ、流石にやり過ぎたかも
これ以上やると死んでしまいそうなので明日にでも真に返そう、なーにこれにこりてまこちーもこれからは暴食を控えるさ
翌日、まこちーを連れて事務所に向かう、まこちーを見た真は
「何…ですか…これ…」
「…ヒュ……ヒッ…ヒュ」
真は驚きのあまり言葉が出ないようだ、しかし目には確かな怒りの炎が宿っている。
「お、落ち着け真!ま、まあ確かにやり過ぎたかもしれんがこれはリバウンドを防ぐための大事な…」
そこまで言った所で真の拳が顔面に飛んでくる、ああ…短い人生だった…
「…この件は社長に報告しますから…」
意識を失いかけている俺に真から死刑宣告が投げつけられる
まだ就職して2か月しか経ってないのに…
真は急いでまこちーを連れて帰宅する。早く何か食べさせないと…
餓死しそうな時に急に食べ物を与えてはいけないのだが…まあ、ぷちどるだし
「さあ、まこちーの大好きなケーキだよ!好きなだけ食べていいよ!」
そういってケーキを1ホール丸ごと差し出す真
「ま…きょ…ヒュ…」
まこちーは虚ろな眼をでケーキを見据えた後
モグッ…
まず一口
モグッ…
もう一口
もう一口、次第に眼に輝きが戻りだす
「まきょっ…」モグッ
「まきょっ…まっきょ…」モクモグ
「まきょーーーー!!!!!」ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ
血走った眼でケーキに襲いかかるまこちー、あっという間にケーキを平らげ
「まきょー!あああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ガブリ!
血走った眼で真の腕に噛みつく
「い、痛いよまこちー!食べ物なら一杯あるから!」
「まきょー!!?ぎゅやーーー!!!」ガブガブ
まこちーは相変わらず真の腕に噛みついたまま血走った眼で真を睨み餌を要求している。
噛みつかれたままで何とかローストビーフを用意する
「まきょっ!!?くぁぁぁぁぁ!!!」ガバッ
今度はローストビーフに襲いかかる、もう真は視界に入っていないようだ
「ま、まこちー…」ブルブル
真は恐怖した。一切遠慮のない力で噛みつかれたため腕からは血が流れていた
今のまこちーはまるで飢えた狼のようだった
あっという間に家の食べ物全てを平らげる。
「…ま、満足した?まこちー…」
真はそっとまこちーを抱き上げようとする
しかし
「やぁぁぁ!があぁぁぁ!!」ガブリッ!!
まこちーは触れられることを異常に恐怖した。家の食べ物を全て食い荒らした後
「まきょっ」ガルルル
周りを威嚇し続け、近付く者は片っ端から襲いかかった
そして、それは事務所でも同様だった
「やー!!」ボカッ
「ぴぎゃっ!!」
飯時になると他のぷちを襲いだし、食料を奪う、もはやまこちーには全てが自分の食べ物を狙う敵に見えていた
そんな日常が続く、まこちーは他のぷちを襲うため、事務所からは出入り禁止を命じられ、家で飼おうにもその凶暴さと食べ物を際限なく食い荒らす点から、ついに真の両親からまこちーを飼うことを禁止された。
そして
「ごめん、ごめんよまこちー…」
「やー!?やぁぁぁ!!」ガタガタ
大暴れするまこちーを檻からだす、もう野生に返すしか手段はない
「やあぁぁぁー!!」ダッ
檻からだすとまこちーは一直線に外へと駆け出した
その後、人間を襲う新種の生物として日夜ニュースで騒がれるが、それも時がたつと一切の噂を聞くことがなくなる。
無事に新しい飼い主が現れたのか、それとも…
終わり
- 最終更新:2014-02-21 12:54:16