2009.11.14 Saturday
■真相2. 知らないと大変。有機野菜は危険
世はあげて「有機野菜信仰」。
ここのとろ、都心でも、「産直」「有機」の野菜市出現して活況を呈しているようです。
ほとんど毎日、テレビで流されているグルメ番組。「このレストランでは有機野菜を使用しているので、自然の味そのまま!」なんてグルメレポーターが言ってますね。どこも判で押したようなお決まりのコメント。
それにしても、「有機野菜」の文字が多すぎやしませんか?
スーパーでも、「有機」の文字のラベルを多く見かけますよね。
そもそも農林水産省が認めている“唯一の”有機野菜は、平成18年に施行された有機農業推進法に基づいて設けられた「有機JAS規格」の検査認証を受けた農産物だけです。
スーパーの店頭などで「有機」「オーガニック」などと表示されている野菜は、有機JAS規格に適合した野菜だけでなければならないのです。
こんなマークが貼ってあるはずです。
そもそも、国が認める「有機野菜」の定義とは…
・種まき又は植え付けする2年以上前からほ場(畑)の土に禁止された農薬や化学肥料を使用していないこと
・栽培中も禁止された農薬や化学肥料を使用していないこと
・使用する肥料や農薬は天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するもののみ
・ほ場や施設、用具などに農薬や化学肥料の飛散・混入がないこと
・遺伝子組換えの種を使わないこと
・病害虫を防除するのに農薬に頼らないこと
以上の最低条件を満たしていないと、 「有機野菜」「有機農産物」と表示することはできません。
上のマークでなく、他のデザインで「有機」と表示されたものは、偽装有機野菜だと思って間違いないです。
現在、有機認定農業者は全国で約1,500軒ありますが、そうした農家から生産された有機JAS規格認定農産物は全体の0.2%と言われています。
たった0.2%。
なのに、スーパーから、果てはスウィーツまで「有機」、「オーガニック」と名前がつけられています。おかしくありませんか?
そして、この1500件の有機認定農業者のうち、何%かは危険な有機野菜を作って市場に出しているのです。理念を忘れて、単なる金儲けのために。そうした輩は「人の健康など、知ったこっちゃない」のです。
この中には、不心得者の大手外食企業も入っているようです。
「有機野菜=安全でおいしい」という短絡思考は、ちょうど偽装料亭・吉兆の残飯料理を「名流の絶品」と評して政界・経済界のエピキュリアンたちがこぞって推奨していた構図とそっくりです。
「今日は社長に、とびっきり名流の逸品を召し上がっていただこうと思いまして、吉兆にお連れしました」なんて、接待はしたものの、その実、前の客が残した残飯だった、という笑えないオチ。
これでは、接待した側も、接待された側も「アホやん」ということですね。
まして、接待された側が「これは上品なお味で」なんて言った日にゃ、目も当てられません。
バラエティ番組で、グルメ通を自称している石田純一が、1000円のワインを「これぞ高級ワイン」と言い放って、含蓄をたれている図と同じです。
「有機」だからウマイいはずだ。希少価値があるから高いのは仕方がない。安全という付加価値の分だけ余計に消費者もコストを負担しなければならない。本当にそうですか? これでは人が良すぎはしませんか。
「有機=安全」。このイメージは、ほとんど勉強してこなかったマスコミの連中が勝手に書きたてたことから定着したものです。
このブログのサブタイトルは、『理不尽の向こう側には必ず何かがある』です。これから、その向こう側にいってみましょう。
ということで、こんな本が話題です。新刊ではありませんが、その内容がセンセーショナルなためか、いまだ売れ続けています。
題名は「本当は危ない有機野菜」。
本当は危ない有機野菜―リサイクル信仰が生み出す「恐怖の作物」 (単行本)
松下 一郎 (著), エコ農業のウソを告発する会 (著) 価格: ¥ 1,365土壌・環境関係の指導員の松下一郎氏が書いた本で、その衝撃的なタイトルどおりの内容となっています。
以下は、著者の松下一郎氏とコンサルタントの方(このリンク先サイトの管理人)との会話を対談形式でまとめたもの。この「本当は危ない有機野菜」の本の中身が、分かりやすく解説してあります。
「いのちの文化研究所 赤心庵2」
http://plaza.rakuten.co.jp/yasuo06totoneco/diaryall
からの抜粋です。
サイト「餌を自給できている家族農業の農家さんのところで生産された牛のフン尿ばかりなら
、『本当は危ない有機野菜(徳間書店刊)』の本も必要なかったろうね、きっと。あの本は、実は家族経営の農家さんや、本来の農業の応援の本でもあるんだよね。」
松下「そうなんです。なんといっても、フン対策を徹底することだと思うよ。トリ類のフンにはいろいろなウイルスや細菌が含まれているからなるべく触るな、というのは動物を扱う場合の常識なんだから。」
鈴木「他の例ではどうなんだろう。先例は?」
松下「先進県っていったら失礼になるけれど、宮崎県なんかはケイフンを燃やすボイラーの開発までやったね。これは今後の大型畜産には絶対に必要になる措置ですよ。でないと、大型畜産が続けられなくなる恐れがでてきた。じつは、宮崎では、現地の住民の同意を得られず、養鶏場建設計画が断念したって話があった。」
鈴木「適切な処置がない限り、感染列島になるというわけだ。先進国日本だから、先進国の大型畜産があればこそ起きるという事実も今回の本に書いたしね。」
松下「動物のフンは手放しで安全、だから有機栽培は安心・安全っていうリサイクルの神話があるかぎり、日本のどこでもおこりうる光景だということを、ぜひ読者にはわかっていただきたいなあ。」
6月13日づけの「日本農業新聞」の報道は、かなりの衝撃を与えたようです。
なぜか?なぜこのようなことが起きたのか・・・?
特に、昨年から今年にかけての「化学肥料」の材料である「石」(化石)が、中国やアメリカなどから来なくなったために、肥料が値上がりして品不足になりました。
その結果、やむを得ず「ただ同然」で手に入る「有機質肥料」、つまりケイフン由来、ブタ由来、ウシ由来の未熟なたい肥をやむなく畑に投入した農家が多かった、と聞いています。
もちろん「トウモロコシ」も、(その前からずっと)アメリカから入ってこないので、ウシやトリが食べるエサも、動物性の混合飼料となっていました。
草食動物が動物性タンパク質で育ったわけです。
で、そのフンはどのようなものとなるでしょう?…はい、そのとおりです。
●仮に、たい肥が十分に発酵していても、所詮は動物由来の肥料ですから「タンパク質」や「炭水化物」が主成分です。畑で「腐敗」が始まるのも無理はありません。
そして、ダニが大量発生して、まずはじめに一番弱い「ホウレンソウ」がやられたというわけです。
怖い話です。続報が待たれます。もう農薬でやっつけるしか方法はないのですが…。
ホウレンソウ君、ごめんね。人間のエゴで君たちが死んで行く…
以下、「眉間にビビッ管理人」による補足記事のソースです。
■有機農産物を生食する危険
http://park19.wakwak.com/~agriwld/deji/0-157/0-157.htm
「肥料協会新聞部」より
http://park19.wakwak.com/~agriwld/
●さて、この本、『本当は危ない有機野菜』だけが、つまり著者の松下だけが「堂々と」、ゆき過ぎた有機農業に対して警告を発した、最初の「現場の農業関係者」です。
当時、類書を書いている他の著者は、有機農業の本質をここまで暴いてはいませんでした。
松下のこの勇気ある発言に触発されて、いま、あちらこちらで論争が巻き起こっているようです。
●ある、大手の有機野菜宅配システム業者は(←)、ろくに調べも検証もせず、「家庭生ゴミ・リサイクル」を推奨していたばかりに、松下の著作を読んだ自分のところの会員から突き上げを食って、あわてて下部組織を使って釈明っぽいことを述べましたが、その反論は実に奇妙な内容でした。
どうやら方針を転換せざるを得ないのではないかと思うのですが、如何なものでしょう。
泥つき野菜をそのまま送ってくる直売農家もホントは危険です。
なぜなら、その土が安全な土かどうかは、検査しなければわからないからです。
ひょっとすると、寄生虫の卵子が混じっているかもしれません。
有機野菜にもいろいろあり、有機農業にもいろいろあるのだということです。
●動物由来の有機たい肥を使って野菜を作るばかりが、有機農業ではありません。
もみ殻や枯れ葉、ワラなどを熟成させて無機質に近いものにして肥料にしている農家や、化成肥料(化石肥料)を追肥に使っている農家も、伝統的有機農家なのです。
何度も言ってきていますが、熟成した動物フン由来のたい肥は、カビ毒や寄生虫、人間にとって有害な重金属が消去しているわけではありません。
また塩分やそのほかの無機成分のバランスがいいわけでもありません。
(下水汚泥由来たい肥のほうが、チェック体制が法律で決まっていてしっかりしているので、まだ良いわけです。(笑))
●松下の率直な告発のおかげか…そういうことにはじめから気づいていた農家の方や、これから農業へ参入しようとしている企業などから、松下へたくさんのエールが寄せられています。
●『本当は危ない有機野菜』が、中国の大手出版社が翻訳権を買って、台湾、マカオ、香港、上海で、翻訳されての出版が決まりました。
社長が暴言! 「日本の農業の問題点」について毒舌!「曲ったキュウリはただ曲がっているだけで問題なし」という意味の発言!(笑)
●BS8(BSフジ)で、昨日の夜(LIVE)、「日本の農業の問題点」について、ワタミの社長さんがコメンテイターとして話しをされていました。たくさんの????・・・が語られましたが、それはあの方だから「まあ良し」として(笑)、ひとつだけ取り上げておきたいと思います。
「キュウリだって曲がっていたっていいじゃないか、立派なキュウリです。まっすぐなものしか売ら(れ?)ないような仕組みが悪い。だから曲がっているキュウリははずされる。うちでは(ワタミでは)使っています。料理してしまうんだから同じ・・・」
おおむねそのような元気のいい発言がありましたね。
それに対して参加のパネラーは、頷きこそすれ、誰一人反論しなかったのは、知識不足か??あの「スローフードな日本!」の島村 菜津さんも参加していたのに、何も言わなかったですね。
ともかくも・・・
■ キュウリ果実が曲がってしまうのは?
キュウリ果実には、すんなりとまっすぐ伸びた正常果のほかに、曲がり果・肩こけ果・尻太り果・あるいは双胴果や葉つき果のような奇形果があって、これらを総称して「不整形果」と言います。
葉からの養分が順調に流れないと不整形果となります。
曲がりの程度が大きいほど果実肥大が遅い。
葉の枚数が病気などで少なくなると多く発生します。
なりはじめのころは正常果が多いが、やがて収穫終盤にちかづくほど曲がり果が多くなっていきます。栄養不足になると果実が大きくならず、小さい果実ほど曲がりがひどくなります。
雌花が小さくなってきたら、液肥や速効性の化成肥料を施します。水分不足になると曲がり果が多くなるので、小まめに水やりをします。日照不足や株の老化でも曲がり果は多くなります。果実内にタネが均一にできないことも曲がり果の原因になるので、リン酸がよく効くようにします。
原因は、管理不足、栄養不足。
スイカが丸くないのも曲がりの一種である肩こけ果とみていい。
カリウム過剰。
スイカの肉質がわるくなるのも、主として敷き藁や日除けがないための管理不足。とくに日にあたりすぎて高温になったときに発生。
●有機農業でつくられた「曲ったキュウリ」は「正しい曲がり」だとでも言いたげな発言でした。私から見れば、要するにお勉強不足ではないでしょうか?
いま、ふと思ったのですが、ワタミさんは北海道で多くのトラブルを起こしているようですが、社長がこの程度のご見識では、そのトラブルがどんな内容なのか気になります。また、ワタミさんが作っている「有機たい肥」というものも興味が出てきました。
そこからは、決して「寄生虫の卵」や「重金属」「抗生物質」や原虫などは出ないと思います。
社長が言うところの有機農業は「ゆき過ぎていない」有機農業であることを祈っています。
●ちなみに、農政批判をされておられました。
もっと企業が農業に関わることができるような規制緩和を求めるとか。
概要は特段変わったことはなく私もほぼそう思う、という意味でおっしゃるとおりですが、いくつか質問があります。
仮に、これから企業に対しての農政は、現状よりかなり企業寄りの法的改正などで農業振興を求めたとします。
では、その企業が永久に存続する保証についてはどうでしょう。経営環境がそれなりの時代背景でこれからも悪化したとします。現に農業に参入したものの撤退していった大企業がたくさんあります。ユニクロさんもオムロンさんも…要は赤字営業など続ける方がおかしいわけです。撤退が正解でしょう。では、そのとき置き去りにされ捨てられる農業や農地はどうなるでしょう?
誰も引き継がない赤字法人に誰が金を出しますか?
農業は一度始めたら絶対にやめないための50年です。(義務はありませんが)
(08年、法改正で50年借地となりました)
で、質問です。経営赤字でも農業を続けますか?
●ワタミさんは10億円を投入しても赤字だそうですが、100億円投入しても赤字だったらどうしますでしょうか?やはり撤退ですか?おそらくは「撤退しない!」とは言い切れません。
だからおいそれと企業に農地を売るわけにはいかないのも農業の現実なのです。
どうでしょう?その点は。間違っていますか?
いまはブームだからというのもあるでしょう。ではブームが去ったら誰が農業をやっていくのでしょうか。赤字経営でもワタミさんは給料を払っているそうですが、それが経営というものでしょうか?いや経営赤字が続くときっと撤退されることでしょう。
まず、曲がったキュウリをお店で使わないようにしましょう。
使ってほしくありません。
そのキュウリは明らかに栄養不足だからです。有機でも例外はありません。そんなものを食べていると、私たちの体調にもやがて変化が現れないとも限りません。
切ってしまえば分からない、有機だからしょうがないんだ、これが自然の姿だ、などと思ってほしくないのです。
キュウリはまっすぐなものしか食べない、使わない、ようにしましょう!
とりあえず、独り言を申し上げました。
●ワタミの社長も知らないことが、6月29日に発売になる 『野菜畑のウラ側』に、いっぱい書いてあります。
以下、「眉間にビビッ管理人」による補足記事のソースです。
ソースは「肥料協会新聞部」HP
http://park19.wakwak.com/~agriwld/
■有機農産物を生食する危険
http://park19.wakwak.com/~agriwld/deji/0-157/0-157.htm
■農業版「耐震偽装疑惑」
http://park19.wakwak.com/~agriwld/deji/watami.htm
■ワタミ疑惑追及 第二弾
http://park19.wakwak.com/~agriwld/deji/watami02.htm
■ワタミ疑惑追及 第三弾
http://park19.wakwak.com/~agriwld/deji/watami04.htm
ワタミは4年前、全席禁煙の居酒屋を数店出しましたが、採算が取れないとわかると即時、撤退。営利事業だから当然なんですが、「環境・エコ」を利用している「理念なき企業」と揶揄されても仕方がありません。社長を始め、幹部連中は、もっとしっかり勉強して欲しいものです。
http://long-peace.seesaa.net/article/131587601.html
●有機野菜は昔の味がするというウソ
盲目的なゆきすぎた有機野菜信仰の恐ろしさについては、『本当は危ない有機野菜』(徳間書店刊)に詳しいので省きます。ここでは「有機野菜はおいしい」「昔の野菜の味がする」と言われている有機野菜について申しあげます。
自称有機野菜はたしかに濃い味がします。だから有機野菜はいいんだ、ということではありません。そうおっしゃる方はたぶんスーパーなどで売っている野菜などと比べているのだと思います。何がいいのかと言えば、味が濃くおいしく感じるからいいんだ、ということだと思います。
味が濃ければたしかにおいしく感じますし、野菜のミネラル栄養成分も有機野菜のほうがはるかに一杯入っていると思いがちです。実際にそうかもしれませんが、ここでは仮に百歩譲って有機野菜はおいしいとしましょう。ではなぜ有機野菜がおいしいのでしょうか?おいしく作れる訳をご存じでしょうか?
実は、ここに「有機野菜のひみつ」があります。つまり有機野菜でなくても普通の作り方をした野菜でも、やろうと思いさえすれば、つまりコストさえ無視すれば、理論的にはあの昔の味や有機野菜とほぼ同等の味を出すことができるのです。実際に、コメなどの食味計検査で実証されているように、有機野菜でなくても一般栽培のものがおいしい場合も多数確認されています。
おいしい昔の味がする野菜をつくるひみつ、それは「つくり方」にあります。といっても無農薬、無化学肥料、動物性有機たい肥などの一般的有機野菜独特のつくり方を言っているのではなくて、畝(うね)での苗の並べ方や種の蒔き方、作付けの仕方のことを言っています。
どんな野菜でも、野菜と野菜の間隔を十分にとって植えつけるとどうなると思いますか? それはもうのびのびと大きく育つこと請け合いです。大きく元気にするにはまずはお陽さまの力です。お陽さまが体全体に当たるように、贅沢に間をあけることです。
つぎに味です。濃い味を作るにはどうしたらいいと思いますか?それには水を極力最低限度にしか与えないことです。そうすれば野菜は必死で水を吸い取ろうとして地下へと根を張ります。有機野菜の根が太く長いのが多いのはそのためです。そして水をあまり与えられない野菜は水分の蒸発を防ごうとして葉や実を厚く硬く引き締めていきます。有機野菜の皮や実が固いのが多いのはこのためです。
次に水分が少ないですから味は自然と濃くなっていきます。
出荷が近づくと与える水を増やしていきます。そうすると急激に水分が増えてみずみずしくなります。これでのびのび大きく濃い味のみずみずしい有機野菜の完成です。つまり大きく濃い味にするには、作物と作物の間隔を十分に空け、水を極力与えずに育てるといいわけです。ただし作物の量は少ないわけですし、無農薬ともなると虫に食われていることが多いので捨てるのも多く、それは当然のように価格にはね返ります。土も十分に休ませて回復させます。その分コストがかかるので有機野菜は価格が高くなるのが普通です。
しかし、一般の野菜はこのような贅沢な作り方はできません。価格競争ですからもうびっしりと畝に植えています。ただし、有機栽培ではない野菜でも、贅沢な育て方をされている野菜では、市場で高評価を与えられる作物となり「おいしい」と言われています。
すなわち野菜の味は、太陽の光を充分に当てて適切な管理をすることで確保されます。そういう意味では、有機栽培であってもびっしりと畝に植えられ太陽の日も十分あたらず、水の管理も無く育てられた野菜では、味が落ちます。
ですから、無農薬、無化学肥料、動物性たい肥の農法だから有機野菜はおいしいということは必ずしも言えません。むしろつくり方に独特の秘訣があるからこそおいしいと感じるのです。
もちろん、濃い味はアクが強いということにもつながります。アクには野菜独特の毒素が多い場合があることは前章でも触れました。さらに有機野菜は基本的には無農薬ですから、虫や細菌を殺す毒素を出すために、つまり自己防衛の結果、アクを強くしていかざるを得ません。充分なアク抜きが望まれます。
2009年の現在の日本国。座礁したイルカからも、汚泥からのリサイクル肥料製造所からも、そして日本人の体内からも…いたるところから水銀が検出されているようです。
問題は生ゴミリサイクルによる蓄積です。
下水処理場由来の汚泥からの「リサイクル肥料製造所」では、どうしても水銀が蓄積しがちにならざるを得ません。
「体温計や温度計の水銀が、生ゴミに混入するのには気をつけねばならない」と、水銀の出所を体温計や温度計にしなければならなかったリサイクル肥料製造所の職員の苦肉のインタビュー問答を聞いたことがあります。
実際に体温計や温度計がどれほど生ゴミに入っているというのでしょうか。呆れてものが言えません。
生ゴミリサイクルの作りだす肥料の中の水銀含有量を規制する法律はありません。
その他の重金属も生ゴミに混じっている場合もあるでしょうが、これを誰かがチェックして分析し報告する義務も法律もありません。
(下水汚泥のほうが基準があってまだましです)
また、家畜フンをたい肥とした畑の作物に及ぼす害についてですが、その野菜を食べることによる人体への重金属汚染はあまり知られていません。
なぜ家畜のフンに重金属が含有されるのでしょうか。それは家畜にとって必要な重金属が、人にとって有害となる場合があるからです。
人間にも亜鉛や鉄分が必要なように動物の種類によって必要な重金属の種類と量が変わります。
エサに添加された重金属は、家畜の体内で濃縮されフンとして排出されます。ご存じでしたか?
この家畜フンをたい肥にし、製造法や量や回数を考えることなく撒かれた畑があり、その土地で栽培された野菜を摂取すると、人の体内にも重金属は蓄積されていきます。
例えば、マンガンを長期に渡り自然摂取すると、全身倦怠感・食欲不振・頭痛・関節痛・脳炎など、強い神経障害やパーキンソン病に似た中枢神経系障害が出るという学者もいます。
病気はすぐには発覚しません。
少しずつ体調に変化が表れて次第に悪化し、長い時間をかけてその病気が発見されるのです。
そして生ゴミの中の抗生物質は、人が抗生物質を使う量が増えれば増えるほど増加傾向にあると考えられています。
もちろんそれは、使われずに多くは捨てられるということでしょう。
分別廃棄なので、アルミ包装を取ってそれは捨てられます。
また人の排泄物に混じる形でも抗生物質は廃棄されます。
また、家畜からもフンに混じるかたちで抗生物質は排出されるとみていいでしょう。
この抗生物質が、とくに有機栽培で利用されることの多いたい肥として生に近い状態で田畑に施用され続けていくならば、有機物を分解する土の中の微生物に少なからず影響を与える可能性がありそうです。
欧米では、『抗生物質を使用した家畜のフンで生産された野菜は、有機栽培とは認めない』とされているケース
(http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/codex/参照)
があるように、日本でも何らかの規制を決めるべきでしょう。
そうこう言っている内に「超多剤耐性」の菌が誕生していきます。
簡単にいうと、「超」強い菌であり、もっと分かりやすく言うと抗生物質や治療薬が殆ど効かない菌ということになります。
●無農薬なのに、虫がつかない野菜の恐怖
改良に改良が加えられて、つまり交配のために今の野菜とは似ても似つかないけれど、昔の野菜は、元は自然に生えていた植物の一つだと言えるでしょう。
ですから動物や昆虫に食べられないよう野菜だって自衛する必要があったと思います。
その防衛遺伝子だけは、なかなか改良が加えられないものの一つだとも言われています。
そういう植物の中には、食べられないように自分の体に毒を貯めるという方法で代々自
分と子孫を守ってきた植物があります。毒によって自分の弱い身を守るということは、植
物にとっては生き残るためにするもっとも自然なことだと言えましょう。
植物は動くことができず逃げようがありません。よって有毒成分によって自己防衛する
仕組みが発達したと考えられています。
その植物が身を守るために出す毒にはカフェイン酸、リモネン、アリルイソチオシアネートなどがあります。
カフェイン酸は別名「コーヒー酸」とも言います。カフェインと安息香酸ナトリウムとの塩複合体で、興奮、強心、利尿の促進に役立ちます。薬理作用は主としてカフェインと同じです。カフェインは脳の神経に作用して精神活動をよくします。
また、よく知られている働きに眠気や疲労感をとったり、頭が重い感じをスッキリさせたりします。
リモネンというのは、ミカンやレモンなどの柑橘類の皮に含まれている オレンジ油の成分です。このリモネンはスチロール樹脂(発泡スチロール)を溶かす性質を持っています。
すごいですね。(グレープフルーツのリモニンとは違います。リモニンはガンの予防効果があります)
そのほかには、分かっているだけで青酸化合体、有毒タンパク、フラボノイド、植物性ホルモン、テルペン、アルカロイドなどがあります。
もちろん人間にもその毒性を発揮してあまりある物質ばかりです。
フラボノイドなどはガムに入っていますが、もとは野菜の有毒成分です。
またワサビや大根おろしの辛みのモトにはグルコシノレート(カラシ油)があります。
このおかげで、大根やキャベツを多くの害虫が嫌います。
人間ではこれを摂りすぎると甲状腺の機能低下や腫瘍の発生が起きるそうです。
また、グルコシノレートが分解して出来る物質は、腎臓や肝臓障害の原因になるそうです
これは害虫に食われてダメージを受けた無農薬キャベツが作りだす物質だということです。
また、フラノクマリンという物質はセリ料セリのアクに多く含有していて、セリを大量に食べてこの成分を吸収した直後に太陽に当たったりすると皮膚に火傷様の炎症を生じせしめ、最悪は急性の心臓麻痺を誘発することもあるそうです。
これらの成分はコーヒーや野菜のうまみ成分なのですが、同時に強い毒性もあります。
それでも虫は野菜につきます。
植物の持つこうした毒に対抗するための特殊な酵素を出してその毒を中和しているからだと考えられています。
人間はどうでしょう。無抵抗ですね。
さて、野菜の多くは多かれ少なかれこのように毒性物質を含んでいます。その毒の多くは、前述もしましたが、一般的に「アク」と言われているものです。
こうした野菜のアクの中には発がん性物質もあり、残留農薬よりもはるかにリスクは高いと考えられています。
有毒成分が入っているのは何も野菜に限りません。
あらゆる食べ物には有毒成分が含まれていると言う研究者もいます。
そういう意味では絶対安心できる安全な食べ物などはないのかもしれません。
ちなみに、農薬で虫を排除している野菜よりも、無農薬有機栽培で作った野菜の方が毒は多くなる傾向があります。
何度も言ってきましたように野菜は自分で身を守る性質があります。
農薬だと虫の攻撃から自分を守ってくれるのに、それがないので自分で出す毒が多くなるのはむしろ自然の理屈でしょう。
無農薬有機栽培よりも、農薬を許容範囲内で用いた方が安全な野菜ができることになります。
また、農薬のおかげで害虫から与えられるストレスが少ないので、野菜自体は伸び伸びと育つことができます。
しかし野菜のウマ味の成分はまたアクや有毒成分そのものなので、これが抜けると皮肉にも味は悪くなるかもしれないという人もいます。
みなさんは、これだけ言っても野菜の出す有毒成分より、やはり農薬の方が危険ではないのかという疑念は消えないでしょう。
以上、松下一郎氏の著書
『野菜畑のウラ側』(ゴマブックス刊)より
これを知っても食べますか?野菜畑のウラ側 (単行本(ソフトカバー))
松下一郎著 鈴木康央+安全で安心な野菜研究会価格: ¥ 1,365