「洗顔石鹸」と「チューブ式洗顔フォーム」の大きな2つの違いを知ろう
固形の洗顔石鹸とチューブタイプの洗顔フォームの違いを知ろう
ドラッグストアやスーパーに行くと様々な種類の洗顔料を見つけることができます。
肌の健康に敏感な女性なら、一度はどちらを選べばいいのか迷った経験があるのではないでしょうか。
また、「洗顔フォームは肌に悪い」「無添加石鹸は肌にやさしい」そんな情報を鵜呑みにして石鹸を買い続けている人や、洗顔フォームのほうがスベスベになるという理由で洗顔フォームを使い続けている人など様々だと思います。
しかし、それぞれの違いをちゃんと説明できる人って意外に少ないのではありませんか?
ここでは、そんな洗顔フォームと洗顔石鹸の“2つ”の大きな違いについてお話ししたいと思います。
洗顔石鹸と洗顔フォームの違いは形状では判断できない
洗顔料を選ぶとき、固形だから「洗顔石鹸」チューブに入っているから「洗顔フォーム」というように形やパッケージだけを見て判断している人が多いのではないでしょうか。
しかし、実は形やパッケージは洗顔料の種類を判断するうえで重要ではありません。
どういうことかというと、固形でも石鹸ではない場合もあるし、チューブタイプでも石鹸と呼ばれるものもあります。
洗顔石鹸と洗顔フォームの違いは、
・配合されている「成分」
・弱アルカリ性か弱酸性か
上記の2つのポイントにあります。
まず1つ目のポイントは、配合されている『成分』です。
現在の薬事法では化粧品やスキンケアアイテムに配合されている全成分の表示が義務付けられているため、商品の後ろに記載されている成分表示を見ればどんな成分で作られているかがはっきりわかります。
そして配合されている成分によって洗顔石鹸か洗顔フォームなどの洗顔料かを見分けることができます。
一般的な石鹸の成分
洗顔石鹸には、ほとんどの商品の成分表示に“石けん素地”が表記されています。
石けん素地とは石鹸原料の油脂(牛脂やパーム油など)と水酸化ナトリウム(アルカリ剤)を合わせたときに発生する“鹸化(けんか)”という化学反応によって生成される固形石けんの元となる成分です。
つまり、石けん素地が配合されているアイテムはどれももれなく“石鹸”に分類されます。
石鹸は石けん素地そのものが洗浄成分となり界面活性剤としての役割を果たしているので石けん素地だけで汚れや油分の洗浄ができるのも特徴です。
液体状やチューブに入ったフォーム状であっても、液体石鹸の元である“カリ石けん素地”が主成分になっている場合、“石鹸”に分類されます。
【練り石鹸 和から】
カリ石けん素地を主原料に作られている、フォームタイプの練り石鹸。
一般的な洗顔フォームの成分
基本として石けん素地が配合されておらず、洗浄成分に“合成界面活性剤”が使用されている洗顔料は洗顔石鹸ではなく “洗顔フォーム”に分類されます。
合成界面活性剤とは、本来ならば混ざることのない水と油の境界面を混ざりやすくする性質を持つ化学合成された成分です。
この性質によって肌の汚れや余分な皮脂を落とし肌を洗浄します。
また乳化作用を持つため、水と油分が均等に混ぜ合わされた乳液やクリームをつくるためには欠かすことのできない成分です。
市販されているチューブやポンプに入った洗顔フォームに良く配合される合成界面活性剤は、「ラウレス硫酸Na」「ラウレス硫酸アンモニウム」「ココイルメチルアラニンNa」など。
洗顔石鹸が天然の洗浄成分を持っているのに対し、一般的に市販されているような洗顔フォームは合成界面活性剤を配合することによって洗浄力を発揮しています。
このように配合されている成分に注目してみることで、石鹸と洗顔フォームを区別することができますね。
一見石鹸のようにみえる固形の洗顔料も、成分表示を見て合成界面活性剤が主原料となっている場合、石鹸ではないことがわかります。
石けん素地が配合されていなくても石鹸?
基本的には石けん素地が配合されているアイテムが石鹸に分類されるのですが、練り石けんや生石鹸と呼ばれる固形化していない柔らかい形状の石鹸には成分表に石けん素地が記載されていないことがあります。
成分表記だけを見ると (これって本当に石けん・・・?) なんて疑問に思ってしまいそうですがそんな時は配合されている成分に注目しましょう。
まず、成分に【ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの脂肪酸】と【水酸化カリウム(アルカリ剤)】が配合されているかを確認します。
脂肪酸とは、油脂から不純物を取り除き精製された石鹸原料の油脂と同じ働きをする成分です。
そして水酸化カリウムは、石鹸原料となる水酸化ナトリウムと同じ働きをするアルカリ剤でジェルや液状の石鹸を作る時に使用される成分です。上記2つの成分が配合されているということは、 固形石鹸と同じように“鹸化”によって製造され、石鹸が主な洗浄成分になっていることがわかります。
【然 よかせっけん】
洗浄成分に毛穴よりも小さい極微細シリカ(火山灰)を配合して独自の製法で作られた弱アルカリ性の練りせっけん。
“弱アルカリ性”と“弱酸性”で判断しよう
2番目のポイントは、洗顔料の性質を判断することです。
酸性やアルカリ性の判断は液体の性質を判定する「ph(ペーハー)値 」によって測定することができます。
原材料に、石けん素地または水酸化ナトリウムや水酸化カリウムといったアルカリ剤が配合されている石鹸は、phが8.0以上11.0以下の 弱アルカリ性です。
反対に、クエン酸やクエン酸ナトリウム、合成界面活性剤が配合される、石鹸以外に分類される洗顔料のph は“3.0以上6.0未満”で弱酸性を示します。
つまり基本的に『石鹸は弱アルカリ性』『それ以外の洗顔料は弱酸性』と考えることができます。
市販されている洗顔料で弱アルカリ性か弱酸性か記載されているアイテムは少ないですが、成分を見て主な成分が石鹸か合成界面活性剤かを確認すれば判断できます。
それでも自分でしっかり確かめたい!という人はリトマス試験紙やph測定器などを購入すれば自宅でも調べることができます。
弱アルカリ性と弱酸性が肌に与える影響
人間の健康な肌は男性でph4.0~6.0、女性でph4.5~6.5前後の弱酸性に保たれています。
石鹸で洗顔すると肌は一時的に中性に傾きますが、肌が持つアルカリ中和能力によってしばらくすると弱酸性へともどります。
弱酸性は肌と同じ成分なので、洗顔によって肌のphが大きく変化することはありません。
石鹸と洗顔フォームのメリット・デメリット
ここまでで、洗顔石鹸と洗顔フォームの違いについてはわかっていただけたのではないでしょうか?
そこで気になるのは「石鹸と洗顔フォームどっちを使うのがいいの?」という疑問ですよね。
結論から言うと、それぞれにメリットとデメリットがあるため一概には言えません。
石鹸のメリット
石鹸の一番のメリットは、天然成分を中心に作られているため合成界面活性剤などによる肌への刺激が少ないことです。
また石鹸で洗顔することで肌は一時的に中性に傾いてしまうので、ツッパリ感を感じることがありますが、肌に備わっているアルカリ中和能力によってしばらくすると弱酸性へ戻ります。
この弱酸性へと戻る過程で肌自身の再生能力を高め健康な肌を維持します。
また、石けん成分は水と一緒に流れやすいので泡切れがよくさっぱりと洗いあげることができます。普通肌やオイリー肌の場合、石鹸によるシンプルな洗顔がおすすめです。
石鹸のデメリット
天然成分を中心にして作られている石鹸は保湿成分が少なく、洗顔後の肌は乾燥しやすくなります。
また敏感肌や乾燥肌は、洗顔後の肌が中性へ傾くことで肌の乾燥が進行してしまい症状が悪化する可能性があります。
泡立ちが弱いので、洗顔時の摩擦が肌へのダメージとなり肌荒れなどトラブルの原因となるケースもあります。
そしてエイジングなどの美肌ケアに重点を置いている場合、シンプルな成分でできている石鹸では物足りなく感じることがあります。
洗顔フォームのメリット
洗顔後の肌は弱酸性に保たれるので、洗い上がりのツッパリ感を感じにくいのが特徴です。
添加されている保湿成分によって乾燥しがちな肌でもしっとりと洗いあがります。
そして洗顔フォームは泡立てやすくたくさんの豊かな泡が簡単に作れるので、洗顔による摩擦が刺激になってしまう敏感肌の人の肌でも、皮膚に負担をかけずやさしく洗うことができます。
また、洗顔フォームにはいろいろな美肌成分や有効成分を一度にたくさん配合できるので、ニキビケアや美白※ケア、エイジングケアなどに特化したアイテムが豊富です。
(※)本記事内での「美白」は、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすの原因を防ぐ」ことです。
洗顔フォームのデメリット
合成界面活性剤などの化学成分が刺激となり肌トラブルの原因になることがあります。
洗浄力の強い合成界面活性剤が使われている場合、お肌のうるおい維持に必要な皮脂まで取り除き乾燥が悪化する原因になることがあるので注意が必要です。
乾燥肌や敏感肌の人が洗顔フォームを選ぶときは、なるべく添加物が少なく、刺激の少ない合成界面活性剤が使用された製品を選びましょう。
また油膜成分が多く配合されている洗顔フォームを、ニキビ肌やオイリー肌(脂質肌)の方が使用すると、肌に残った油膜成分が原因でニキビの悪化や毛穴に黒ずみができる原因になってしまいます。
このように、石鹸にも洗顔フォームにもそれぞれのメリットとデメリットがあります。
それぞれの特性や効果を理解して自分の肌質に合わせたアイテムを選ぶことが大切です。