ニキビの治療にピルを用いる人は、日本ではまだ少ないかもしれませんが、欧米では高い割合で実施され、それなりの効果を得ているようです。

ピルは、男性ホルモンを減少させる働きがありますので、ホルモンが原因のニキビに対して有効に働くことがあります。

今回は、ニキビ治療にピルを用いる効果や、副作用、ピルの種類などについて解説していきます。

 

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ニキビ治療にピルは、効果があるの?

ピルは、女性ホルモンの「エストロゲン」と、「黄体ホルモン」の作用をもつ物質「プロゲスチン」とで作られている経口避妊薬です。

エストロゲンには、男性ホルモンと呼ばれる「フリーテストステロン(アンドロゲンの一種)」を減少させる働きがありますので、男性ホルモンの割合が多いことが原因になっている、アゴなどの顔面、背中などにできるニキビの治療に、効果を発揮することがあります。

ニキビ治療のピルの服用には、リスクがともなう!?

ニキビの治療にピルを用いるのは、血栓症(血のかたまりがつまる病気)や発がんのリスクがある、ということから、日本皮膚科学会のガイドラインでは、推奨はされていません。

他の治療で改善が不十分で,結果的に避妊につながることを 容認する成人女性の痤瘡に対して,経口避妊薬(ピル)を使 用してもよいが,推奨はしない.(中略)

血栓形成や不正性器出血などの副作用 があることに関する十分なインフォームドコンセントのも と使用する必要がある.

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ニキビ治療に用いるピルの種類。

ニキビ治療に用いるピルには、次のような分類方法があります。

  • 成分の比率による分類
  • プロゲスチン成分の種類による分類

それぞれについて、詳しく解説していきます。

成分の比率による分類

ピルは、含まれる2つのホルモンの比率が、服用期間中にどのように変化するかによって、3つの種類に分けられます。

それぞれを1相性(そうせい)ピル、2相性ピル、3相性ピルといいます。

1相性ピル

1相性ピルは、2つのホルモンの比率がずっと変わりません。つまり同じ配合で作られた、同じピルを飲み続けますので、服用法が、簡単です。

1相性ピルには「マーベロン」「オーソM」「ヤーズ」という製品があります。

不正出血は少ないですが、吐き気、嘔吐などの副作用が起きやすいと言われています。

 

2相性ピル

2相性ピルは、ホルモンの比率が、1度だけ変わります。

 

3相性ピル

黄体ホルモンの量を、3段階に変化させるのが、3相性ピルです。

「オーソ777」という製品は、黄体ホルモンが増加します。

「トリキュラー」「リビアン」「アンジュ」という製品は、最初の変化でエストロゲンを増やし、最後の段階で黄体ホルモンを減らして、不正出血を減らそうとするものです。

「ノルニール」や「シンフェーズ」という製品は、逆にエストロゲンの量を減らしていき、副作用を減らす狙いがあります。ただし、不正出血は起きやすいと言われています。

プロゲスチン成分の種類による分類

ピルは、含まれるプロゲスチン成分の種類により4つに分類され、開発された順に第1世代、第2世代、第3世代、第4世代があります。

4つを比べて、 効果を示す割合に差はないと言われていますが、副作用のリスクには違いがあります。

各世代のピルの特徴です。

第1世代

黄体ホルモンの作用が比較的弱いです。

生理による出血量は少なく、不正出血が起きやすいと言われています。

 

第2世代

黄体ホルモンの作用が増強されました。

不正出血は起きにくいですが、黄体ホルモンに男性ホルモンに似た作用がありますので、ニキビが一時的に悪化することがあります。

黄体ホルモンの作用が強く出やすく、むくみやうつ症状が出やすいとも言われています。

 

第3世代

男性ホルモンの作用を抑え、黄体ホルモン作用は強くされました。

性欲の減退や膣の乾燥感がでやすい傾向にあります。

生理による出血量は、減りません。不正出血の頻度も低いと言われています。

「マーベロン」は、この第3世代に属します。

 

第4世代

体の中の黄体ホルモン「プロゲステロン」に、より近い性質をしています。

男性ホルモンを抑える作用があり、むくみや体重増加、血圧の上昇などの副作用は少ないと言われています。

ニキビ治療には「マーベロン」が1番?

欧米では、副作用の少ないピルとして「マーベロン」がもっとも普及していましたが、静脈血栓症の副作用が頻繁に報告されるようになり、その発生頻度は、第2世代のピルよりも高いものになったと言われています。

そのようなことから日本では、ほかのピルが適切でない場合にマーベロンを用いる、という位置づけでの発売になりました。

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ニキビ治療に最適なピルはなに?

ピルのニキビ治療における効果に、世代別の差がないと言われていることは先に述べましたが、リスクの出現率には違いがある、という調査結果があります。

イギリスの医学誌「BMJ」によると、デンマークの研究で、ピルによる静脈血栓症のリスクを比べたところ、ピルを服用していない人に比べ、第2世代のピルを服用している人のリスクは2.9倍、第3世代で6.6倍、第4世代では6.4倍に増加するという結果になった、ということです。

 

ピルをニキビ治療に用いるなら、第3世代、第4世代よりも第1世代、第2世代の方が危険度が少ない、と考えられています。

ニキビ治療のピル、具体的な副作用は?

ピルの副作用については、4つの種類のところでも少し述べましたが、ここでは全体的に、ピルを服用し始めて出る、副作用について解説します。

ピルを服用し始めてでる副作用

ピルを服用し始めると、吐き気や頭痛、嘔吐、乳房のはれ、不正出血などの症状があらわれることがあると言われています。

これらの副作用は、数か月間続き、その後軽減されると言われていますが、検査が必要な場合もあります。

ピルの服用中にする検査とは。

次のような副作用が起こっていないか、検査されることがあります。

  • 血圧の上昇
  • 子宮の増大
  • 乳房腫瘤(しこり)の出現
  • 異常な体重の増加
  • ASTやALT(おもに肝細胞内で作られる酵素)の異常

などです。

ピルによるニキビ治療を中止する場合とは。

以下にあげるような症状が出た場合には、血栓症(血のかたまりがつまる病気)のおそれがあるため、ただちにピルの服用を中止しなければならないと言われています。

  • ふくらはぎの痛みやむくみ
  • 突然の息切れ
  • 激しい胸の痛み
  • 視野の消失
  • 異常性器出血
  • 激しい頭痛
  • 黄疸の出現
  • 失神
  • 手足のしびれ

などです。

ピルの服用は、乳がんや子宮頸がんのリスクを高めるとも言われていますので、定期的に検査を受けることが大切です。

ニキビ治療のピルをやめたらどうなるの?

ニキビの治療をピルだけに頼っている場合は、ピルをやめたらニキビが再び出てくることがあります。

ただ、ニキビが原因でストレスになり、そのストレスがさらにニキビをひどくしていた場合は、ストレスが軽減した分、ニキビのでかたが穏やかになる、ということはあるでしょう。

ピルを処方してもらう前には、チェックが必要

ピルをニキビ治療に用いるためには、基本的に皮膚科の医師による処方が必要ですが、その前に問診を受け、必要なら検査が実施されることもあります。

問診の内容は、月経歴や妊娠分娩歴、既往歴(これまでにかかった病気)、家族の既往歴などです。

中でも、静脈炎、血栓、エストロゲン依存性腫瘍、高脂血症、高血圧症などがないかどうかのチェックが必要だと言われています。

血圧が高めの人は、ピルの服用はできない?

血圧に関しては、収縮期が140以上、拡張期が90mmHg以上の場合は、ピルを使用できないと言われています。

喫煙者はピルの服用ができない?

喫煙している人は、血栓症や心筋梗塞にかかる危険性が高まるため、禁煙することが大切だと言われています。

ニキビ治療用のピルに保険は適用される?

ニキビの治療用としてのピルの処方には、現在保険は適用されません。

痤瘡に経口避妊薬(ピル)は有効か?

使用する場合には,痤瘡治療に対して本邦では未承認 の治療法であること,保険適応外の治療法であること

まとめ

ニキビ治療のピルについて見てきましたが、いかがでしたか。

ピルには色々な種類がありますが、ニキビ治療には、安易にピルを用いない方がいいと言われています。

特に、新しく登場したものであればあるほど、治療効果の裏側には、安全性に対する心配もある、ということを忘れないことが大切です。

 

なるべくお薬に頼らず、ニキビを治したいですよね ^^

 
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